« IN FLAMES『I, THE MASK』(2019) | トップページ | BRYAN ADAMS『SHINE A LIGHT』(2019) »

2019年3月 5日 (火)

WEEZER『WEEZER (BLACK ALBUM)』(2019)

全編カバー曲で構成された最新作『WEEZER (TEAL ALBUM)』から1ヶ月ちょっとで届けられた、WEEZER通算13作目のスタジオアルバム。今回は全10曲のオリジナルナンバーで構成された純粋な新作で、本来はこっちが『PACIFIC DAYDREAM』(2017年)に続くニューアルバムとしてアナウンスされていたのですが……っていう一連の流れは、『WEEZER (TEAL ALBUM)』のレビューにてご確認ください。

『WEEZER (WHITE ALBUM)』(2016年)の時点で「次の新作は“ブラックアルバム”」だと言われていましたが、その間に異色作『PACIFIC DAYDREAM』を挟んだわけですが、この『WEEZER (BLACK ALBUM)』を聴き終えた今となっては結果としてこのリリース順で正解だったなと思いました。

デイヴ・シーテック(TV ON THE RADIO)をプロデューサーに迎えた本作は、収録曲のすべてがリバース・クオモ(Vo, G)がピアノを使って作曲したものなんだとか。それもあってか、確かにメロディの流れ・構成や質感が以前とは若干異なる印象を受けます。今まで以上に軟らかさを伴うといいますか、ギターポップのそれとはどこか違うといいますか……非常に感覚的なものなので、明確に言葉で伝えるのが非常に難しいのですが、デビュー時からずっとWEEZERを追ってきたリスナーなら聴いた瞬間に「あれ、今回はちょっと違う?」と気づくものがあるんじゃないでしょうか。

アルバムは序盤の「Can't Knock The Hustle」や「Zombie Bastards」こそ『PACIFIC DAYDREAM』と共通する香りがありますが、「Living In L.A.」などは従来のWEEZERらしさを保つもの。特に『WEEZER (WHITE ALBUM)』にあったBEACH BOYS的な色合いを包括するアレンジやメロディも多く、結局はここ数作で試みた実験がここにきて一気に花開いた、そんな1枚になっているのではないでしょうか。

いわゆるギター重視のパワーポップチューンというよりは、もっとルーツ的なもの、それこそ60年代のポップス黄金期を下地にした楽曲群は活動初期の名曲とはまた違った輝きを放っており、どれも即効性とスルメ的な魅力を兼ね備えたものばかり。40分にも満たないトータルランニングは相変わらずですが、だからこそ何度もリピートしたくなる中毒性が高い。2010年代が終わろうとするこのタイミングに、まさかWEEZERが新たな傑作を完成させるなんて誰が想像できたでしょう。いや、これは本当に素晴らしいポップアルバムだと思います。

あと、これは同意してもらえなくてもいいけど、このアルバムは非常に密室性の強い作品でもあるなと。正直、これを絶対にライブで聴きたい、観たいという気にはならないんですよ(もちろん良い意味で)。そういった意味でも、WEEZERは新たな境地に到達してしまったなと。ホント、恐ろしいバンドです。



▼WEEZER『WEEZER (BLACK ALBUM)』
(amazon:国内盤CD / 海外盤CD / MP3


« IN FLAMES『I, THE MASK』(2019) | トップページ | BRYAN ADAMS『SHINE A LIGHT』(2019) »

Weezer」カテゴリの記事

2019年の作品」カテゴリの記事

2019年5月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31  

カテゴリー

無料ブログはココログ