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2019年3月 7日 (木)

QUEENSRYCHE『THE VERDICT』(2019)

QUEENSRYCHE通算15作目のスタジオアルバム(オリジナル作品としては14作目)。トッド・ラ・トゥーレ(Vo)加入後3作目となり、前作『CONDITION HUMAN』(2015年)から3年半ぶりという待望の1枚です。

トッド加入後の2作(2013年の『QUEENSRYCHE』と続く『CONDITION HUMAN』)は、前任シンガーのジェフ・テイト主導期の退屈オルタナ路線(苦笑)から一転、初期(1988年の『OPERATION: MINDCRIME』まで)を思わせるメロディアスなヘヴィメタル路線に回帰し、多くのファンを喜ばせてくれました。

この新作も基本的にはその延長線上にあるのですが、そこからさらに『EMPIRE』(1990年)にあった側面までを包括した力作となっています。つまり、多くのファンが思い浮かべるQUEENSRYCHEのパブリックイメージどおりの内容と言えるのではないでしょうか。

実は本作、ドラマーのスコット・ロッケンフィールドが家庭の事情でレコーディングに参加しておらず、なんとトッドがすべて叩いているとのこと。この事実はリリース直前まで伏せられおり、先行リリースされていた楽曲を聴いただけでは誰かゲストドラマーが叩いているのかと思っていたのですが……そもそもトッドのキャリアはドラマーから始まっているそうですが、にしてもここまで叩けるとは正直驚きです。

だって、フルタイムのドラマー以外が叩くことで、従来のQUEENSRYCHEらしいテクニカルな要素を薄めなくてはいけないのでは?なんて思考になってもおかしくないところを、ちゃんと“らしい”楽曲とアレンジで固めているのですから。とはいえ、前作と比べたら1曲1曲が若干コンパクトになった印象もあるし、なんとなく『EMPIRE』っぽい色合いが増えたのはそういった理由もあるのかな?と邪推したくなったり……まあ考えすぎですかね。

勢いがあってメタリックで、という曲よりも「Bent」や「Inner Unrest」みたいにミドルテンポで凝ったアレンジが加えられた曲のほうに魅力を感じる。そんな自分みたいなひねくれ者なら、ツインリードがあったりダークなメロディ&コーラスがあったりというこの曲にこそ、往年のQUEENSRYCHEを見出してしまう。そういった意味では、「ようやく戻ってきたな」というのがこのアルバムなんじゃないでしょうか。

シンガーが変わってからアルバム2枚出したし、そろそろ変化を加えてもいいタイミングじゃない? だけどそれはリスナーが納得する“らしさ”を残しつつやっていかないとね。なんて話し合いがあったかどうかはわかりませんが、ここ数作の中ではもっともバランス感に優れた1枚だと思いました。全10曲で44分というボリュームもちょうど良いですしね(日本盤はアルバム1枚分のボーナストラックをまとめた特典ディスク付き仕様も用意。こちらは2枚で80分超えなんですが……長ければいいってもんじゃないんですよ、このご時世)。

なんとなくですが、『OPERATION: MINDCRIME』や『EMPIRE』が好きなリスナーは過去2作よりも今回のほうが気に入るんじゃないか……なんて気がするんですが、いかがでしょう。僕はトッド加入後で一番好きです。



▼QUEENSRYCHE『THE VERDICT』
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投稿: 2019 03 07 12:00 午前 [Queensryche2019年の作品] | 固定リンク