STONE TEMPLE PILOTS『NO.4』(1999)
1999年10月にリリースされた、STONE TEMPLE PILOTSの4thアルバム。スコット・ウェイランド(Vo)のドラッグ問題およびそれに伴う裁判などがあり、バンドは宙ぶらりんな状態に。そんなスコットにしびれを切らした残りのメンバー3人は別のシンガーとともに別バンドTALK SHOWを結成、アルバム『TALK SHOW』(1997年)をリリース。それを受けて、当のスコットはソロアルバム『12 BAR BLUES』(1998年)を発表し、もうバンド復活は望めないかと思っていたところ、4人は再度膝を付き合わしてアルバム制作に臨み、完成させたのがこのアルバムになるわけです。
プロデュースはデビューアルバム『CORE』(1992年)から4作連続での担当となるブレンダン・オブライエン。『THE MUSIC... SONGS FROM THE VATICAN GIFT SHOP』(1996年)では軽めで若干スカスカ感のあるサウンドで、ポップかつグラマラスな世界観を作り上げることに成功したものの、続くここでは過去イチで音が太くて重くて、それでいてキャッチーさがしっかり備わっている良バランスの1枚に仕上げられています。
オープニングの「Down」からして初期作にあった危うさやヘヴィさが復活していますが、以前と決定的に異なるのは“グランジ”のグの字も存在しないこと。完全にSTPのオリジナルとして完結しており、多くのSTPファンおよびヘヴィロックファンを納得させるクールさを持つ1曲となっています。
その後も「Heaven & Hot Rods」や「Pruno」と、メロがしっかりしたヘヴィロックが続きますが、「Church On Tuesday」あたりから少しずつ趣向が変化していきます。このあたりは完全に前作で得たグラマラスロックの効果がはっきりと表れており、その決定打となるのが5曲目の「Sour Girl」。この曲のキャッチーさ、美しさといったら……スコット、まだこんな曲を歌えるんだね。と、当時はホッとしたものです。
この前半だけでも最高なのに、6曲目「No Way Out」からの後半戦も素晴らしいんです。ヘヴィでサイケデリックな同曲から、攻めのアップチューン「Sex & Violence」、サイケポップという呼び名がふさわしい「Glide」、カントリーの香りすらする「I Got You」、タイトルからしてまんまなパンクチューン「MC5」、ラストを飾るにふさわしいドラマチックなアコースティックバラード「Atlanta」……全11曲、完璧な構成です。
過去3作での経験を無駄にせず、しっかりバンドとして前進することを選んだ。その結果が“らしさ”しか感じられないこの4thアルバムなわけですが、正直言うと初めて聴いたときは「ああ、これで解散かな。ラストアルバムっぽいな」と思ったのもまた事実。実際、バンドは本当に解散しても不思議じゃない状況だったわけですが、彼らはこのあともう1枚だけアルバムを制作することになりますが、それはまた別のお話。
なお、本作はそういった素晴らしい内容にも関わらず、過去最低となる全米6位(100万枚止まり)で終了しています。ただ、「Sour Girl」が全米78位とキャリア唯一のシングルヒットを残しており、それだけでも本作は大きな意味を残したと言えるのかな。個人的には前作と同じくらい好きな1枚です。
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