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2019年1月 1日 (火)

SLAYER『UNDISPUTED ATTITUDE』(1996)

1996年5月に発表された、SLAYER初のカバーアルバム。スタジオ作品としては『DIVINE INTERVENTION』(1994年)から約2年ぶり、通算7枚目のアルバムとなります。チャート的には全米34位と前作の8位には及びませんでしたが、この内容のわりにアメリカだけで20万枚以上も売り上げているので成功した部類に入るのではないでしょうか。

内容はハードコアパンクを中心としたもので、全14曲(日本盤初出時はボーナストラック2曲を含む16曲)中VERBAL ABUSEが3曲、T.S.O.L.が1曲、PAP SMEARが2曲、MINOR THREATが2曲、D.I.が2曲、DR. KNOWが1曲、D.R.I.が1曲、THE STOOGESが1曲、そしてSLAYERのオリジナル曲が1曲となっています(先の日本盤ボーナストラックはG.B.H.とSUICIDAL TENDENCIESのカバー)。しかも、曲によっては2曲を1曲にまとめたメドレー形式になっており、実質的にはプラス4曲くらいの感覚なんですけどね。

そう考えると「曲多すぎ!」と思われるかもしれませんが、そこはほら、ハードコアですから。どのトラックも1曲1〜2分台ですし。トータルで33分ちょっと(日本盤ですら36分程度)ですから。大丈夫、あっという間ですよ(笑)。

あ、補足を。先のカバーしたバンドのうち、PAP SMEARはジェフ・ハンネマン(G)が80年代前半にやってたサイドプロジェクトのこと。そう考えると、実はSLAYERみたいなもんなんです。だから、3曲はSLAYERって捉えることもできるかも。無理やりですが。

SLAYERというバンドにハードコアなどエクストリームミュージックの側面を感じており、そちら方面も愛好しているリスナーなら間違いなく楽しめる1枚でしょう。が、メタルしか聴かねえよ!っていう輩には若干厳しい内容かもしれません。だって様式美もへったくれもないですからね。ただ、前作『DIVINE INTERVENTION』からの流れであったり、それ以前の、『REIGN IN BLOOD』(1986年)をはじめとする80年代のSLAYERにあった残虐性や無軌道さを追体験したい人、そのルーツはどこにあるのかを知りたい人にはうってつけの1枚だと思います。まあ、頭を固くして接するのは違うかなと。もっと気楽に楽しみたい作品集です。

ちなみに、SLAYER名義で唯一の新曲「Gemini」ですが、全然ハードコアでもパンクでもありません。ヘヴィなミディアムナンバーで、『SOUTH OF HEAVEN』(1988年)以降、『DIVINE INTERVENTION』未満といった作風でしょうか。イントロのギターフレーズやボーカルのエフェクトからは、次作『DIABOLUS IN MUSICA』(1998年)の香りがすでに感じられるあたりも、今振り返ると興味深いものがあります。



▼SLAYER『UNDISPUTED ATTITUDE』
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投稿: 2019 01 01 12:00 午前 [1996年の作品, Slayer] | 固定リンク