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2019年1月 6日 (日)

LED ZEPPELIN『HOUSES OF THE HOLY』(1973)

LED ZEPPELINが1973年3月に発表した、通算5作目のオリジナルアルバム。現在までにアメリカだけで2000万枚を超えるほどのメガヒット作となった前作『LED ZEPPELIN IV』(1971年)から1年半ぶりの新作にあたり、ナンバリングされた過去4作(そもそも『LED ZEPPELIN IV』は本来“無題”なのですが)から離れ、バンドとしてさらなるスケールアップを目指した1枚に仕上げられています。

ブルースを基盤にしたハードロックが展開された『LED ZEPPELIN』(1969年)および『LED ZEPPELIN II』(同年)、そこにトラッドミュージックのカラーを加えた『LED ZEPPELIN III』(1970年)を経て、これまでの要素をよりキャッチーに昇華した『LED ZEPPELIN IV』。いわゆる我々の知るLED ZEPPELINのパブリックイメージは、この4作目までに凝縮されています。では、続くこの5作目は何を表現しようとしたのか。それは、その“パブリックイメージからの離別”だったのではないでしょうか。

本作の中にはブルースおよびブルージーなハードロックをベースにした楽曲は皆無です。「The Song Remains The Same」や「Over The Hills And Far Away」といった楽曲はハードロックの枠内にあるナンバーですが、『LED ZEPPELIN IV』路線の延長線上にありながらも、確実に何か別の地平へと向かおうとしている。そんな動きが確認できます。

また、リフでグイグイ引っ張る「The Ocean」も聴きようによってはブルースの影響下にあるように感じられますが、変拍子を用いたり終盤に能天気なロックンロール的展開に変わったりと、一筋縄でいかない感じは確実に『LED ZEPPELIN IV』までとは異なるものを感じます。

一方で、「The Rain Song」のような壮大で美しいバラードがあったり、サイケデリックな長尺ナンバー「No Quarter」、ファンクミュージックからの影響が濃厚な「The Crunge」、この手のバンドとしてはいち早くレゲエを取り入れた「D'yer Mak'er」など、確実に新しいツェッペリン像を作り上げようとしている。音楽家としのアイデアや意欲が枯渇するどころか、この時点ではどんどん新しいことをやりたいという前のめりさを感じることができる。そういった意味でも、ツェッペリンがいよいよ本格的にオリジナリティを獲得した1枚と言えるかもしれません。

アルバムとしては派手な印象はありませんし、なんなら冒頭の「The Song Remains The Same」はロッキン(『ROCK IN JAPAN FESTIVAL』)開始後、渋谷陽一氏の出囃子みたいになっちゃって、なんだかなぁみたいなイメージも強いですが、その後のロックシーンに与えた影響という点では実は初期4作よりも大きい1枚なのではないでしょうか。



▼LED ZEPPELIN『HOUSES OF THE HOLY』
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投稿: 2019 01 06 12:00 午前 [1973年の作品Led Zeppelin] | 固定リンク