カテゴリー「2018年のライブ」の3件の記事

2018年11月29日 (木)

JUDAS PRIEST FIREPOWER TOUR 2018@TOKYO DOME CITY HALL(2018年11月28日)

Jp01ここ10年くらいは、来日するたびに必ず足を運ぶようにしているJUDAS PRIESTの日本公演。2009年秋の『LOUD PARK 09』の際にはロブ・ハルフォード(Vo)にインタビューする幸運な機会を得て、その足で幕張での『BRITISH STEEL』(1980年)完全再現ライブを観ることができました。また、その次に来日した2012年春のジャパンツアーはフェアウェルツアー名義で、脱退したK・K・ダウニングに代わりリッチー・フォークナー(G)が参加した最初の日本公演になりました。この際には自力で取った武道館公演と、その前日にレーベルからご招待いただいたZepp Tokyo公演の2つに足を運び、「これが最後なのか……」と若干悲しくなったりもしました。

しかし、彼らはその宣言を撤回し、2014年にはリッチーを含む編成で初のアルバム『REDEEMER OF SOULS』をリリース。2015年に再び来日するのですが、スケジュールなどの都合で泣く泣く断念。次こそは……と思っていたところ、以外にも早く新作『FIREPOWER』(2018年)が完成し、同作を携えたジャパンツアーが実現したのでした。しかし、ご存知のとおりグレン・ティプトン(G)がパーキンソン病を患っていることを発表し、ツアーに参加しないことを発表。海外公演ではときおり顔を出していたようですが、さすがに日本は……。とはいえ、次いつ観られるかわからないので、追加公演として行われたTOKYO DOME CITY HALL公演に参加することにしました。

セットリストはほぼ固定で、ジャパンツアーが始まってからもずっと一緒なので予習もしやすかったですし、何よりも個人的にかなり気楽に楽しめそうな内容だったので、事前に作成したプレイリストを聴きながら会場に到着。この日は通常のライブよりも30分遅い19時半スタートだったので、かなり余裕を持って参加できた会社員も多かったのではないでしょうか。

Jp05BLACK SABBATH「War Pigs」が大音量で鳴り始めると、会場が暗転。これがライブ開始の合図です。多くの観客が立ち上がる中、第2バルコニー席下手側でかなり近くから楽しめる環境だったこともあり、この日は座って観覧。「War Pigs」からオリジナルのSEに変わり、ステージを覆う幕に照明が当てられる。その幕の隙間からメンバーがステージに移動する姿が見えました。たぶんリッチーが通ったあとに、誰かに手を引かれるようにロブの姿も。そしてパワフルなギターリフとともに、「Firepower」から勢いよくライブはスタート。ロブは歌っていない間、ステージ上をL字に沿って歩き回る。その姿がちょっと滑稽というか……申し訳ない、なんだかルンバを見ているようで微笑ましかった(笑)。以前はどこかゼンマイ仕掛けのロボットみたいだったんだけど、今回は動きも若干スムーズで、しかも同じ動きをひたすら繰り返すから、もうなんというか……いや、カッコいいんですよ? 僕はそのコミカルさ含めて愛してますから。

グレンの代役としてツアーに参加しているアンディ・スニープ(G)は、最初に写真や動画で観たときは若干違和感が残ったんだけど、こうやって生で観るとその長身もあってわりとカッコいい。リッチーとの並び含めて、全然アリでした。その後方では、若手だと思っていたのにすでに30年選手だという事実にびっくりするスコット・トラヴィス(Dr)と、地味なアクションとバキバキのベースプレイでボトムを支えるイアン・ヒル(B)の姿。ああ、この人たちの頑張りがあるから、ロブはあれだけ遊べるんだよね(いや遊んでるわけではないが)。そう思うと、ちょっと胸が熱くなりました。

Jp04「Running Wild」「Grinder」と、キメキメのリフがたまらないオールドナンバーが続き、3曲終えるとロブが軽く挨拶。そしてリッチーのフィードバックノイズに続いて「Sinner」へ。ロブ、めっちゃ声出てるじゃん! 正直、プリーストに復帰したあとは加齢もあって、以前のように高音で歌うことは難しいのかなと思っていたところ、この日はキメるところでしっかりキメてる。新曲が今のロブの声域に合わせて作られているから耳にしっかり馴染むのはわかるとして、旧曲も「Painkiller」のようなモダンな曲以外は比較的歌いやすい曲を選んでいるような。けど、前回のツアーまでに残っていた“ハイトーンが目立つ”曲がかなり減り、そのぶん「Desert Plains」や「Night Comes Down」みたいに意外な選曲があったりして、個人的には非常に面白かったです。

あ、あと「The Ripper」ってこんなにカッコよかったっけ?って初めて思ったかも。今までは、80年代のプリーストナンバーと比べてもかなりオールドスクールな印象しかなかったけど、今回はなぜかモダンに聴こえた。ギタリスト2名によるものが大きいのかな。あと、イアンのベースが本当にバキバキした音で、そこもよかったのかも。

そして何度も言いますが、「Turbo Lover」は名曲です。名曲中の名曲。この曲ではロブが、サビを全部オーディエンスに歌わせる暴挙に。いや、それが客に盛り上がりにつながったのでよかったんだけど。僕もしっかり歌わせてもらいましたよ。楽しかった。

合間合間に入る『FIREPOWER』からの楽曲も、厳選された4曲という気がして、決して少なすぎるとは感じなかったかな。「Firepower」は言わずもがな、「Lightning Strikes」や「No Surrender」のど直球さ、そして21世紀版「Blood Red Skies」or「A Touch Of Evil」的立ち位置のミドルヘヴィバラード(と個人的には断言したい)「Rising From Ruins」の素晴しさたるや。文句なしのセレクトだと思いました。『FIREPOWER』というアルバムがどんな内容か、この4曲だけでも伝わるはずですから。

Jp09そういえば、ロブ様は2〜3曲歌うとジャケットを次々と変えて、優雅にステージに登場するのですが、その様子はまるで昭和の歌謡スターのようでした。着替えでステージから捌けている間に次の曲のイントロが始まり、着替えを終えると歌いながらステージに再登場するその姿、シビレます(笑)。

「Night Comes Down」「Rising From Ruins」とミディアムバラード2連発を終えると、いよいよ佳境へ。「Freewheel Burning」「You've Got Another Thing Comin'」とキラーチューンが立て続けに披露され、「Hell Bent For Leather」ではお約束となったバイクに跨ったロブ様が。まるで後尾しているかのようにバイクにへばりつき歌うロブの姿から目が離せませんでした。

本編ラストは、スコットの煽りからそのまま「Painkiller」へ。2000年代以降で一番“ちゃんと”歌えていたような気がします。ホント、ここまで安定して高音もしっかり出て、なおかつ中音域でセクシーさを見せるロブ、過去最高の仕上がりじゃないでしょうか。これが本ツアー100公演目ですよ? 正直、「このツアーで見納めかな?」と思っていた自分を悔い改めたい。もう1回やれるって、これ。スクリーンにはグレン・ティプトンがギターを弾く姿が映されていますが、そうだよね、もう1回グレンが弾く「Painkiller」も観たかったよね。でも、今日のリッチー&アンディのプレイもかなりアグレッシヴで良いんです。ああ、このクライマックス感、本当に最高。素敵な本編締めくくりでした。

Jp14本来、このあとのアンコールは「Electric Eye」のはずでした。いや、“はず”と勝手に決めつけるのはよくないか。ここまでの日本公演ではすべてそういうセトリでした。が、この日は聴き覚えのあるインダストリアル調SEに乗せて、ステージには帽子とサングラスをかけたスポーティーなファッションのおじさんが……スクリーンにアップが映し出されると、それがグレン・ティプトンだとわかりました。会場、この日一番の大歓声。そしてそのまま、予想を覆す「Metal Gods」がスタート! アンディは本来上手側ですが、そこをグレンに譲り、自身は下手後方で影武者のようにギターを弾きます。その控えめさ、嫌いじゃないよ。リッチーはそれまで使っていたVタイプからレスポールタイプにギターを持ち替え、グレンとの共演を心底楽しんでいる様子。ロブはそれまでのルンバからいきなりゼンマイ仕掛けに逆戻り(笑)。いや、この曲にはこの動きが正解か。ロブも楽しそう。いやあ、観てる間に鳥肌立って、しまいにゃ涙が出てきたよ。まさかプリーストのライブで泣くことになるとは、想像もしてなかったわ(苦笑)。

その後もグレンを含む6人編成で「Breaking The Law」、そして「Living After Midnight」でエンディング。最後も6人で挨拶をして、ロブの「JUDAS PRIESTコール」からのSE「We Are The Champions」(QUEEN)をみんなで合唱して、約100分におよぶライブは終了しました。

正直、今まで観たどのプリーストのライブよりも良かったし、胸に来るものがありました。僕が最初に観たのは1991年の『PAINKILLER』ツアーだったので、そこまで数を観ているほうではないですが、それでも“自分が観たかったJUDAS PRIEST”が見事なまでに表現されていたと思います。本当に行ってよかった。

Jp16


[SETLIST]
01. Firepower
02. Running Wild
03. Grinder
04. Sinner
05. The Ripper
06. Lightning Strikes
07. Desert Plains
08. No Surrender
09. Turbo Lover
10. The Green Manalishi (With The Two Prong Crown)
11. Night Comes Down
12. Guardians 〜 Rising From Ruins
13. Freewheel Burning
14. You've Got Another Thing Comin'
15. Hell Bent For Leather
16. Painkiller
<ENCORE>
17. Metal Gods [with Glenn Tipton]
18. Breaking The Law [with Glenn Tipton]
19. Living After Midnight [with Glenn Tipton]


2018年11月23日 (金)

PAUL McCARTNEY FRESHEN UP JAPAN TOUR 2018@東京ドーム(2018年11月1日)

Img_3736おそらくこれが最後の来日なんじゃないかという気もしているので、時間が経ったものの記録として残しておこうかなと。なので、ひっそりと載せておきます(笑)。

ポール・マッカートニーのライブを初めて観たのは、『OFF THE GROUND』(1993年)を携え行われた二度目の来日となった「THE NEW WORLD TOUR 1993」での東京ドーム。そこからしばらく時間が空いて、2010年代に入ってからは2013年以降毎回観てるんじゃないかな(中止となった2015年は日本武道館公演のチケットも確保していましたし)。なので、前回が2017年4月だから1年半ぶりと非常に有り難みがないわけでして。とはいえ、今回は5年ぶりの新作『EGYPT STATION』を引っさげてのツアーですし、それに……毎回毎回思うわけですが、「これが最後の来日かも……」と。特に2015年に体調不良で中止になって以来、その思いはより強いものになり、毎回行くかどうかギリギリまで悩みながらも、なんだかんだで足を運んでしまうという。完全に思うツボですね、はい。

そんなわけで、公演数日前にチケットを購入して東京ドーム2日目へ。年々チケットを買うタイミングがギリギリになっているので、当然座席も回を重ねるごとにステージからどんどん遠くなっていくという。今回なんて、完全なる点空席でしたからね。ま、そのおかげでじっくり座って楽しめたわけですが。

18時半スタートの予定が、なんだかんだで19時前後に会場暗転。ほぼ昨年のツアーと似たような演出のもと、ビートルズの「A Hard Day's Night」からライブはスタート。相変わらず、ライブ序盤の東京ドームは音が小さいな、なんて思いながらビール片手に名曲を堪能していくわけですが……頭4曲終わった時点で、ものすごい既視感に気づくわけです。


「あれ……前回とセトリ、まったく一緒じゃね?」


そうなんです。僕が昨年観た2017年4月28日の東京ドーム公演と、セットリストがほぼほぼ一緒だったのです頭4曲に関してはまったく同じ。そこに『EGYPT STATION』からの新曲を数曲散りばめつつ……ああ(苦笑)。今回のドーム初日はちょっとセトリが違ったようですが、個人的好みは今回のほうだったので結果オーライなんですが。まあ、良い曲、良いセトリはいつ何度観ても楽しいって結論でよろしいのではないでしょうか。

ポール御大の声はまあまあ出てるほう。そりゃあ5年前と比べたら確実に高音の伸びや深みが衰えているものの、それでもキーを下げることなく、ある曲ではベースで、ある曲ではエレキギター、ある曲ではアコギ、ある曲ではピアノ、ある曲ではウクレレと……どんだけエネルギッシュでアクティブな76歳だよ!とツッコミ入れつつ、名曲の数々をビール飲みながら味わいました。

Img_3740「Got To Get You Into My Life」ではブラス隊がアリーナ客席内から登場したり(あれ、ブラスって前回いましたっけ? ちょっと記憶が曖昧)、お客をステージに上げたりと今回のツアーならではの演出もあり。それでも、基本的には前回と一緒。ジミヘンパートも、ジョージ・ハリスンパート(「Something」)もまったく同じで、新鮮味はやっぱり皆無。でも、ビートルズ曲もポールのソロもWINGSナンバーも30年以上何十回、何百回とリピートしてきたものなのに、やっぱり生で聴くと印象が変わってくるんだから不思議です。

そんな僕ですが、やっぱり「Band On The Run」や「Back In The U.S.S.R.」が始まればテンションが上がるし、もはやガンズの持ちネタと化している「Live And Let Die」を聴けば一緒に歌うし、ベタだと思いつつも「Let It Be」や「Hey Jude」には涙腺が緩む。これはもう業みたいなものです。

そして、アンコール。久しぶりに聴く「I Saw Her Standing There」はやっぱりカッコいいし、「Helter Skelter」でのポールのシャウトには鳥肌が立った。で、「Golden Slumbers」「Carry That Weight」「The End」とおなじみのクライマックス。もはや有り難みすら感じなくなったこのエンディングも、やっぱり生で観たらジワジワくるから不思議。これはもう、DNAレベルで感動することが刷り込まれているんでしょうね。だったら仕方ない。

ライブ中盤で披露された「From Me To You」にはさすがにグッと来ましたし(そこから続く、前回も演奏した「Love Me Do」もしかり)、「Maybe I'm Amazed」は何度聴こうが色褪せることのない名曲中の名曲だし。そういったロック/ポップスの50年史を今もこうやって生で楽しめるのは、なんだかんだで幸せ以外の何者でもないわけです。また来年も来日するんじゃないかとか、毎回一緒なのに劣化したポールに2万近く払うのはいかがなものかとか、いろいろ意見があるのもわかります。けど、それでも足を運んでしまうのは、なんと言おうと業なのです。だから、毎回毎回「これが最後」と思いながらも高いチケット代を払って、会場でビールを飲みながら歌い楽しむ。そういう接し方が自分には合っているのかなと。

それともうひとつ。これは完全に個人的事情ですが、自分は数年前に耳を患い、その際ビートルズが雑音にしか聞こえず「これはもうライター引退なのかな……」と本気で泣いたことがありました。それを思えば、こうやって来日のたびにライブに足を運べるのはラッキーなことだし、「人生みっけもん」だなと。「ああ、まだこの曲で感動できるんだ」と確認しに東京ドームまで足を運んでいる気すらします。この気持ちだけは絶対に忘れたくないな。そういう意味では、現在のスタンスの原点を確認しにいく作業の一環でもあるのかもしれません。


[SETLIST]
01. A Hard Day's Night
02. Junior's Farm
03. Can't Buy Me Love
04. Letting Go
05. Who Cares
06. Got To Get You Into My Life
07. Come On To Me
08. Let Me Roll It
09. I've Got A Feeling
10. Let 'Em In
11. My Valentine
12. 1985
13. Maybe I'm Amazed
14. We Can Work It Out
15. In Spite Of All the Danger
16. From Me To You
17. Love Me Do
18. Blackbird
19. Here Today
20. Queenie Eye
21. Lady Madonna
22. Eleanor Rigby
23. Fuh You
24. Being For The Benefit Of Mr. Kite!
25. Something
26. Ob-La-Di, Ob-La-Da
27. Band On The Run
28. Back In The U.S.S.R.
29. Let It Be
30. Live And Let Die
31. Hey Jude
<ENCORE>
32. I Saw Her Standing There
33. Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band (Reprise)
34. Helter Skelter
35. Golden Slumbers
36. Carry That Weight
37. The End


2018年11月 2日 (金)

DEF LEPPARD『HYSTERIA』PERFORMED IN ITS ENTIRETY & MORE@日本武道館(2018年10月24日)

Img_3716もう1週間経ってしまいましたが、いまだに余韻が抜けないので改めて記録として残しておきます(ベビメタやらポール・マッカートニーやらで記憶が薄まる前に)。

DEF LEPPARD、3年ぶりの来日公演。前回は久しぶりのニューアルバム『DEF LEPPARD』(2015年)発売直後でしたが、今回は傑作『HYSTERIA』(1987年)完全再現+αというHR/HMファン歓喜の内容。そりゃ行かない理由はないですよね。

しかも、前回の来日時は自身の体調が万全ではなく(耳を患い長時間大音量が厳しい状態)、しかもライブ当日に名古屋で取材。開演に20分以上遅れるという失態を犯したこともあり、今回は最初から最後までまるまる堪能したいなと。30分前には武道館入りし、場内で延々流れるブリティッシュロック/ハードロックの名曲群に浸っておりました(ラジオDJ風で、途中「あと◯◯分でライブだよ」みたいな英語アナウンスが入る)。

ステージは非常にシンプル。後方に巨大LEDスクリーン、その前の一段高い位置にドラムセット。ステージ上にはギターアンプの類は一切なし。そういえば、前回の来日時も同じようなことで驚いた記憶が。あと、DURAN DURANのときも同じようなステージセットだったような。最近はこういう形が増えているんですかね。

予定時間から10分ほど遅れて暗転(そういえば、暗転前最後に流れたのはDEPECHE MODE「Personal Jesus」のDEF LEPPARDカバー。自分たちの曲を流すのは斬新でしたね。笑)。『HYSTERIA』収録曲をコラージュしたSEが流れる中、メンバーがステージに登場し、最後にジョー・エリオット(Vo)が現れたところでフィル・コリン(G)が「Women」のギターフレーズを奏でライブ開始。キーは半音下げでしょうか。ライブアルバム&映像作品『VIVA! HYSTERIA』(2013年)と同じキーだったと記憶しています。全体的に音量が抑えめで、ジョーの声も若干聞こえにくいような。高音が厳しいのは今に始まった話じゃないですが、こういった音響のせいもあってサビではジョーの声が聞き取りにくいったらありゃしない。まあそこは、観客の大合唱でフォローするわけですが。

ライブで久しぶりに耳にする「Women」からアルバムテイクの「Rocket」、ポップで小気味良い「Animal」へと順調に流れていき、MCは極力控えめ。4曲目「Love Bites」はさすがに半音下げでも厳しかったのか、1音下げだったのでは?(もっとかも) それでも違和感なく楽しめましたが。そしてライブ終盤の定番曲「Pour Some Sugar On Me」と、5曲立て続けにヒットシングルを演奏……冷静に考えて、なんて豪華なアルバム/ライブなんでしょう。普通のバンドだったら、ヒット曲はライブ全編に散りばめるのに、MCを挟んでさらに続く「Armageddon It」と、ここまでシングル6連発。アナログA面全曲がシングルナンバーって、それどこの『THRILLER』だよ!?って話ですよね。

ここまではライブで耳にする機会が比較的多い楽曲が続きましたが、個人的にはこれ以降が本番。マニアックな楽曲が並ぶアナログB面(M-7〜12)ゾーンに突入です。

Img_3714「Gods Of War」の前にはスティーヴ・クラーク(G/1991年死去)の在りし日の姿がスクリーンに映し出され、涙腺が刺激されます。この頃から演奏全体のボリュームが安定し、大きめになったような記憶があります。フィル・コリンやヴィヴィアン・キャンベル(G)がクールなギタープレイを披露し、リック・アレン(Dr)とリック・サヴェージ(B)がヘヴィなビートでボトムを固める。アルバムで聴ける人工的なサウンドとは異なる、生々しさがむき出しになったライブでのアレンジ、本当に良いです。

そして「Don't Shoot Shotgun」「Run Riot」と久しぶりにライブで演奏される楽曲が続くのですが……残念ながら、序盤と比べると観客のテンションが少しだけ落ちたような気が。シングル曲ではサビでシンガロングが続きましたが、このへんでは(主に自分の周りでは)ほとんどなかったような。が、「Hysteria」では会場の熱量も復活。スクリーンに映し出される過去の写真に、再び胸が締め付けられるのでした。

ライブで聴くと意外と楽しかったダンスチューン「Excitable」を経て、感動のラストナンバー「Love And Affection」へ。「Hysteria」とテンポ感が似ており、かつ曲の並びが近かったのはライブとしては残念だったかもしれません(アルバムで聴くと違和感ないんだけど)。けど、良い曲であることには違いなく、結局70分近くにおよぶ完全再現を経て、バンドは一度ステージを後にします。

12曲で本編終了と、ライブとしては若干物足りなさが残りますが、ここからは「+α」パート。つまり、『HYSTERIA』以外の代表曲のパートになるわけですが、まずいきなり「Let It Go」(2ndアルバム『HIGH 'N' DRY』収録曲)から始まるとは! これにはさすがに驚かされました(大阪や名古屋では「Action」や「Wasted」が演奏されたようですね。これも聴きたかった!)。そこから、この日演奏された楽曲の中でもっとも最新ナンバー(笑。1995年作)「When Love & Hate Collide」へと続き、「Let’s Get Rocked」「Rock Of Ages」「Photograph」と定番ナンバー連発でアンコールを締めくくりました。

全17曲、正味95分程度と最近のライブとしては比較的短いほうかもしれませんが、ヒット曲満載でこのボリュームなら納得がいくといいますか。腹八分目で「また観たい!」と思えるくらいの長さが、実はちょうどいいのかもしれません。2時間半から3時間のライブが当たり前となっていた時代もありますが、アーティストのエゴで(ファン的には不人気な)レア曲にて水増しされるよりはこれでいい気がしました。

バンドは間もなく新たなグレイテスト・ヒッツアルバム『THE STORY SO FAR: THE BEST OF』をリリースしますが、できることなら同作を携え、また来年も来日してほしいな。今回ライブに足を運んだ人は間違いなく、次も行くはずですから。


[SETLIST]
01. Women
02. Rocket
03. Animal
04. Love Bites
05. Pour Some Sugar On Me
06. Armageddon It
07. Gods Of War
08. Don't Shoot Shotgun
09. Run Riot
10. Hysteria
11. Excitable
12. Love And Affection
<ENCORE>
13. Let It Go
14. When Love & Hate Collide
15. Let's Get Rocked
16. Rock Of Ages
17. Photograph




▼DEF LEPPARD『VIVA! HYSTERIA』
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