AMARANTHE『HELIX』(2018)
スウェーデンのメタルコアバンド、AMARANTHEが2018年10月に発表した通算5作目のオリジナルアルバム。前作『MAXIMALISM』(2016年)発表後にクリーンボーカル担当のジェイク・E(Vo)が脱退し、代わりに同じくスウェーデン出身のパワーメタルバンドDYNAZTYのフロントマン、ニルス・モーリン(Vo)が加入。この新体制で制作されたのが本作『HELIX』で、本国のアルバムチャートでは最高19位を記録しています。
2011年のデビュー以降、ほぼ2年ペースで新作を届けてくれる彼ら。そのベースとなっているのは男女3人(女性&男性のクリーン、男性スクリーム)の個性的なボーカリストの調和から生まれる独特なハーモニーと、エレクトロニコアをベースにしたモダンなメタルコアサウンドであり、そういったベーシックな部分は5作目となる今作でも大きな変化はありません。もちろん、毎回同じことをやっているわけではないので、作品を重ねるごとに生じる進化や成長は至るところから感じられるはずです。
ニルスは前作リリース後のツアーから参加していることもあり、本作ではクリーンボーカル交代が良い方向に作用しているようです。非常に正統派HR/HMシンガー的なニルスの歌声と、ここ数作で推し進められたストレートなハードロック色との相性も抜群。確かに、前任のジェイクの個性が強かった(かつ耳に馴染んでいた)こともあって、最初に聴いたときは若干の違和感は否めませんでしたが、個人的には数回聴くうちにそのへんは自然と解消されたように思います。
楽曲に関しても過去の焼き直しでは終わっておらず、近作と比べてもエレクトロ色がより濃くなったアレンジと、モダンヘヴィネス的な色合いが混ざり合うことで生まれる調和の精度もより高まっています。中でもアルバム中盤、ひときわヘヴィな「GG6」でのヘンリク・エングルンド・ヴィルヘルムソン(Vo)のグロウルやラップ調ボーカルや、そこから続くダンサブルな「Breakthrough Starshot」でのエリーゼ・リード(Vo)&ニルスのボーカルパフォーマンスの対比(楽曲面、サウンド面も含む)は本作のハイライトと言えるのではないでしょうか。
エリーゼ嬢の艶やかなボーカルも過去イチだと思いますし、若干ソウルフルさが増しているような印象も受けます。極上のメロディと適度なヘヴィさ、そしてモダンなエレクトロアレンジなど、すべてが「痒いところに手が届く」作りになっており、最初から最後まで安心して楽しめる1枚だと断言できます。この編成でのライブ、早く観てみたいですね。秋頃の大型イベント(今年はあるのかしら?)みたいな大舞台で、思う存分大きな音で堪能したいものです。
▼AMARANTHE『HELIX』
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