BRYAN ADAMS『RECKLESS』(1984)
1984年11月に発表された、ブライアン・アダムス通算4作目のオリジナルアルバム。ブレイクのきっかけを掴んだ前作『CUTS LIKE A KNITE』(1983年)からほぼ2年ぶりの新作で、「Run To You」(全米6位)、「Somebody」(同11位)、「Summer Of '69」(同5位)、「One Night Love Affair」(同13位)、「It's Only Love」(同15位)とヒットシングルを次々に生み出し、ついには「Heaven」で初の全米1位を獲得。アルバム自体も本国カナダで初の1位に輝き、アメリカでも1位、イギリスでは最高7位という好成績を残しています。また、セールス的にもアメリカのみで500万枚超えと、過去最大のヒット作となりました。
前作からの流れがあったとはいえ、全10曲中6曲がシングルカットされたという事実からもわかるように、とにかくこのアルバムは最初から最後まで完全無敵すぎるんですね。この頃になるとマイケル・ジャクソン『THRILLER』(1982年)を機に、1枚のアルバムからどれだけヒットシングルが産み落とせるか……言い換えれば、どれだけシングル級のクオリティの楽曲だけでアルバムを完成させるかということにも意識的だったのではないかと思うのです。
また、MTV全盛の時代に入ったものの、まだまだラジオから生まれるヒット曲というのも多かった時代。映像的なヴィジュアル重視はもちろんですが、それがなくても“勝てる”作品づくりは、この当時のアメリカではとにかく大切にされていたのではないでしょうか。
そういった意味で、このアルバムは本当に隙がないし、捨て曲も皆無。しかも、ちゃんとブライアン・アダムスという人のキャラクターを理解しているのか、全10曲中でバラードはたったの1曲(「Heaven」)のみ。若きロックスターとしてのイメージを前面に打ち出し、それを完璧なまでに具現化させた。硬派な「Run To You」や「Somebody」もあれば、フレッシュな「Summer Of '69」や「She's Only Happy When She's Dancin’」もある。かと思えば、攻め攻めに突っ走るライブ向きな「Kids Wanna Rock」や「Ain't Gonna Gry」もあるし、当時大ヒットを飛ばしていたティナ・ターナーをフィーチャーした豪快な「It's Only Love」まであるのですから……適度にポップで適度にハード。これがもうちょっと硬質になると、のちのBON JOVIにつながっていくんでしょうね。そして、もうちょっとソフトになるとJOURNEYになる……というのは言い過ぎかな。
数年前に30周年盤が出たばかり……と思っていたら、あれももう5年前の話で、本作は今年で発売35周年を迎えるという事実におののいています。まさに青春真っ盛り、中2だった自分が毎日大音量で聴きまくったこのアルバム。今聴いてもまったく飽きがこないし、古臭いと感じない。青春の甘酸っぱさとほろ苦さが真空パックされた、80年代を代表する、いや、20世紀をだい評する“青春ロック”アルバムとして全世代にオススメしたい1枚です。

▼BRYAN ADAMS『RECKLESS』
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