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2018年12月15日 (土)

SLAYER『DIABOLUS IN MUSICA』(1998)

1998年6月にリリースされた、SLAYER通算7枚目のオリジナルアルバム(カバーアルバム『UNDISPUTED ATTITUDE』を含めたら8枚目のスタジオアルバム)。トム・アラヤ(Vo, B)、ケリー・キング(G)、ジェフ・ハンネマン(G)、ポール・ボスタフ(Dr)の布陣では2作目のオリジナル作となり、初の全米TOP10入り(8位)を記録した6thアルバム『DIVINE INTERVENTION』(1994年)と比べると最高31位と近作の中では低調で終わっています。

アルバムタイトル『DIABOLUS IN MUSICA』はラテン語の音楽用語で「音楽の中の悪魔」と呼ばれる不協和音から取られているとのこと(Wikipedia情報)。ジャケットの不安を掻き立てるホラー映画感といい、これまでの直接的な邪悪さとはちょっと異なる恐怖感が演出されているような気がします。

というのも本作、これまでの残虐性の高い無慈悲なスラッシュメタルとは一線を画する、当時流行し始めていたニューメタルやヘヴィロック、ラップメタル的なテイストが導入されているのです。引きずるようなヘヴィさにヒップホップ的な“跳ね感”が加わったことで従来のサウンドよりもモダンさが際立っていますが、そこはSLAYERのこと。要所要所で“らしさ”をしっかり演出しているのでちゃんと「SLAYER」のアルバムとして成立していますのでご安心を。

とはいえ、ここまでのキャリアを総括すると、やっぱり異色の1枚なんですよね。例えば『DIVINE INTERVENTION』がケリー・キングの楽曲中心だったのに対し、今作は全11曲10曲がジェフ・ハンネマンの楽曲(日本盤ボーナストラック除く)。音楽的には上に述べたとおりで、さらに邪悪さをこれまでとは違った形で表現するためにトム・アラヤのボーカルを機械的にエフェクトしたり、SLAYERとしては初めてダウンチューニング(C#)も導入したりしています。そのへんの実験的要素の強さが、従来の正統派スラッシュメタルスタイルを愛するハードコアなリスナーから敬遠される理由なのかもしれません。

今となってはこういうヘヴィさも新鮮ですし、これがあったから続く『GOD HATES US ALL』(2001年)を生み出すことができたと捉えることもできるでしょう。しかし、1998年当時はかなりショッキングな内容に感じたことを、今でも昨日のことのように覚えています。ジャケット同様に、その音からも(別の意味で)不安をかきたてられるとは。

でもね。下手なヘヴィロックバンドやニューメタルバンド以上にヘヴィですし、内容も充実している。オープニングの「Bitter Peace」やエンディングの「Point」の、モダンさとSLAYERらしさを掛け合わせた独自性は、今こそ再評価されるべきではないでしょうか。そこに関しては太鼓判を押しておきます。まあ僕が言うまでもないでしょうけどね。



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