RAGE AGAINST THE MACHINE『THE BATTLE OF LOS ANGELES』(1999)
1999年11月にリリースされた、RAGE AGAINST THE MACHINE通算3作目のアルバム。
初の全米No.1を獲得した前作『EVIL EMPIRE』(1996年)から3年半ぶりの新作でしたが、この3年半が思っていた以上に長く感じられたんですよね、当時。それはきっと、1997年7月の初来日(ご存知、初開催の『FUJI ROCK FESTIVAL '97』出演を含む)で日本のロックファンに衝撃を与えたあと、翌年にハリウッド版『ゴジラ』のサウンドトラックに新曲「No Shelter」を提供、さらに1999年夏に苗場での初開催となる『FUJI ROCK FESTIVAL '99』での再来日などの活動を通して、「まもなくニューアルバムが発売される」とずーっと期待させてきたからに他なりません。ホント、99年のフジロックのときにはアルバム出てるはずだったもんね(確か)。
99年のフジロックでは、「まもなくリリース予定」の(笑)ニューアルバム(つまり本作)から、「Testify」と「Born Of A Broken Man」がいち早く披露されたと記憶しています。本サイトの当時のレポートを読み返すと、前者を「かなりドス黒い感じの極太ハイパーファンク」、後者を「イントロはツェッペリンの『Thank You』を彷彿とさせるクリーントーンから始まりサビで爆発する」と表現しており、ああなるほどなと思いました。さらに、これら2曲を指して「いい意味でポップ。要するに“わかりやすい”」とも記しており、その数ヶ月後に発売された本作を聴いても本当にそのとおりだなと思ったものです。
シンプルなヒップホップとわかりやすいギターリフを軸にしながらも、テクニカルな演奏とエフェクティヴなトム・モレロ(G)のギタープレイにより、ちょっと難解に思えてしまう。当時の僕はそんな印象を初期2作の彼らに対して持っていたのですが(曲によってはプログレッシヴな要素も強かったですし)、この3作目に関してはもっとシンプルでストレート、かつわかりやすいという印象を受けました。それはシングルカットもされた「Guerrilla Radio」や「Sleep Now In The Fire」あたりを軸にしたアルバム前半に顕著で、さらに「Born As Ghosts」を筆頭としたアルバム後半も基本的にはその流れにあると考えています。
ただ、アルバム後半は比較的前作までの流れに近いイメージもあり、前半ほどハイパーポップというわけではないかな。そういう意味では、後半に入るとちょっとテンションが落ちる(気がする)アルバムと言えなくもないですが。とはいえ、終盤2曲(「Ashes In The Fall」「War Within A Breath」)の流れは圧巻だったりするんですけどね(日本盤はこのあと、ボートラとして「No Shelter」が追加されているんですが、正直あってもなくてもいいって感じかな)。
このバンドの登場は革新的でしたしぶっちゃけ新発明だとも思いましたが、それと同じくらいに「実は幅が狭い」という諸刃の剣でもあり。それがオリジナルアルバム3枚で解散という結果につながったのかもしれません(2000年代後半の再結成後も、結局新作は発表されませんでしたし)。そう考えると(その後、カバーアルバム『RENEGADES』はあったものの)、本作で力尽きたというのも納得かもしれませんね。
とはいえ、それも音楽的側面でのお話。彼らのベースとなる主義主張の観点では、ここ数年のアメリカ社会に対してどんなことを考えているんだろう、むしろ今ならどんなことを歌うんだろう……そう思っているファンも少なくないはずです。そこだけが、残念でなりません。
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