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2019年1月30日 (水)

INCUBUS『MAKE YOURSELF』(1999)

1999年10月発売の、INCUBUS通算3作目のオリジナルアルバム。前作『S.C.I.E.N.C.E.』(1997年)でメジャーデビューを果たし、なおかつKORNのパッケージツアー『FAMILY VALUES TOUR 1998』に参加したことで一気に知名度を上げた彼らは、この3作目のアルバムで独自のスタイルを確立させることに成功します。

前作ではKORNやLIMP BIZKIT的なラップメタルに、『ROOTS』(1996年)期のSEPULTURAのような民族音楽をミックスしたラウドロックスタイルで人気を獲得したINCUBUSでしたが、借り物は借り物であり、ある程度の人気は獲得できてもブレイクスルーまではできずにいました。ヒップホップ的手法はすでに手垢つきまくりですし、民族音楽といっても別に彼らのルーツがそこにわるわけではない。

そうやって追い詰められたとき、彼らが選んだのは「歌」でした。もともとブランドン・ボイド(Vo)というイケメンで良い声を持つフロントマンがいるんだから、それを有効活用しない理由はない。ターンテーブル担当も現在まで在籍するDJキルモアに交代したこともあり、ここから心機一転と言わんばかりに“歌モノラウンドロック”の道を追求していくことになります。

ここの収録された楽曲の大半は、ミドルテンポで派手すぎない演奏をバックに、イケメンがアメリカ人の心に響くよう中音域で歌い上げるもの……言っちゃえばPEARL JAMが90年代初頭から積み上げてきたスタイルの焼き直しでもあるわけですが、それをよりモダンな形で、なおかつポップフィールドでも戦えるように小難しさを排除する。そのシンプルさが、“LIMP BIZKIT以降のアメリカ”でウケたわけです。

リードトラックとなった「Pardon Me」や「Clean」にはまだ前作までの香りがうっすら残っていますが、アルバムタイトル曲「Make Yourself」やオープニングトラック「Privilege」、そして穏やかなノリの「Stellar」あたりは完全に“モダンなラウド/ヘヴィロックをヒップホップ的手法で演奏し、普遍的なアメリカンロックを歌う”という以降のスタイルがほぼ完成しています。どれも一度聴いたら耳から離れないほどのキャッチーさが備わっているはずです。

そして、その極め付けの1曲となるのが、全米9位の大ヒットとなった「Drive」でしょう。アコースティックベースのこの曲こそ、アメリカ人が好みそうな要素が凝縮された“これぞ!”と呼べるもの。もはやラウドでもヘヴィでもないけど、この1曲で彼らは間違いなくてっぺんまで登りつめたわけです。

アルバム自体は全米47位と決して成功といえる数字ではありませんが(前作『S.C.I.E.N.C.E.』はチャートインすらしなかったんだから、それと比べたら大成功ですけど)、シングルヒットも手伝って売り上げは200万枚を突破。同じく代表作となる次作『MORNING VIEW』(2001年)に並ぶトップセールスを記録しています。



▼INCUBUS『MAKE YOURSELF』
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投稿: 2019 01 30 12:00 午前 [1999年の作品, Incubus] | 固定リンク