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2019年3月29日 (金)

ANTHRAX『SPREADING THE DISEASE』(1985)

1985年10月にリリースされた、ANTHRAXの2ndアルバム。ニール・タービン(Vo)とダン・リルカ(B)が脱退し、代わりにジョーイ・ベラドナ(Vo)とフランク・ベロ(B)が加入し、以降の黄金期ラインナップが完成。まず1985年2月にEP『ARMED AND DANGEROUS』を発表し、続いてこのアルバムをリリースしました。また、本作はIsland Recordsからの初メジャー流通ということもあってか、チャートインできなかった1stアルバム『FISTFUL OF METAL』(1984年)とは異なり全米113位という記録を残しています。

基本的な作風は前作『FISTFUL OF METAL』の延長線上にあるのですが、より歌えるシンガーが加入したことで、スラッシュメタル的なサウンドスタイルの中にも正統派メタル的な要素が強まったような印象を受けます。ミディアムテンポの「Madhouse」なんてまさにメンバーチェンジが功を奏した1曲ですしね。

とはいいながらも、全体的にスピード感を強調した楽曲が中心。次作『AMONG THE LIVING』(1987年)ではよりプログレッシヴで複雑なアレンジの楽曲が増えていきますが、オープニングの「A.I.R.」や続く「Lone Justice」を聴く限りでは本作ではまだ直線的な疾走チューンが中心かな。

その一方で、次作での「Indians」にも通ずるドラミングのヘヴィナンバー「The Enemy」や1stアルバムでのパンキッシュなスタイルをそのまま引き継いだ「Aftershock」、ミドルテンポの歌モノパワーメタル「Medusa」といった変化球も含まれており、スピード一辺倒で終わらせない気概も感じられます。このへんのバランス感が徐々に調整されていき、最終的にはミドルヘヴィ中心の作風へとシフトしていくのですから、そういう意味では本作はそのスタート地点と捉えることができるでしょう。

EP『ARMED AND DANGEROUS』で先行リリースされた「Armed And Dangerous」はこのアルバムにも収められていますが、EPとは別ミックス。この曲とラストの「Gung-Ho」は前ラインナップ時代に書かれた曲で、クレジットにはニール・タービンやダン・リルカの名前も見つけることができます。つまり、この作品は黄金期への橋渡し的内容、過渡期的内容と呼ぶこともできるでしょう。以降の作品と比べて完璧なまでの名作度が若干低いのは、そういった要因もあるのかもしれません。

ただ、個人的にはずっとこのアルバムが一番好きだったんですよ、ANTHRAXの中では。もちろん最初に聴いたアルバムというのも大きいですし、それこそMETALLICA『MASTER OF PUPPETS』(1986年)を手にした直後くらいに初めて聴いた1枚でもあるので、自分の血となり肉となったという点でも重要なんです。



▼ANTHRAX『SPREADING THE DISEASE』
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