RED HOT CHILI PEPPERS『MOTHER'S MILK』(1989)
1989年8月にリリースされた、RED HOT CHILI PEPPERS通算4作目のオリジナルアルバム。前作『THE UPLIFT MOFO PARTY PLAN』(1987年)から引き続きマイケル・ベインホーン(SOUNDGARDEN、HOLE、MARILYN MANSONなど)がプロデュースを手がけており、「Highter Ground」(スティーヴィー・ワンダーのカバー)や「Knock Me Down」などがオルタナチャートでヒットしたこともあってか、アルバム自体も初めて全米TOP100入り(52位)を果たし、100万枚を売り上げる出世作となりました。
前作発表後の1988年6月、オリジナルメンバーのヒレル・スロヴァク(G)がオーヴァードーズで急逝。また、彼の死にショックを受けたジャック・アイアンズ(Dr)もバンドを脱退。残されたアンソニー・キーディス(Vo)とフリー(B)はバンドを立て直すため、ヒレルに憧れていたジョン・フルシアンテ(G)、デトロイトのローカルバンドで活動していたチャド・スミス(Dr)を向かい入れ、いわゆる黄金期メンバーが揃うことになります。
その新編成で最初に制作された本作『MOTHER'S MILK』は、メガヒットを記録する次作『BLOOD SUGAR SEX MAGIK』(1991年)と比較すると非常にアグレッシヴで、なおかつメタリックな要素も多数含まれています。マイケル・ベインホーンによるサウンドプロダクションも影響してか、オープニングの「Good Time Boys」にしろカバー曲「Higher Ground」にしろツーバス連打の「Nobody Weird Like Me」にしろ、かなり硬質なサウンドで固められている印象が強く、『BLOOD SUGAR SEX MAGIK』以降のイメージで触れると面食らうかもしれません。
しかし、「Magic Johnson」や「Knock Me Down」「Stone Cold Bush」といったファンキーな楽曲はテンポ感こそかなりアゲアゲなものの、それ以降の彼らにも通ずる要素が感じられる。そういった意味では、初期のテイストを新たな布陣で整理し、次に向けてスタイルを模索していると受け取ることもできるでしょう。バンドの歴史的には過渡期の1枚だったのかなと、今ならそう言えるかもしれませんね(過渡期にしては強烈すぎるんですけど)。
ジミ・ヘンドリクスのカバー「Fire」や次作への布石と言えるムーディーなインスト「Pretty Little Dirty」、パンキッシュな(というかまんまな)「Punk Rock Classic」、グルーヴィーなミドルチューン「Sexy Mexican Maid」、ファンキーでダンサブルな「Johnny, Kick A Hole In The Sky」など、バラエティに富んだ作風は次作以上ですし、このはっちゃけっぷりはデイヴ・ナヴァロ(G/当時ex. JANE'S ADDICTION)が参加した唯一のアルバム『ONE HOT MINUTE』(1995年)にも似ている気がします。僕自身、初めてリアルタムで触れたレッチリがこの『MOTHER'S MILK』だったこともあって、なぜ自分が『ONE HOT MINUTE』に思い入れがあるのか、本作を聴き返して理解できた気がします。
ジョン・フルシアンテのギタープレイは若さからくる激しさが強く表現されており、今となっては懐かしい限り。その天才的なプレイに加え、ソングライティング面でも本領発揮となるのが、続く『BLOOD SUGAR SEX MAGIK』になるとは、本作を聴いていた頃には想像もできませんでした。

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