MARK SLAUGHTER『HALFWAY THERE』(2017)
SLAUGHTERのフロントマン、マーク・スローター(Vo, G)が2017年5月にリリースした2ndソロアルバム。
マークはSLAUGHTERでの『BACK TO REALITY』(1999年)を最後に、まとまった音源をリリースしておらず、その後2015年に発表されたマーク初のソロアルバム『REFLECTIONS IN A REAR VIEW MIRROR』まではトリビュートアルバムなどに参加するのみにとどまりました。そう考えると、ここ数年のソロ活動は往年のファンには嬉しい限りです。
前作はインディーズからのリリースだったものの、続く本作はデヴィッド・エルフソン(MEGADETH)が新たに設立したレーベル・EMP Label Groupから発売。前作同様にプロデュース、およびドラム以外のほとんどの楽器をマークが担当。ドラムは前作とは異なるジョシュア・セス・イーガンが、一部の楽曲でベースをジェイミー・ミラードが担当います(ジョシュアはP!NKなどの作品でプレイしている方のようです)。
基本的にSLAUGHTERでやっていてもおかしくないようなハードロックあり、SLAUGHTERではできないような“いかにもソロシンガーが歌いそうな”ロック/ポップチューンありだった前作の延長線上にある1枚ですが、個人的には前作以上にハードロック色が強まっているような印象を受けました。
例えばオープニングを飾る「Hey You」なんて、そのままSLAUGHTERでプレイしても何ら違和感のない良曲ですし、続く「Devoted」なんてSLAUGHTERにはないタイプのメタリックなヘヴィチューンですし。さらに「Conspiracy」や「Reckless」ではグランジ以降のヘヴィロックが展開されていたりと、なかなか攻めまくりじゃないですか。なんでバンドでやらないんでしょうね(笑)。
かと思えば、往年の名バラードを彷彿とさせるアルバムタイトルトラックやビートルズチックなハーモニーが含まれたポップな「Turn It」、若干AORっぽさもにじみ出ている「Not Here」、モロにジョン・レノンからの影響が強いサイケ調の「Arms Full Of Empty」もある。このへんを聴いちゃうと、なるほど、ここまで含めてやりたいんだな、そりゃあソロになるか……と納得させられます。
マークのボーカルは往年のハイトーンこそ期待できないものの、中音域を中心に味わい深い歌声を聴かせてくれます。確かにあの超高音こそが彼の持ち味でしたが、これはこれで悪くないし、ところどころで“あの”SLAUGHTERっぽさが感じられる。あんなバケモノみたいなハイトーンを20年後も求めるのは酷ってものですよ。
あ、あと本作での聴きどころのひとつは、マークのギタープレイでもあるわけで。これがなかなかの腕前でして、そりゃバンドじゃなくて全部自分で表現してみたいって思いたくなるわな。特に「Devoted」や「Supernatural」、「Arms Full Of Empty」あたりからは高度なテクニックや独特のセンスを存分に感じ取れるはずです。
きっと「なんでSLAUGHTERで……」と思ってしまうのって、結局過去の名曲を聴きたいだけなのかな、とふと思ってしまいました。こうやってアーティストとして、前向きに新しいことにトライしているのを受け入れてあげてもいいんじゃないかな。その中で、ボーナスとして過去の名曲が飛び出したら、それは儲けものってことでいいじゃないの。ね?
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