« THUNDER『PLEASE REMAIN SEATED』(2019) | トップページ | JUDAS PRIEST『KILLING MACHINE』(1978) »

2019年2月18日 (月)

LED ZEPPELIN『PHYSICAL GRAFFITI』(1975)

1975年2月に発表された、LED ZEPPELIN通算6作目のスタジオアルバム。前作『HOUSES OF THE HOLY』(1973年)から2年ぶりと、それまでの彼らのキャリア中最長のスパンを経て発表された、初にして唯一の2枚組オリジナルバムです。

前年1974年に初めてツアーを行わなかった彼らですが、その間にはジョン・ポール・ジョーンズ(B, Key)の脱退騒ぎがあり(当時は噂レベルですが、のちに本人が認めています)、結局バンドにとどまることとなったジョンはメンバーとともに1974年春からレコーディングに突入。8曲の新曲を完成させますが、長さ的には当時のアルバム1枚半分近いボリュームとなり、全部リリースしたかった彼らは「だったら」とそれまでの未発表音源を掘り起こし、7曲を追加する形で正式リリースへとこぎつけました。

未発表曲は古いもので3rdアルバム『LED ZEPPELIN III』(1970年)制作時のアウトテイク「Bron-Yr-Aur」(この頃の彼ららしい、トラッドミュージック風のアコースティックインスト)、それ以外は4thアルバム『LED ZEPPELIN IV』(1971年)から3曲、前作から3曲という内訳。前作のタイトルトラックとなる予定だった「Houses Of The Holy」や「The Rover」など、なんでこれが本編から漏れたの?という曲も多く、寄せ集め感が皆無なところはこのバンドらしいといいますか。とにかくそのボリュームと内容の濃さに驚かされるばかりです。

若い頃は派手な「Custard Pie」や王道ブルースハードロック「In My Time Of Dying」、かの日本のバンドも元ネタにしたファンクロック「Trampled Under Foot」、名曲中の名曲「Kashmir」などがまとまったDISC 1ばかり聴いていましたが、実はこのアルバムの本筋はDISC 2にこそあるんじゃないか……最近聴き返してそんな気がしていました。

シンセサイザーを導入した長尺の「In The Light」や、後半からの展開に続々するムーディーなロック「Down By The Seaside」、前作で見せた新境地をさらに突き詰めた「Ten Years Gone」、『LED ZEPPELIN IV』のアウトテイクながらも軽快かつ大らかなノリの「Night Flight」、スリリングなギターリフがカッコいい「The Wanton Song」、“ストーンズ第6のメンバー”ことイアン・スチュワート(Piano)をフィーチャーしたノリノリのロックンロール「Boogie With Stu」、『LED ZEPPELIN III』の路線を進化させた「Black Country Woman」、そしてツェッペリンらしい王道ハードロック「Sick Again」と非常にバラエティに富んだ楽曲が並んでいる。ぶっちゃけ、統一感がないっちゃあないんですが、そんな不満を言わせないくらい圧倒感が上回っている。そこに“ザ・王道”なDISC 1が加わるわけですから、確かに最強なんですよね。

このアルバムがもっとも好きという声が多いというのも頷ける話。事実、アメリカでは当時6週連続1位を記録。2枚組にも関わらず1600万枚(800万セット)以上も売り上げている事実がすべても物語っていると思います。1作目から5作目までの集大成的内容でもあるので、中〜後期ツェッペリンの入門編としてもオススメです。



▼LED ZEPPELIN『PHYSICAL GRAFFITI』
(amazon:日本盤2CD / 日本盤3CD / 日本盤ボックスセット / 海外盤2CD / 海外盤3CD / MP3


« THUNDER『PLEASE REMAIN SEATED』(2019) | トップページ | JUDAS PRIEST『KILLING MACHINE』(1978) »

Led Zeppelin」カテゴリの記事

1975年の作品」カテゴリの記事

カテゴリー