IN FLAMES『I, THE MASK』(2019)
2019年3月発売の、IN FLAMES通算13作目のオリジナルアルバム。プロデューサーは前作『BATTLES』(2016年)から引き続きハワード・ベンソン(MY CHEMICAL ROMANCE、PAPA ROACH、HALESTORMなど)が担当し、ミックスをクリス・ロード・アルジ、マスタリングをテッド・ジェンセンという大御所たちが手がけています。
前作で初参加だったジョー・リカード(Dr)は前作のツアー途中で離脱。新たにターナー・ウェインが加入し、またベーシストも1997年から在籍したピーター・イワースからブライス・ポールへと交代します。デビューから今年で25周年、すでにオリジナルメンバーはアンダース・フリーデン(Vo)しか残っていませんし、ここ数作はメロデス(=メロディック・デスメタル)から乖離したメロディアスメタル/オルタナメタル路線に進みつつありました。しかし、本作では中期の名作6th『REROUTE TO REMAIN』(2002年)から8th『COME CLARITY』(2006年)あたりに回帰した、ストロングスタイルな1枚に仕上がっています。
まず、全体を通してアンダースのグロウルの比率がここ数作と比べて急増していることに気づくはずです。冒頭の「Voices」からしてそうなのですが、サビではいつもどおりメロディアスに歌い上げているものの、そこに至るまでがグロウルで構成されている。これって、メロウなままで歌い続けるのと大きく違い、曲のメリハリがかなり変わってくるんですよね。
また、楽曲自体がメロデスとメタルコア/ニューメタルの中間にある、それこそ『COME CLARITY』あたりの路線にかなり近いものばかり。タイトルトラック「I, The Mask」みたいに“これぞメロデス!”というタイプもあれば、もっと王道路線寄りの「Call My Name」もある。かと思えばバラードタイプの「Follow Me」やらエモーショナルな「We Will Remember」みたいな楽曲も含まれている。
後半に進むにつれてそのエモさはさらに増していくのですが、だからといってメロデスらしい攻撃性が減退することもない。「Burn」のようにバランスの取れた良曲もあれば、モダンメタル調の「Deep Inside」もあるし、ゴシックテイストの「All The Pain」やら、ラストを飾るにふさわしいアコースティックバラード「Stay With Me」もある。ホント、全体のバランスの良さが『COME CLARITY』あたりに通ずるわけですよ。そりゃ聴きやすいわけだ。
ただ、その聴きやすさというのは前作や前々作『SIREN CHARMS』(2014年)とはまったく異なるもので、このバンドに求める要素のすべてがバランスよく揃っているという意味。うん、文句なしの良作だと思います。
デビュー25周年でここまでたどり着いたか、という感慨深さのある1枚。ここ数作で彼らから離れてしまったというファンにこそ聴いてもらいたい作品です。
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