LOVEBITES『CLOCKWORK IMMORTALITY』(2018)
LOVEBITES待望の2ndアルバム。1stアルバム『AWAKENING FROM ABYSS』(2017年)から1年2ヶ月ぶりとなりますが、間にミニアルバム『BATTLE AGAINST THE DAMNATION』(2018年)を挟んでいるので、実質的には半年ぶりの新作ということになるのでしょうか。
8月には日本人女性アーティストとしては初となる、ドイツ最大級のメタルフェス『WACKEN OPEN AIR』に出演。続いてイギリスの『BLOODSTOCK OPEN AIR』にも参加し、昨年秋のショーケースライブも功を奏して英・ブッキングエージェントの最大手のひとつ「X-Ray Touring」と提携。11月にはオランダ、ドイツ、フランス、イギリスを回るヨーロッパツアーも実現し、このニューアルバム『CLOCKWORK IMMORTALITY』も世界最大のメタルレーベルのひとつであるNuclear Blast Recordsの傘下Arising Empireを通じてヨーロッパ各国やオーストラリアなどでリリースされています。
さて、この1年で環境が激変したLOVEBITES。どんなアーティストにとっても2枚目のアルバムは鬼門と言われますが、彼女たちの場合はといいますと……正直に書きますと、最初に1巡したときは『AWAKENING FROM ABYSS』や『BATTLE AGAINST THE DAMNATION』ほどの衝撃や驚きはありませんでした。それは、このバンドに対する期待値が自分が思っている以上のものだったということの表れでもあるのですが。
では、今作の出来は悪いのかといいますと、まったくそんなことはない。インパクトという点においては過去作のほうが勝るものの、1曲1曲の作り込みや完成度は正直この新作のほうが上だと思います。アルバムのオープニングを飾る「Addicted」やリードトラックとしてMVも公開中の「Rising」などは、我々がイメージする“LOVEBITES像”がよりブラッシュアップされた形で提示されています。
かと思えば、ダンサブルでキャッチーな「Empty Daydream」や疾走感に満ちあふれた「Mastermind 01」のような曲もあるし、緊張感ほとばしるスラッシーな「M.D.O.」、asami(Vo)の伸びやかな歌声が楽しめる「Journey To The Otherside」、ドラマチックなアレンジのパワーメタル「The Final Collision」、イントロのツインリードギターにヤラレる「We The United」もある。
そうなんです。本作は1曲1曲のバラエティ豊かさが過去イチで、非常に柔軟性の高い内容に仕上がっているのです。作曲能力は確実にレベルアップしているし、表現力やアンサンブルも文句なし。先に述べたようにasamiの歌唱力・表現力も確実な成長を見せていると同時に、独自の個性を確実にモノにしている。つまり、本作は“世界”で鳴らされることを意識した、インパクトよりも中身の濃さで勝負する1枚なのではないでしょうか。だからなのか、何度も聴き込むと1回目には見えてこなかった魅力的な世界が拓けてくる。そんなスルメ的アルバムだと思います。
そして最後に、アルバムラストを飾る泣きのバラード「Epilogue」。この曲で締めくくられるというのも、また堪らないものがあります。この曲はasamiが初めて作曲に挑戦した1曲で、古き良き時代のブリティッシュハードロック風を彷彿とさせるものがあります。逆に、2枚目のアルバムで早くもこんなに大人びたテイストを提供するなんて、どこまで成長著しいんだと驚くばかり。この曲でのmiyako(G, Key)のアコギとasamiのボーカルは、圧巻の一言。ライブで聴いたらどうなっちゃうんだろう……と、今から来年のツアーが楽しみでなりません。
ファンの間では賛否両論あるようですが、本作は間違いなく“世界のLOVEBITES”へと導く鍵になるはずだし、2018年のHR/HMシーンを代表する1枚だと思っています。

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