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2018年12月 2日 (日)

DOKKEN『BEAST FROM THE EAST』(1988)

DOKKENが1988年11月(日本では翌12月)にリリースした、初のライブアルバム。前年秋に発表した4thアルバム『BACK FOR THE ATTACK』(1987年)を携え、1988年春に実施したジャパンツアーから厳選されたライブ音源16曲と、本作のみに収録の新曲「Walk Away」から構成された2枚組作品(アナログ盤とカセットのみ)。CDは当時、収録時間の関係で3曲(「Standing In The Shadows」「Sleepless Night」「Turn On The Action」)削った全14曲の1枚もので発売され、のちに2枚組完全版が日本のみで限定発売されました。

曲数的に日本公演の模様を完全収録したものと思われがちですが、実はそんなことはなく、当時のセットリストを振り返ると実際には連日18〜20曲程度が演奏されており、アルバムには「Heartless Heart」や「Burning Like A Flame」、当時未発表だった「Cry Again」(結局、今日まで正式リリースなし)あたりがカットされています。

また、曲順も実際のライブとかかけ離れたもので、本来は「Kiss Of Death」から始まるものの、アルバムでは「Unchain The Night」(実際は3曲目)に置き換えられています。

さらに、ギターやボーカルの差し替えもかなり行われているようです(まあこれは、この手の作品なら当たり前のようになっていますが)。ライブではヘロヘロでちゃんと歌えないドン・ドッケン(Vo)も、このアルバムだと荒々しいもののちゃんと高音が出て歌えているし、逆にライブならではの荒さが気に入らないジョージ・リンチ(G)はソロを弾き直している、と。

このように、本作はライブの実況盤というよりは、ライブ音源を使った新しい形のオリジナルアルバム、もしくはベストアルバムと呼んだほうが正しいのかもしれません。じゃなかったら、ラストに唯一のスタジオ音源「Walk Away」を入れたりしないよな。

ただ、とはいえ実際のライブの雰囲気が台無しになってしまっているかというと、いやいや。ちゃんとあの当時の、脂の乗ったバンドの様子は感じ取ることはできます。この頃になるとドンとジョージの確執もかなり強まっていましたが、日本公演の時点ではそういったバンド内の緊張感がまだ良い方向に作用していたはずなんです。事実、このあとに行われたUSツアー(METALLICAとかVAN HALENとかと回っていたはず)くらいになると関係性がさらに悪化し、結局このライブアルバムを最後にバンドは解散するわけですから。

最後に、唯一の新曲「Walk Away」についても。これ、『BACK FOR THE ATTACK』からのおこぼれだと思うんですが(あのアルバム、バラードらしいバラードは皆無だったしね)、MVでラストにドンがひとり去っていく演出といい、確実に“別れ”や“決別”を意識して収録してますよね。ドン自身、もはや自分だけではコントロールが効かなくなったバンドに対する意思表示だったのかなと。そんな深読みも、当時はよくしたものでした。

DOKKENはつい最近も、オリジナルメンバー復活時の日本公演を収めたライブ作品『RETURN TO THE EAST LIVE 2016』(2018年)を発表していますが、バンドの演奏はすごく良いものの歌がアレなので(苦笑)、オリジナルDOKKENの凄みを味わいたい方はぜひこの『BEAST FROM THE EAST』を聴いてみてください。

残念ながらデジタル版やストリーミングではCD1枚ものの短縮版しか聴けませんが、昨年海外の再発レーベルRock Candyから2枚組完全盤がリリースされ、廃盤状態だった2枚組国内盤もタワーレコード限定で再プレスされたようですので、機会があったらCDで購入することをオススメします。



▼DOKKEN『BEAST FROM THE EAST』
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