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2019年4月

2019年4月30日 (火)

2019年4月のお仕事

2019年4月に公開されたお仕事の、ほんの一例です。随時更新していきます(4月18日更新)。

 

[WEB] 4月18日、乃木坂46公式サイトにて4月18日(木)乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月17日、乃木坂46公式サイトにて4月17日(水)乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月17日、「BARKS」にてBIGMAMA金井政人インタビュー「【インタビュー】BIGMAMA「僕らはずっと邪道の邪道を逆張りし続けているところがある」」が公開されました。

[WEB] 4月16日、「リアルサウンド」にて乃木坂46松村沙友理インタビュー「乃木坂46 松村沙友理が語る、8年経って気付いた仕事に対する貪欲さ「私って本当に欲深いんです」」が公開されました。

[WEB] 4月16日、乃木坂46公式サイトにて4月16日(火)乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月14日、乃木坂46公式サイトにて4月14日(日)昼公演 乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月13日、乃木坂46公式サイトにて4月13日(土)昼公演 乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月12日、乃木坂46公式サイトにて4月12日(金)乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月10日、乃木坂46公式サイトにて4月10日(水)乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月9日、乃木坂46公式サイトにて4月9日(火)乃木坂46 4期生初公演「3人のプリンシパル」公演日報が公開されました。

[WEB] 4月8日、BARKSにて大野雄大 (from Da-iCE) ライブレポート「大野雄大(from Da-iCE)、新江ノ島水族館でソロデビュー記念ライブ。川畑要のサプライズ出演も」が公開されました。

[WEB] 4月6日、M-ON! MUSICオフィシャルサイトにて大野雄大 (from Da-iCE) ライブレポート「大野雄大 (from Da-iCE) 、2万匹の魚の前でソロライブ!川畑 要(CHEMISTRY)とのコラボ曲も披露」が公開されました。

[紙] 4月4日発売「日経エンタテインメント!」2019年5月号増刊にて、日向坂46加藤史帆・齊藤京子・佐々木久美インタビュー、日向坂46 3期生・上村ひなのインタビュー、欅坂46音楽プロデューサー田中博信インタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 4月4日発売「日経エンタテインメント!」2019年5月号にて、欅坂46菅井友香&守屋茜インタビュー、小説家・誉田哲也インタビュー、欅坂46音楽プロデューサー田中博信インタビュー、および別冊付録「欅坂46 2期生インタビューBOOK」にて欅坂46 2期生の関有美子、藤吉夏鈴、山﨑天の各インタビューを担当・執筆しました。(Amazon

[WEB] 4月3日、Maison book girlニューシングル『SOUP』特設サイトにてMaison book girl "SOUP" 発売メンバーインタビューが公開されました。

[紙] 4月2日発売「ANIME Bros. #4」にて、水瀬いのりインタビュー、アルバム『Catch the Rainbow!』解説を担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 4月1日発売「ぴあ Movie Special 2019 Spring」にて、コラム「山戸結希と乃木坂46・堀未央奈、映画初出演で主演抜擢の理由」を担当・執筆しました。(Amazon

[紙] 4月1日発売「Audition blue」2019年5月号にて、神尾楓珠インタビュー「人生を変えた音楽」を担当・執筆しました。(Amazon

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また、3月に当サイトで紹介したアルバムから各1〜2曲程度ピックアップして、30曲程度のプレイリストをSpotify、AppleMusicにて制作・公開しました。題して『TMQ-WEB Radio 1903号』。一応曲の流れなんかも考慮しつつ曲順を考えておりますので、レビューを読む際のBGMにするもよし、何も考えずにダダ流しするもよし。おヒマなときに聴いていただけると嬉しいです。

2019年4月20日 (土)

EXODUS『FABULOUS DISASTER』(1989)

1989年初頭にリリースされた、EXODUSの通算3作目となるオリジナルアルバム。スティーヴ“ゼトロ”スーザを迎えて2作目のアルバムであり、前作『PLEASURES OF THE FLESH』(1987年)のスマッシュヒット(全米82位)からの流れで本作も全米82位まで上昇しました。

『PLEASURES OF THE FLESH』で全体的にバランスの整った、この手のスラッシュメタルバンドとしては非常に聴きやすい部類のサウンドを構築したEXODUSでしたが、続く今作でもその路線は継続。ゲイリー・ホルト&リック・ヒューノルトのギタリスト隊が刻むザクザクしたリフは密度の高いサウンドを聴かせており、適度にフラッシーなソロプレイ含め芸術の域にまで達しつつあります。

一方で、リズム隊は重さよりも軽快さを重視したアンサンブルで、ギターとは相反するサウンドを構築。ですが、軽薄になりすぎないパワーもしっかり備わっており、このへんからはトム・ハンティング(Dr)の力量を改めて実感することができるはずです。そういった実力は序盤のスラッシーなナンバーよりも、ミドルテンポの「Low Rider」(黒人ファンクバンドWARのカバー)あたりで本領発揮といったところでしょうか。

ゼトロのボーカルはドスの効いた凄みのあるタイプとは異なるヒステリックなタイプで、そこに適度なアクが加わることで個性を発揮。実は男臭い野太い声やデス声よりも、このギターのザクザク感と軽快なリズムにぴったりなんじゃないかと改めて思いました。

まあとにかく。このアルバムはオープニング3曲(「The Last Act Of Defiance」「Fabulous Disaster」「The Toxic Waltz」)、終盤「Corruption」「Verbal Razors」の流れが圧巻。中でも「The Toxic Waltz」は80年代後半のスラッシュメタルシーンにおける代表的な1曲と言えるでしょう。かと思えば、先の「Low Rider」や「Overdose」(AC/DC/CDのみ収録)といったカバー曲が含まれていたり、「Cajun Hell」のイントロではブルースハープやドブロギターをフィーチャーしてブルースフィーリングを醸し出していたり、「Like Father, Like Son」では8分を超える大作に挑戦したりと(この曲のギタープレイがとにかく素晴らしい!)、一介のスラッスバンドで終わらぬようにとさまざまな試みが用意されています。

西海岸のバンドらしく、そこはかとなく感じられる能天気さも悪くないし(それらが出すぎていないのもまたよし)、それでいて狂気性もにじみ出ている。アルバム全体のバランスの良さも同時期の同系統バンドの中でもかなり秀でたものがあり、本作が初期の傑作と称されるのも納得の内容です。

ちなみに、本作までインディーズからのリリースでしたが(ここ日本では2nd、3rdはソニーから発売)、続く4thアルバム『IMPACT IS IMMINENT』(1990年)からメジャーのCapitol Recordsへと移籍。しかし、本作でドラマーのトムが脱退し、のちにTESTAMENTなどで活躍するジョン・テンペスタが加入することになります。そういった意味でも、本作『FABULOUS DISASTER』を“黄金期メンバーによる代表作”と呼ぶ声も少なくないようです。

 


▼EXODUS『FABULOUS DISASTER』
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2019年4月19日 (金)

DEATH ANGEL『ACT III』(1990)

1990年4月(日本では5月)にリリースされた、DEATH ANGELの3rdアルバム。過去2作をインディーズ(メジャー流通)のEnigma Recordsから発表してきた彼らでしたが、本作はメジャーのGeffen Recordsから発表。それもこれも、前作『FROLIC THROUGH THE PARK』(1998年)の全米143位という数字と、「Bored」がMTVでヘヴィローテーションされたことが大きかったんでしょうね。ですが、何を間違ったか今作『ACT III』はBillboard 200にランクインせず。えーっ。

プロデューサーにかのマックス・ノーマン(オジー・オズボーンMEGADETHLOUDNESSなど)を迎えて制作した本作。かなり緻密に作り込まれており、なおかつ彼らの新たな魅力が感じられる意欲作に仕上げられています。

全10曲で45分というコンパクトさ(前作は60分近い内容)といい、オープニングを飾るスラッシーな「Seemingly Endless Time」からテンポよく進む構成といい、とにかく聴きやすい。“これぞベイエリア・クランチ!”と言いたくなるようなロブ・キャヴェスタニィ(G)&ガス・ペパ(G)によるリフの刻み・組み立て方がとにかく個性的。かつ、ロブのギターソロが味わい深く、同時期に活動していた他のスラッシュバンドとは異なる色が感じられます。その色は、アコースティックベースの「Veil Of Deception」や「A Room With A View」あたりに濃厚に表れているのではないでしょうか。

かと思うと、リズム隊もまた個性的でして、スラップを取り入れたデニス・ペパ(B)のベースプレイや、当時まだ10代後半だったアンディ・ギャレオン(Dr)のパーカッシヴなプレイもできる高度なドラミングは、確実に他のスラッシュメタルバンドとは一線を画するものでした。すでにレッチリなどは存在したとはいえ、KORNが登場する4年も前に彼らは「Discontinued」のようなファンキーなメタルに挑戦していたのですから……。

もちろん、ボーカルのマーク・オセグエダ(Vo)も良い仕事をしていて、しっかり“歌おう”とする姿勢は“がなる”のが基本になりつつあったスラッシュシーンにおいて異彩を放っています。また、歌い上げるタイプのANTHRAXあたりとも違うスタイルで、実はのちのオルタナメタルやグランジとの親和性も高かったんじゃないか。そんな気すらします。

スラッシュメタルとしては飛び道具的な楽曲も含むもののトータルのバランスは過去イチで、より王道なヘヴィメタルへと近づいた本作。間違いなくこの時点での最高傑作だと思います。ですが、最初に書いたようにセールス的には惨敗しており、ここから続けていけば1991年以降のシーンの変化にも対応できたんじゃないか?と思うのですが……。

(以下、余談)本作のツアー中にアンディがツアーバスの事故に巻き込まれ、頭部損傷。バンドは活動休止に追い込まれてしまいました。そしてアンディが復帰した1993年には、今度はマークが脱退。残された4人はバンド名をTHE ORGANIZATIONと変え、ロブ&アンディがボーカルを担当することに。サウンド的にはスラッシュ色を排除してオルタナ色を強めた、ある意味では『ACT III』の“その先”のようなスタイルでした。まあ、時代的には迷走と言わざるを得ませんが……(余談、ここまで)。

なお、本作は日本でのデジタル配信およびストリーミングなし。こんな名盤がスルーされているなんて、勿体ないったらありゃしない!

 


▼DEATH ANGEL『ACT III』
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2019年4月18日 (木)

SACRED REICH『IGNORANCE』(1987)

アメリカ・アリゾナ州フェニックス出身の4人組スラッシュメタルバンド、SACRED REICHが1987年にリリースした1stアルバム。同作は今や名門メタルレーベルでおなじみ、Metal Blade Recordsから発表された1枚で、続く2ndアルバム『THE AMERICAN WAY』(1990年)とあわせて彼らの代表作として高く評価されています。

サウンド的にはテクニカルな展開を組み込みつつも、ハードコア的な色合いが強いスラッシュメタルが特徴。全9曲(うち1曲はインスト)で32分強というトータルランニングからは、この手のスラッシュメタルとしてはかなりコンパクトな印象を受けます。

また、唐突かつ複雑怪奇なアレンジと、フィル・ラインド(Vo, B)の吐き捨てるようなハードコア調ボーカルが相まって、かなり攻撃的なイメージが強いのも彼らの個性かな。この展開に展開を重ねるアレンジ、本作ではまだ荒削りで、作品を重ねるごとに洗練されていくのですが、ここで聴ける荒々しさも勢いがあって嫌いじゃない。曲によっては若干初期のデスメタル風でもあったりして、そこもまた面白い。実は知的に計算しているようでヤケクソっぽく聴こえるというあたりが初期のSLAYERっぽくもあって、個人的にポイントが高いというのもあるのですが。

また、彼らは社会派といいますか、政治的な歌詞が多いのも特徴。METALLICAANTHRAXあたりは比喩的表現でそのへんを歌った楽曲も少なくないですが、彼らの場合はかなり直接的な楽曲が多いような気がします。そういった雰囲気は、本作含めアルバムジャケットからも伝わってきますよね。ぶっちゃけ僕、最初はこのアルバムをDEAD KENNEDYSのようなバンドの作品だと勘違いしていたくらいですから。

そして、ギターリフに視点を置くと、かなり西海岸(ベイエリア・クランチ)の香りがしてきます。このザクザク感がぶっきらぼうな曲展開をより聴きやすくしている気がするし、気持ち良さの要因のひとつになっていることは間違いないと思います。

そう考えると、80年代後半に登場した彼らって(結成は1985年)、初期スラッシュメタルバンドのいいとこ取り、ハイブリッド的存在なのかなと。次作以降、彼らならではのオリジナリティが確立されていくので、そういった意味ではこのアルバムで聴けるサウンドってそのハイブリッド感含め、実はかなり奇跡的な内容なんじゃないかという気がしてきました。当時はそんなこと、微塵も思わなかったけど(苦笑)。

個人的には時流に乗ったグルーヴメタル色を取り入れた3rdアルバム『INDEPENDENT』(1993年)までの3枚は非常にお気に入り。ぜひ機会があったら他の作品も聴いてみてください。なお、本作のストリーミング版はJUDAS PRIEST「Rapid Fire」やBLACK SABBATH「Sweet Leaf」などのカバーを加えたDISC 1と、1988年のEP『SURF NICARAGUA』にボーナストラックを加えたDISC 2からなる2枚組バージョンとなっているので、彼らのルーツとともに進化の過程も追えるんじゃないかしら。必聴です。

 


▼SACRED REICH『IGNORANCE』
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2019年4月17日 (水)

FLOTSAM AND JETSAM『THE END OF CHAOS』(2019)

FLOTSAM AND JETSAMが2019年1月にリリースした通算13枚目のオリジナルアルバム。バンド名を冠した前作『FLOTSAM AND JETSAM』(2016年)から約3年ぶりの新作となりますが、これはなかなか素晴らしい1枚ではないでしょうか。

前作発表後に前任ドラマーのジェイソン・ビットナー(SHADOWS FALL)が脱退(その後OVERKILLに加入)。代わりに、アリス・クーパーIMPELLITTERI、HOUSE OF LORDSなどで知られる名手ケン・メアリーが加入するという驚きの展開となりました。過去にFIFTH ANGELなどにも参加していましたが、おそらく彼がプレイしたバンドの中ではもっともアグレッシヴなサウンドではないかという気がしますが……いやいや、予想していた以上にアグレッシヴで驚きました。

まず、オープニングの「Prisoner Of Time」を聴き始めて思ったのが、想像していたよりもメロディアスだということ。あれ、このバンドってこんなにメロウだっけ? とにかくどの曲も歌メロがしっかりしていて、エリック“AK”ナットソン(Vo)の歌声はその節回しもあってか時々ブルース・ディッキンソンIRON MAIDEN)と重なる瞬間まであって、なかなか聴き応えがあります。

そういうわけで、プログレッシヴな展開を持つスラッシュナンバーもあるのはあるのですが、全体的にはメロディアスなパワーメタル/スピードメタルというイメージが強い作品かもしれません。テンポ感も非常に良く、なおかつ歌メロが際立つ楽曲が多いので、この手の作風のわりには疲れることなく最後まで楽しめます。

実は前作は聴いていなかったのですが、どうやらその『FLOTSAM AND JETSAM』から現在の原点回帰なアグレッシヴ路線に立ち返った、それ以前の数作はミドルヘヴィ中心だったり、速めの曲もどこか落ち着いた雰囲気が漂っていたりといろいろアレだったみたいですね(この新作を聴いたあとに前々作『UGLY NOISE』を聴いたのですが、メロウだけどどこかオッサン臭くてピンと来なかった)。サウンドプロダクション的にも雲泥の差ですし、バンドがここに来て生き残りを賭けたようなその“攻め”の姿勢は評価に値するものだと思います。

ギターリフが過去の作品と比べて若干弱いなんて声も目にしましたが、そのぶんソロで頑張っている気がするし(というのは贔屓目でしょうか?)、何よりもケン・メアリーのドラミングが圧巻。そしてボーカルの表現&メロディの気持ち良さもあって、とにかく何度でも繰り返し聴ける1枚だと思います。これは意外な収穫でした。

 


▼FLOTSAM AND JETSAM『THE END OF CHAOS』
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2019年4月16日 (火)

OVERKILL『THE WINGS OF WAR』(2019)

2019年2月に発表された、OVERKILL通算19作目のオリジナルアルバム。前作『THE GRINDING WHEEL』(2017年)から2年ちょうどという現代としては短いスパンで制作された1枚。来年で1stアルバム『FEEL THE FIRE』(1985年)でまる35年、とにかく勤勉なバンドです。

前作は6〜7分の長尺曲が多く、中には王道ヘヴィメタル色の強いミドルナンバーが含まれていたりと活動歴が40周年に近づいても新たな道に挑もうとする姿勢に感服しましたが、今作ではまた前作とは異なる視点で制作が進められたようです。

前作発表後にドラマーがジェイソン・ビットナー(SHADOWS FALL)に交代。また、エンジニアも前作のアンディ・スニープからクリス・“ゼウス”・ハリスに変更したことも功を奏してか、前作の王道さとは異なる前のめりなハードコア感が強まっている印象を受けます。

楽曲にしても、全10曲(ボーナストラック除く)中6分超えは1曲のみ。3〜4分台の楽曲が5曲と、ここ最近の彼らにしては意外とコンパクトにまとまっている印象を受けます。が、そこは我らがOVERKILL。4〜5分の中で複雑な展開を重ねていくアレンジは健在で、アンディの活きのよさもあってかリズム面がより強化されているような気がします。

特に冒頭3曲(「Last Man Standing」「Believe In The Fight」「Head Of A Pin」)の圧迫感はさすがの一言で、そこからスローな展開を含む「Bat Shit Crazy」やどことなくドラマチックさもあるミドルヘヴィ「Distortion」と、前半はかなり気持ち良い構成となっています。

後半もどことなくパンキッシュな「A Mother's Prayer」を筆頭に、ハードコアと王道メタルをミックスした「Welcome To The Garden State」、不穏さが際立つミドルチューン「Where Few Dare To Walk」、やはり突っ走ることを諦めない「Out On The Road-Kill」、とにかくドラミングの激しさが目立つ「Hole In My Soul」と、常に暑苦しさ全開。ある種“金太郎飴”的なアルバムではあるんだけど、同時代に誕生したバンドたちが次々とスタイルを変えていく中、自分たちに何が求められているかをよく理解し、一貫した方向性を保ち続けているその姿勢は尊敬に値するものがあるのではないでしょうか。

スラッシュメタル、パワーメタルの範疇で語れば“正しい”以外の何ものでもない1枚。ただ、先にも書いたように(過去のアルバムと比べて、という意味で)特に今回はあまりにも“金太郎飴”すぎて、キメの1曲や強く印象に残る楽曲が少ない気がします。この時代にこういうアルバムを作ってくれるその心意気には100点を与えたいけど(これを還暦前後のジイさんが歌っているってだけで満点なんだけど)、全キャリア中で繰り返し聴く作品の部類に入るかと言われると、若干微妙な立ち位置かもしれません。まあ、とはいえそれも時間が経ってみないとね。意外と長く楽しめる可能性もゼロではないので。

完成度は高いけど、現時点では彼らにしては平均点+αな1枚かな。

 


▼OVERKILL『THE WINGS OF WAR』
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2019年4月15日 (月)

MEGADETH『WARHEADS ON FOREHEADS』(2019)

2018年に結成35周年を迎えたMEGADETHが、そのアニバーサリーイヤーの締めくくりに35曲入りベストアルバム『WARHEADS ON FOREHEADS』を2019年3月にリリースしました。

CD3枚組、アナログ4枚組という大ボリュームのこの作品。CDの収録容量的にはまだまだ入れられるはずなのですが、いかんせん「35」という数字にこだわったためにこういう結果に。しかも、選曲はデイヴ・ムステイン(Vo, G)自身が担当。デビューアルバム『KILLING IS MY BUSINESS... AND BUSINESS IS GOOD!』(1985年)から現時点での最新アルバム『DYSTOPIA』(2016年)までの15枚のオリジナルアルバムに、映画『ラスト・アクション・ヒーロー』のサントラ収録曲「Angry Again」を加えた、レーベルの垣根を超えたベストセレクションとなっています。

MEGADETHはこれまでにもベストアルバムやボックスセットを複数発表しています。CD複数枚で構成されたボックスものでいうと、2007年にCD4枚+DVDで構成されたEMI時代の集大成『WARCHEST』が発売されております。こちらはデモ音源やライブテイクなど未発表音源も多数含まれており、すでにオリジナルアルバムをすべて持っている人にもうれしい内容でした。

しかし、今回の『WARHEADS ON FOREHEADS』はすべて既発音源。しかも、ムステインの独断でセレクトされていることもあり、「あれっ、あの曲がない!」とか「なんで代表曲のあれがないの?」とか「あのアルバムからはこれだけ?」とか、とにかく疑問も少なくありません。

例えば、2ndアルバム『PEACE SELLS... BUT WHO'S BUYING?』(1986年)からは4曲選ばれているものの、誰もが認める代表曲「Peace Sells」が含まれていなかったり、3rdアルバム『SO FAR, SO GOOD... SO WHAT!』(1988年)を代表するカバー曲「Anarchy In The U.K.」(SEX PISTOLS)が選ばれていなかったり(まあカバーですしね)。かと思うと、4thアルバム『RUST IN PEACE』(1990年)からは全作品中6曲(アルバム本編が9曲なので3分の2収録されていることに)、8thアルバム『RISK』(1999年)以降は1曲ずつという残念さをにじませながらも、最後の最後に『DYSTOPIA』から4曲も選んでしまうという。バランスを考えてというよりも、今のムステインの各アルバムに対する評価が透けて見える構成ですね。

とはいえ、『KILLING IS MY BUSINESS... AND BUSINESS IS GOOD!』の楽曲は『KILLING IS MY BUSINESS... AND BUSINESS IS GOOD!: THE FINAL KILL』(2018年)からの最新リミックス&リマスター音源ですので、2ndアルバム以降の楽曲と並んでもクオリティ的に劣ることはありません。そういった意味では、特にDISC 1の楽曲群は聴いていて気持ちいいものがあるんじゃないでしょうか。なんだかんだで曲の流れも良いですし。

そしてDISC 3の後半に進むに連れてムステインの声(キー)が……残念ですけどね。

これからMEGADETHを聴こう!なんていう奇特な方が今どれだけいるのかわかりませんが、オールタイムベストという点において、なおかつトータル3時間に満たない適度なボリュームという点においても初心者に進めやすい作品かもしれません。特にDISC 1、DISC 2を聴けばMEGADETHの何たるかが理解できると思いますしね。

 


▼MEGADETH『WARHEADS ON FOREHEADS』
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2019年4月14日 (日)

LIKE A STORM『CATACOMBS』(2018)

2018年7月に発売された、ニュージーランド出身(活動ベースはカナダ)の4人組バンドLIKE A STORMの3rdアルバム。日本でも2ヶ月遅れの9月にリリースされ、本作で晴れて日本デビューを飾りました。

彼らの個性的なポイントは、ディジュリドゥを楽曲のアクセントとして用いていること。過去のMVやライブ映像でもその様子は多少伺うことはできましたが、先ごろ行われた『DOWNLOAD JAPAN 2019』での初来日公演を通して、フロントマンのクリス・ブルックス(Vo, G)がディジュリドゥをプレイする姿をたっぷり堪能できたと思います。

また、曲によってはクリス以外にもマット・ブルックス(G)もリードボーカルを担当。そのぶんクリスがディジュリドゥに専念したりギタリストに専念したりと、いろいろ役割分担があることが伺えます。

……という情報を補足的に、記憶の片隅に残しておいてもらえると幸いです。

さて、今作『CATACOMBS』ですが、基本的な路線は前作『AWAKEN THE FIRE』(2015年)から変わらず、ポスト・グランジとニューメタルのいいとこ採りといった作風。ただ、前作以上にディジュリドゥの存在感が増していて、これにより近年のEDMなどで聴けるヘヴィロックにはない低音が補われているように感じられます。正直、もっと効果的に使えばベースミュージックに匹敵できるものになるんじゃないでしょうか。

その一方で、メロディの作り込みや構成にもより磨きがかかっており、オープニングトラック「The Devil Inside」や先の日本公演でも披露されたクリス&マットのツインボーカルによる「Complicated (Stitches & Scars)」あたりは今後彼らの代表曲になるんじゃないかという気がします。

また、先の「Complicated (Stitches & Scars)」や「Solitary」などマットがリードボーカルを務める楽曲からはクリスの歌とは異なる繊細さが感じられ、こちらも好印象。このへん、マットの歌う比重を高めてクリスのスクリームと併用させるとか、もっと効果的に使い分けできるようになるとバンドとしてもより一段高いところまでいけるんじゃないかな。

そういった意味では、本作ではまだまだ潜在能力を完全には引き出せていない気がします。確実に成長しているのは感じ取れるのですが、ディジュリドゥ以外にも何かひとつ大きな飛び道具があれば……例えば、前作で挑戦したカバー曲とか。そういった対外的な武器が見当たらないという点で、表面的には前作よりも地味に映るかもしれません。悪くはないんですけど飛び抜けてはいない。そういう優等生的な1枚。平均点は確実に採れているので、次作での飛躍に期待したいところです。

 


▼LIKE A STORM『CATACOMBS』
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2019年4月13日 (土)

HALESTORM『INTO THE WILD LIFE』(2015)

2015年4月にリリースされた、HALESTORM通算3作目のスタジオアルバム。前作『THE STRANGE CASE OF...』(2012年)が全米15位という好成績を残しましたが、今作はそれを上回る全米8位を記録。ロックファンがいかにこのバンドの新作を待ち望んでいたかが伺える結果だと思います。

前作は「ヘヴィさ」「スピード感」「キャッチーさ」の3要素のバランスが絶妙で、「こりゃ売れるわ!」って1回聴けばすぐに理解できる即効性の強い内容でした。が、今作はバンドとしての地力とリジー・ヘイル(Vo, G)のボーカリストとしての個性/魅力を最大限に引き出すために、3要素のうちの「ヘヴィさ」を強調した作風へとシフトしています。

オープニングを飾る重々しい「Scream」からして、前作での軽快な序盤のノリとは異なるもの。だって、前作は「Love Bites (So Do I)」「Mz. Hyde」「I Miss The Misery」という鉄壁の3曲でしたからね。それに対して、本作では「Scream」から組曲のようにミドルヘヴィ「I Am The Fire」へと続き、その後も「Sick Individual」「Amen」とミドルナンバーが続く。ここまで変化がない一本調子な構成、ぶっちゃけ挑戦しすぎでしょ? 最初に聴いたときは正直、「これ、好きになれるかなあ。リピートする気になれるかなぁ」と不安を感じたことを今でも覚えています。

その後は「Dear Daughter」のような渋めのピアノバラード、レイドバックしたミディアムナンバー「New Modern Love」とやっぱり“アガる”ことはないのですが、後半折り返しに入ったところでヘヴィながらもアッパーさ加わった「Mayhem」で少し色が変わる。再びバラード調の「Bad Girl's World」でトーンダウンするも、11曲目「Apocalyptic」のダイナミックな演奏、ラストを飾るシンプルなロックンロール「I Like It Heavy」(ソウルフルなエンディングも最高なこと!)などで少し変化をつけてくれるので、なんとか最後まで乗り切ることができました。

こう書くと非常にネガティブな印象を与えるかもしれませんが、どの曲も非常にカッコいいし、リジーのシンガーとしての魅力が100%伝わるアレンジに仕上がっていると思います。ただ、それがミディアム〜スローテンポで13曲も続くと、さすがに厳しいかなと。もちろん、これがアメリカの“ノリ”だってことは重々承知しています。が、日本ではこれはさすがに厳しいような気がします。いくらHALESTORMが好きな自分でも、このアルバムを何度もリピートする気にはなれないほどですから……。

しかもこのアルバム、デラックス盤には「Jump The Gun」「Unapologetic」という2曲を加えた56分/15曲構成。ですが、ハネ気味のリズムが気持ち良い前者とソウルフルなメロと節回しが印象的な後者という、本編にはないタイプの楽曲がボーナストラックってどういうことよ?(苦笑) そこまでして本編のトーンを統一させたかったんでしょうかね。戦略とはいえ、これは解せないなあ。この2曲を加えて、10〜12曲程度に絞ったほうがもうちょっとまとまりがよかった気がします。あるいは、1曲くらいアップテンポの楽曲を入れるとか……まあその反省が、次作『VICIOUS』(2018年)に活かされたんでしょうね。

うん、ツウ好みの1枚だと思います。ビギナーは2ndか4thから入って、最後に聴くといいんじゃないかな。それからでも十分に魅力は伝わると思うので(むしろそのほうが伝わりやすいはず)。

 

▼HALESTORM『INTO THE WILD LIFE』
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2019年4月12日 (金)

GHOST『MELIORA』(2015)

2015年8月に海外でリリースされた、GHOSTの3rdアルバム(日本盤未発売)。本作はスウェーデン本国ではもちろん1位、さらに全米8位、全英23位という好成績を残しており、スウェーデンのバンドとしてはEUROPEの大出世作『THE FINAL COUNTDOWN』(1986年)以来、約30年ぶりの快挙を達成しています。

大ヒットを記録する次作『PREQUELLE』(2018年)の片鱗はすでにこの時点で表出しており、歌メロのポップさ、キャッチーさは次作にも匹敵するものがあります。ただ、『PREQUELLE』での(良い意味での)アメリカナイズとは異なり、本作にはヨーロッパのバンド特有の陰りや湿り気が至る所に散りばめられており、コーラスの重ね方などに70年代のサイケデリックロックやプログレッシヴロックにも通ずる緻密さが感じられます。

オープニングの「Spirit」から数珠つなぎで流れるような構成は、どこかコンセプトアルバムのようでもあるしホラー映画やサスペンス映画のサウンドトラックのようでもある。そんなドラマチックな序盤から叙情的な「He Is」で空気が冷え切ったところでヘヴィな「Mummy Dust」を急にお見舞いされると、まるで不意打ちを食らったかのようなショックを受けるはず。しかも曲中にさりげなく挿入される、不穏さを表現するピアノフレーズ。単にヘヴィなだけでは終わらせないこのダークさ、クセになるくらいたまらんです。

全体を通して聴くと1stアルバム『OPUS EPONYMOUS』(2010年)のヘヴィさ、アグレッシヴさと2ndアルバム『INFESTISSUMAM』(2013年)の叙情性の良いとこ取りといったところで、バランス感は過去3作中で随一。アングラ臭もだいぶ薄まり、キャッチーさが強まったことでかなりメジャー感が増したのではないでしょうか。

とはいえ、そのヴィジュアル含めまだまだカルト的な域は脱していないのかな。まあそこが良かったんだけど。

いわゆるヘヴィメタルというよりは、ダークなハードロックという表現がぴったりな1枚。最新作『PREQUELLE』でGHOSTにハマったというリスナーが次に手に取るにはうってつけの作品だと思います。ここから1stに進むか、それとも順を追って2ndにたどり着くかは、このアルバムを聴いて判断してもらえばいいかな。それくらい、GHOSTというバンド(アーティスト)における“真ん中”にある1枚だと思うので。個人的にはこのアルバム、『PREQUELLE』と双璧の完成度だと思っています。

なお、本作は2016年に発売されたEP『POPESTAR』と合体させた2枚組デラックス盤も出回っており、配信だとこのデラックス盤がメインになっています。ライブには欠かせない名曲「Square Hammer」が含まれているので、これから聴こうという人はこのデラックス盤がオススメです。

 


▼GHOST『MELIORA』
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2019年4月11日 (木)

A NEW REVENGE『ENEMIES & LOVERS』(2019)

ティム・リッパー・オーウェンズ(Vo / SPIRITS OF FIRE、ex. JUDAS PRIEST、ex. ICED EARTHなど)、ケリー・ケリー(G / NIGHT RANGER、ex. ALICE COOPERなど)、ルディ・サーゾ(B / THE GUESS WHO、ex. QUIET RIOT、ex. WHITESNAKEなど)、ジェイムズ・コタック(Dr / KINGDOM COME、ex. SCORPIONS)というメタル界屈指のメンツによるスーパーバンド、A NEW REVENGE。昨年から何度か延期を繰り返してきた待望のデビューアルバムが、2019年3月にリリースされました。

アマチュア時代にロブ・ハルフォード瓜二つな歌唱スタイルで注目を集め、実際にロブの後任としてJUDAS PRIESTにまで加入してしまった才能の持ち主。その後もICED EARTHやイングヴェイのバンドなど、どちらかというと正統派ヘヴィメタルスタイルを得意とするシンガーとしてそっち側のバンドから誘われることが多かったかと思います。

しかし、このニューバンドではそういったスタイルから若干外れる、80年代のアメリカンハードロック的側面が強い、シンプルでストレートなサウンド/楽曲が中心なのです。ある種80年代のSCORPIONS的でもあるこのスタイル、ジェイムズ・コタックはもちろん、ケリー・ケリーやルディ・サーゾという面々を考えれば想像に難しくありませんが、いざそういった楽曲をティムが歌うとなるとどうなるのか……。

いや、心配はご無用。もともと器用な歌い手ですし、そこはそつなくこなしています。メジャーキーのハードロックもお手のもの、カラッとした西海岸寄りのハードロックもアクの強いボーカルスタイルで見事に対応。もちろん、要所要所で彼らしいハイトーンも飛び出し、しっかり個性を発揮しております。

その強烈なボーカルを的確な演奏で支える楽器隊もさすがの一言。誰かひとりが突出した個性を見せるわけでもなく、あくまで“バンド”という形にこだわったアレンジは一聴して地味かもしれませんが、自然と馴染んでいるという意味では実はかなり熟練のプレイではないかと。さすが、これまでアホほど個性の強いフロントマンと戦ってきた百戦錬磨の面々ですね。そんな中で、ケリー・ケリーが味のあるソロを聴かせているのですが、これがまた短いながらもキャッチーなフレーズばかり。あくまで主役は楽曲と歌、ということなのでしょう。

その楽曲も先に書いたとおりで、どこか懐かしさを感じさせるものばかり。どれも平均点以上の仕上がりで、大半が2〜3分台とかなりコンパクト。80年代的と書いたものの、あの頃みたいに派手なアレンジや無駄に長いソロパートがない、非常に現代的なタッチと言えるかもしれません。全11曲で39分という短さも丁度いいですしね。ただ、ひとつくらい“これ!”と言い切れるキメ曲があるとなお良かったのですが。そこに関しては及第点といいますか、次作に期待したいところ。なので、これ1枚で終わらずに継続的な活動を希望します。もちろんライブもね!

 


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2019年4月10日 (水)

THE END MACHINE『THE END MACHINE』(2019)

DOKKEN〜現LYNCH MOBジョージ・リンチ(G)が、ジェフ・ピルソン(B)、ミック・ブラウン(Dr)という元DOKKEN組と、元LYNCHE MOB〜現WARRANTのロバート・メイソン(Vo)と新たに結成したバンドTHE END MACHINE。彼らのデビューアルバムが2019年3月に発表されました。

ジョージ、ジェフ、ミックの3人は80年代末にDOKKEN離脱後にも一緒にバンドを組むなんて話があったし、それ以降も何度かそういった噂が上がったり実際に動いたこともありました。事実、T & Nは当初この3人で進めていたプロジェクトでしたしね(2012年のアルバム『SLAVE TO THE EMPIRE』ではブライアン・ティッシーが半分くらい叩く結果に)。

そんな3人が2016年のDOKKENオリメン期間限定復活を経て、改めて結成したのがこのバンド。シンガーには先のT & Nのアルバムにも1曲のみ参加していたロバートを迎えたことで、“ちゃんと歌えるシンガーの入ったDOKKEN”を期待したファンも少なくなかったはずです(“ちゃんと歌える”云々は、今のドン・ドッケンに対する嫌味ですが。笑)。

だけど、不安要素もありました。それは、最近のジョージが完全にレイドバックしたスタイルであること。それはギタープレイ然り、作る楽曲然り。マイケル・スウィートSTRYPER)とのSWEET & LYNCHは別として、KXMULTRAPHONIXなんて完全に趣味の域ですからね。もちろんそれらの作品も決して悪くはないのですが、80年代のフラッシーなプレイときらびやかなメロディを持つ楽曲をどうしても期待してしまうオールドファンも少なからずいるわけでして。自分も毎回、上記のような作品に対して「うん、今回も良いんじゃないかな。だけど……」と複雑な気持ちで接してきただけに、今回のTHE END MACHINEにも過剰な期待はせずに接することにしました。

で、いざ触れたこのアルバム。思った以上にDOKKEN路線に近いものの、ロバートが参加したLYNCH MOBの2作目『LYNCH MOB』(1992年)をより大人にした雰囲気……つまり、今のジョージそのもの(笑)な音でした。期待しすぎていなかったぶん、スッと入っていけたし、思っていた以上に楽しめた自分がいました。オープニング「Leap Of Faith」こそミディアムヘヴィの“いつもどおり”な作風でしたが、2曲目「Hold Me Down」や5曲目「Ride It」で若干BPMを上げてくれたのはよかったかなと。それ以外はほぼブルージーなミディアムヘヴィやスローナンバーばかり。全11曲で56分とかなり長尺なのも最近のジョージの作品と同傾向で、すべてを楽しむにはちょっとした覚悟が必要かもしれません(苦笑)。

好きな人はとことん楽しめる、けど80年代の幻影を追い続ける人にはキツい。聴き手のスタンスによって評価が二分する作品かもしれません。実際、80年代というよりは90年代的ですしね。あ、そうか。90年代の再結成DOKKENが好きならちょっとは……楽しめる……かも?

僕は思っていた以上にリピートしているので、意外と気に入っているのかもしれません。若いリスナーにこれがどう響くのかは正直疑問ですし、頭の固いオッサンたちからは駄作扱いされるでしょうけど、それでも自分はこれはこれとして支持したいなと。だって、そこまで悪いアルバムじゃないですしね。

 


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2019年4月 9日 (火)

BON JOVI『THIS LEFT FEELS RIGHT』(2003)

2003年11月(日本では同年10月末)にリリースされた、BON JOVIの再録アルバム。80〜90年代に発表されたヒットシングルの数々をアコースティックベースでリアレンジした全12曲で構成されています。当初は「Last Man Standing」「Thief Of Hearts」といった新曲も収録予定とアナウンスされましたが、最終的に外されることに。これらのアイデアが元になり、2005年のオリジナルアルバム『HAVE A NICE DAY』とつながっていくことになります。

アコースティックベースとはいえ、完全なる“アンプラグド”アルバムではなく、しっかりエレクトリックギターやベースなども使用されております。だって、オープニングの「Wanted Dead Or Alive」からしてモダンなLED ZEPPELIN風アレンジですから。このダイナミズム、嫌いじゃない。個人的にはこの1曲だけで“アリ”なアルバムになる予定でした。

「予定でした」というのは、以降の楽曲を聴いてもらえばわかるように、レイドバックというか無駄に枯れてしまった感の強い、肩の力抜けすぎなリアレンジが続くからに他ありません。「Livin' On A Prayer」は元からあるアコースティックバージョンをベースに、リッチー・サンボラ(G, Vo)の代わりにオリヴィア・ダボが歌ったものに。これはこれで悪くないんだけど、続く「Bad Medicine」の“高いキーが出なくなったからメロを変えまくったらつまらない曲になりました”的アレンジや「It's My Life」の“それ、ただの演歌やんか”的アレンジ、などなど……“これじゃない”感連続の内容となっています(苦笑)。

ぶっちゃけ、リリース当時は数回聴いたっきりで放っておいたのですが、あれから15年以上経ち、久しぶりに聴いてみたら……印象まったく変わってなかった(笑)。「Wanted Dead Or Alive」は相変わらず“アリ”だけど、他の曲は……悪くはないけど良くもない。なにもBON JOVIの名前でやることではなかったな、と。山場のまったくない「I'll Be There For You」とか聴いた日にゃあ……これ、ジョン・ボン・ジョヴィがソロでやればよかったのにね。

そもそも、選曲が良くなかったんじゃないかな。無理にシングル曲にこだわったばかりに、中途半端な中身になってしまったわけで、例えば「Love For Sale」や「Someday I'll Be Saturday Night」といったもともとアコースティック調の楽曲ならアイデアひとつで別の表現ができたはずなのに(それだと、あまり変わり映えしなかったのかな)。そういった意味では、初回限定盤付属DVDに収められたAOLセッションズのほうが見応え/聴き応えがある気がします。

全米14位と大きなヒットにつながらず、ファンの間でもスルーされることの多い1枚ですが、『HAVE A NICE DAY』へとつながるという点においては大きな役割を果たした作品なのかな。そう考えると、こういう失敗も悪くないのかも。

にしても……あと10年経ったら、この良さが理解できるんだろうか。そうなりたいような、なりたくないような(苦笑)。

 


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2019年4月 8日 (月)

PEARL JAM『BINAURAL』(2000)

2000年5月発売の、PEARL JAM通算6作目のスタジオアルバム。前作『YIELD』(1998年)同様に全米2位まで上昇するものの、セールスは前作の半分となる50万枚程度止まり。シングルカットされた「Nothing As It Seems」が全米49位のヒットを記録しています。

前作で改めて“PEARL JAMであること”を引き受け、過去のスタイルも今やりたいことも絶妙なバランスで織り込むことに成功した彼らですが、その後ジャンク・アイアンズ(Dr)が健康上の理由で脱退。サポートで参加していたマット・キャメロン(当時、元SOUNDGARDEN)がそのまま正式メンバーとしてバンドに加わり、本作からレコーディングに参加することになります。

本作ではそれまでタッグを組んできたブレンダン・オブライエンから、新たにチャド・ブレイクを共同プロデューサーに起用。ブレンダンもミキシングのみ参加し、最強の布陣で制作に臨むことになりました。

実際、オープニング「Breakerfall」からヒットシングル「Nothing As It Seems」、穏やかな「Thin Air」までの6曲流れは最強の一言で、ぶっちゃけ1stアルバム『TEN』(1991年)以降ではもっともスムーズで気持ち良い構成なんじゃないかと思います。要するに、我々がイメージする“PEARL JAMらしさ”が現代的にアップデートされつつも納得できる形で体現できている、と。デビュー10周年を目前に、バンドはまだまだ成長を続けている、だけど一周回ろうとしている。そんな現実が見事に表現された流れだと思いのです。

もちろんそれ以降の流れも文句なしで、大陸的なノリを持つ「Insignificance」やどこか新しさを感じさせるモダンな「Of The Girl」、ドラムのフレーズが気持ち良い「Grievance」、なんとなくアンビエントっぽさも伝わる「Sleight Of Hand」、最後の最後に奇妙なシークレットトラック(これ、アルバムタイトルにちなんだバイノーラルサウンドが表現されているってことなんでしょうか。実際バイノーラル収録されたのは「Of The Gril」「Rival」「Sleight Of Hand」「Soon Forget」の4曲)を含む「Parting Ways」など個性的で“らしい”楽曲が満載。『YIELD』を気に入ったリスナーなら、間違いなく楽しめる1枚かと思います。

ただ、前半の完璧な流れ、楽曲の完成度の高さと比べると、後半は若干ムラがあるのは否めません。捨て曲とまでは言わないまでも、インパクトは弱いかな?と感じる楽曲もいくつかあり、そういう意味ではアルバム全体としての完成度は『YIELD』から少しだけ劣る。だからなのか、当時そんなに聴き込んだ記憶が薄いんですよね。今聴いても悪くないんだけど、だからといって傑作かと問われると正直微妙と答えてしまう。そんなどっちつかずの作品じゃないでしょうか。

迷いとまでは言わないけど、新たなドラマーを迎えデビュー10周年を目前に再び過渡期に突入した……前作でも覚悟からさらなる一歩を踏み出すための準備期間、のような1枚なのかもしれません。

 


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2019年4月 7日 (日)

SOUNDGARDEN『LOUDER THAN LOVE』(1989)

1989年9月に発売された、SOUNDGARDEN通算2作目のオリジナルアルバム。メジャーのA&M Recordsと契約後最初の作品で、これが日本デビュー作となりました(当時はポニーキャニオンからリリース)。

まだグランジなんて言葉が存在しなかった1989年という時代。シーンはまだまだHR/HMバンドで席巻されていた頃で、彼らもその延長線上で語られることが少なくなかったと記憶しています。レッチリはすでにメジャーデビューしていたし、JANE'S ADDICTIONのようなバンドもメタルとオルタナの間で健闘していたけど、SOUNDGARDENに関してはクリス・コーネル(Vo)のハイトーンボーカルとキム・セイル(G)によるヘヴィなギターリフのせいで「実は“こちら側(=HR/HM側)”のバンドなんじゃないか?」と思わせる節が多かったように思います。

当時高校生だった自分も、『BURRN!』のクロスレビューでこのアルバムの発売を知り購入したクチ。「Full On Kevin's Mon」のようなハードコア寄りアップチューンはあるものの、ミドルテンポ中心の作風はメタル小僧だった自分には若干退屈なものでした(笑)。が、ロバート・プラントを思わせるクリスのボーカルと、実は何気に速弾きっぽいフレーズも飛び出すキムのギター、そしてサイケデリックなテイストが散りばめられたサウンドにはどこか惹かれるものがあったのも事実。また、ベーシストのヒロ・ヤマモトが日本人だったというのも興味をそそられる要素のひとつだったことは、改めて記しておきたいと思います。

今でこそ「Gun」のようにオジー時代のBLACK SABBATHを彷彿とさせるヘヴィナンバーに「おおっ!」と唸ったりするものの、当時はオジーサバスに対してそこまでの感情もなかったし(笑)、むしろリアルタムで『HEADLESS CROSS』のようなエモーショナルな作品が出回っていた時期なのでそこと比較することはありませんでしたが、このアルバムの時点ではそこまでサバスをイメージさせる要素はまだ少ないんですよね。むしろ、その要素が一気に強まるのは次作『BADMOTORFINGER』(1991年)以降なのかなと。グランジとオジーサバスとの共通点が語られるようになるのも、それ以降のことですしね。

そういった意味では、本作は1stアルバム『ULTRAMEGA OK』(1988年)を進化させたスタイルと言ったほうが正しいのかもしれません。LAスタイルのHR/HMとは異なる、アンダーグラウンドのオルタナティヴロック経由のシアトルスタイルHRといいますか。ツェッペリンやサバス、あるいは初期KISSなどの70'sクラシックロックから影響を受けつつも、80年代ニューウェイヴ以降の血が混じった独自の視点で組み立てられたスタイルが、のちのグランジと呼ばれるムーブメントにつながっていった。時代の転換期にSOUNDGARDENがいち早くメジャーデビューしたというのも、そういう意味ではすごく頷けるものがある気がします。

どうしても『BADMOTORFINGER』と『SUPERUNKNOWN』(1994年)のイメージが強いバンドですが、この『LOUDER THAN LOVE』で聴くことができるスタイルも捨てがたい。むしろ、1989年という時代にこの音をメジャーで出していたという事実がものすごいことなんじゃないか?と思うのですが、いかがでしょう(なんてこと、あの時代をリアルタイムで通過した人にしか通じないと思いますが)。

 


▼SOUNDGARDEN『LOUDER THAN LOVE』
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2019年4月 6日 (土)

ALICE IN CHAINS『MTV UNPLUGGED』(1996)

1996年7月(日本では同年8月)にリリースされた、ALICE IN CHAINS初のアコースティックライブアルバム。

同年4月10日にニューヨークで収録された『MTV UNPLUGGED』出演時のライブを収めたもので、アルバムは放送時にカットされた3曲(「 Angry Chair」「Frogs」「Killer Is Me」)を含む全13曲で構成されています。

デビュー時こそヘヴィなギターリフとレイン・ステイリー(Vo)&ジェリー・カントレル(G, Vo)による不穏なハーモニーのイメージが強かった彼らですが、『SAP』(1992年)や『JAR OF FLIES』(1994年)といったEP、3rdアルバム『ALICE IN CHAINS』(1995年)にはアコースティックサウンドを軸にした穏やかな楽曲も多く、こういったアーシーな作風も彼らの持ち味となっていきます。なので、彼らアンプラグドに出演すると知ったときは「ようやく」という気持ちが強かったことを今でもよく覚えています。

とはいえ、この頃のALICE IN CHAINSはかなり不安定な時期で、直前の『ALICE IN CHAINS』リリース時などはレインのドラッグ癖による体調不良も重なって「本当にやるの?」と疑問に思ったのもまた事実。当時ケーブルテレビで放送されたものも観ましたし、のちにビデオ作品として発売された映像版も観てますけど……そこまで病んだ雰囲気を感じさせないレインの姿に、ちょっとだけホッとしたものです。

ジェリーによる派手なギターサウンドが皆無なぶん、バンドの軸になるキャッチーなメロディがより際立つアコースティックアレンジですが、ヘヴィな楽曲をこのスタイルで表現してもしっかりヘヴィになるんだと驚かされたりもしました。「Sludge Factory」「Frogs」あたりなんてまさにその真骨頂で、音が簡素になったぶんダークさがより強調されているように思いますし(とはいえ、ベースが意外とゴリゴリしているので、それによるものも大きいのかな)。

と同時に、「Sludge Factory」の直前にMETALLICA「Enter Sandman」を演奏するお遊び感からは、意外とバンドがリラックスしてこのライブに臨んでいたことも伺えます。それもあってか、レインのボーカルからはスタジオ作品から伝わる鬼気迫る感覚や狂気的な空気感がここでは皆無。これがアンプラグド特有の雰囲気によるものなのか、それとも当時の体調によるものなのかはわかりませんが、もし彼がまだ生き延びていてバンドに在籍していたら、きっとこういう表現も普通にできていたんじゃないか……なんて想像してしまいます。

『JAR OF FLIES』や『ALICE IN CHAINS』で聴くことができるソフトサイドも愛せるという人なら絶対に気に入るはずの内容ですし、レイン在籍時の貴重な音源のひとつでもあるので、グランジ時代をリアルタイムで通過していない人にこそ触れてほしい1枚。これもグランジのひとつの側面だったんだぞ、という意味でも知っておいてもらいたいです。

 


▼ALICE IN CHAINS『MTV UNPLUGGED』
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2019年4月 5日 (金)

NIRVANA『LIVE AT READING』(2009)

2009年11月に同名の映像作品DVDとともにリリースされた、NIRVANAの秘蔵ライブアルバム。

メジャーデビュー作品『NEVERMIND』(1991年)のバカ売れ後の1992年8月30日、イギリスで開催された『READING FESTIVAL』のヘッドライナーとして出演した際のパフォーマンスを完全収録(DVDのみ/CDは「LoveBuzz」とMCをカット)したファン待望の1枚。これまでブートレッグで死ぬほど世に出回ったこの映像/音源がカートの死後から15年以上、実際のフェス開催から17年を経てようやくキレイでオフィシャルな形で発売されたわけです。

この時期のカート・コバーン(Vo, G)は予想だにしなかった空前のメガヒットを前に、かなり斜に構えたスタンスで観客やメディアの前に姿を現していたタイミング。このレディングでも金髪の長髪ヅラをかぶり車椅子に乗って登場するなど、どこまで本気でどこからが冗談なのか……というオープニングで客を引かせてから、鋭いギターリフの「Breed」からライブをスタートさせます。

聴いてもらえばわかるように、決して演奏的技術がうまいわけでもないし見ストーンも多い。バカ売れした「Smells Like Teen Spirit」なんて誰もがアルバムと同じ音を求めて来ているのに、わざと音を外す。プロとしてはあってはならないし、人によっては「客をバカにしてる!」と憤慨するんでしょうけど、逆にカートとNIRVANAの面々が、1992年という“醒めた”時代にこれをやることに意味があり、だからこそカッコよかったんだよ……と思うわけです。

当時も存分にカッコいいと思っていたし、あれから20年近くを経た今観ても明らかにカッコいい。本当、真似できないカッコよさですよね。ただ、このカッコよさが成立するのって、デイヴ・グロール(Dr)という鉄壁のリズムが存在したからだとも思うわけでして。特にこれには後年になってから、より強く感じるようになりました。改めてこの人のドラミング(リズムキープやフレージング、パワー含め)、非ハードロック的な時代において実はかなりハードロック的なんですよね。そのアンバランスさが、ハードロック耳の自分にもハマったんだろうなと改めて思います。

もちろん、リズムだけじゃなくて曲の良さも大きい。特に『NEVERMIND』の収録曲はパンクとかオルタナを通り越して、ポップスとしての側面もかなり強いし、その前夜であった『BLEACH』(1989年)の楽曲にも存分に片鱗が感じられる。このライブでは翌年秋に正式リリースされる3作目のアルバム『IN UTERO』(1993年)の楽曲も数曲披露されていますが、『NEVERMIND』と『BLEACH』の中間といった印象でいろいろ舐めきっているのもまた良いです。

もう二度と帰ってこないこの時代、この演奏、このバンド。だからこそ、この1枚の存在は非常に大きい。音源としてももちろんですが、ぜひ映像付きで楽しんでもらいたい作品です。

 


▼NIRVANA『LIVE AT READING』
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2019年4月 4日 (木)

KORN『KORN III: REMEMBER WHO YOU ARE』(2010)

2010年7月にリリースされた、KORN通算9枚目のスタジオアルバム。前作『UNTITLED』(2007年/正しくはタイトルなしの無題)からまる3年ぶりの新作であり、Roadrunner Records移籍第1弾アルバム。チャート的には前作同様に全米2位を記録しますが、セールス的には前作まで続いたゴールドディスク/プラチナディスクに満たない、50万枚以下で終わっています。

現在までバンドに参加しているレイ・ルジアー(Dr)が本作から正式参加(前作はテリー・ボジオ、ブルックス・ワッカーマンの2名がゲスト参加)。ジョナサン・デイヴィス(Vo)、マンキー(G)、フィールディー(B)の4人体制での初作品となります。

プロデューサーに初期2作(1994年の1st『KORN』、1996年の2nd『LIFE IS PEACHY』)を手がけたロス・ロビンソンを迎えており、3rdアルバムではないのに『KORN III』と冠したアルバムタイトル含め、原点回帰がコンセプトとしてあった本作。直近数作にあったデジタル的なカラーを排除し、レコーディングも1stアルバム時代のサウンドを追求しようとアナログトラックで録音/マスタリングを敢行。メンバー自身、当時は「このアルバムのKORNにとって真の3rdアルバム」と発言していたこともあり、特に初期ファンは歓喜したのではないでしょうか。

実際、サウンドの質感に初期の生々しさが戻ってきていると思いますし、楽曲的にも「Move On」や「Lead The Parade」「Let The Guilt Go」あたりには初期作にあった狂気性がそこはかとなく感じられます。

ですが、全体を通して思ったのは……サウンドこそ初期作的なものながらも、歌メロなどベーシックな部分は実際の3rdアルバム『FOLLOW THE LEADER』(1998年)や4thアルバム『ISSUES』(1999年)、そして新境地を見せた5thアルバム『UNTOUCHABLES』(2002年)の3作を下地にしているなと。なので、1曲1曲のメロがしっかり耳に残るんですよね。そういった意味では、3rd〜5thを受けて制作された6thアルバム『TAKE A LOOK IN THE MIRROR』(2003年)にも通ずるものがある気がします。もちろん、同作よりも今作のほうが思いっきり振り切れてはいるのですが。

良くも悪くも、大人になってしまったんだな……そんな1枚かもしれません。初期衝動を取り戻そうと無理くり狂気性を演出するのですが、それすらもコントロールされている気がするし。ある意味では、それができるってことはものすごい才能だと思うんです。でも、そのへんが作為的になってしまうと、急に嘘っぽくなってしまうのも事実でして。このアルバムに関しては初期作みたいな即効性こそあるものの、それがあまり長続きしない。「良いんだけどなぁ……」止まりの1枚という気がします。

だからこそ、続く10thアルバム『THE PATH OF TOTALITY』(2011年)での(別の意味での)振り切れっぷりは素晴らしかったんですよね。そんな、過渡期的作品。実に勿体ない。

 


▼KORN『KORN III: REMEMBER WHO YOU ARE』
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2019年4月 3日 (水)

PET SHOP BOYS The Super Tour@日本武道館(2019年4月1日)

Img_4088 PET SHOP BOYSのライブなんて何年振りだろうか。そもそも最初に観たのが2002年のフジロックのときで、次に観たのが2013年のソニマニだったような……単独自体は初めて、そもそもこれが19年振りの単独来日公演なのだそうで。そうか、そんなにやってなかったんだ……というのが率直な感想。そもそも、2000年代に入ってからはそんなに頻繁に来ている印象もなかったから、意外でもなかったんだけど。

というわけで、行ってきました。80年代のビッグアクトは次があるかどうかわからないから、女房を質に入れてでも観に行けと死んだばあちゃんが言ってたので。

会場入りしたとき、とにかくシンプルなステージセットに驚きました。ステージ前方にシンセセット1式と、その両脇に丸いスクリーン、後方には白幕(しかも、かなり手前側に張られている)。これ、2人だけでやるのかな……と思っていたところ、会場暗転。SEに導かれてシルバーの被り物をした2人が登場し、そのまま新作『SUPER』(2016年)から「Inner Sanctum」にてライブ開始。かなりゴリゴリなエレクトロナンバーで始めるのね、と思ったら2曲目に早くも80年代のヒット曲「Opportunities (Let's Make Lots of Money)」。ここで観客歓喜……ということで、この日の客層が想像できたのではないでしょうか(そもそも、開演時の明るい時点で、自分と同世代かそれより上の世代が9割という印象でしたけど)。

その後も新作(といっても、すでに3年前のアルバムなんですけどね)と過去のヒット曲を交互に披露し続けていくのですが、そのバランスの良さと旧曲のアップデート感がとにかく絶妙。80年代の曲は場合によってはオリジナルに近い音色のシンセを使うのですが、それがまたちょっと気恥ずかしかったりして。ま、嫌いじゃないですけどね。

途中で2人がヘルメット外したり、両サイドの丸いスクリーン風置物が撤去されたり、後ろの白幕が降ろされるとサポートメンバー3人(バイオリン&シンセ&コーラスの女性メンバーと、パーカッションの男性メンバー×2人)が登場したり、そのサポメンのセットが前に移動したり……というのを、すべて人力で行うわけです(スタッフが大勢ステージに現れ、それらを動かしたりする)。その異様な光景が、いわゆるピコピコしたサウンドと乖離しているといいますか……いや、逆にエレポップサウンドが妙に人間っぽく聴こえてきたと言いますか。とにかく、あんまりエレクトロっぽい冷たさはなかったかな。終始人肌並みの温かみがあった気がします。

にしても、『SUPER』や前作『ELECTRIC』(2013年)の楽曲がとにかく素晴らしいので、80年代のヒット曲、90年代の下世話なディスコナンバーと並んでも全然負けてないし、むしろ強さを感じる。全然昔の曲に頼ってないし、新作を軸にできるだけの強さと自信がビンビン伝わってくるもんですから、観てるこっちもどんどん楽しくなってきちゃって。1階席1列目だったので最後まで座って観ちゃったけど、終始体はリズム取りっぱなしで、終盤に進むにつれてリズムを取る体の動きがどんどん大きくなっていくみたいな。それくらい堪能できました。

圧巻は「It's A Sin」からアンコールにかけての流れでしょうか。とにかくヒット曲のオンパレード。この曲のフィナーレ感と、「Go West」の終焉を告げる感は双璧。アンコールが「Domino Dancing」で始まったときは「まだやってなかったのか!」と驚いたくらいとにかくヒット曲が多いもんだから、今回のセットリストから漏れたおなじみの曲もまだまだあるわけですよ。ああ、聴きたい曲全部やってくれたら3時間じゃ収まらないよね。

DURAN DURANのときも思いましたが、こういうバンドがしっかり現代に良作を出してくれて、その作品を軸にしつつも過去ともちゃんと向き合ってヒット曲を連発するライブを続けてくれる。もうね、こうやって続けてくれるだけでもありがたいし、リスペクトしかない。

ただ、せっかくツアー直前にナイスな新曲を収めたEP『AGENDA』を出したんだから、ここからもやってほしかったなあ。まあ『SUPER』と銘打ったツアーだから、今年後半リリース予定の新作側に寄った最新EPからやらないのは正解なのかもしれないけどね。

 

<セットリスト>
01. Inner Sanctum
02. Opportunities (Let's Make Lots of Money)
03. The Pop Kids
04. In The Night
05. Burn
06. Love Is A Bourgeois Construct
07. New York City Boy
08. Se A Vida É (That's The Way Life Is)
09. Love Comes Quickly
10. Love etc.
11. The Dictator Decides
12. Inside A Dream
13. West End Girls
14. Home And Dry
15. The Enigma
16. Vocal
17. The Sodom And Gomorrah Show
18. It's A sin
19. Left To My Own Devices
20. Go West
--ENCORE--
21. Domino Dancing
22. Always On My Mind
23. The Pop Kids (Reprise)

 

CHILDREN OF BODOM『HEXED』(2019)

CHIDREN OF BODOM通算10作目のオリジナルアルバム。前作『I WORSHIP CHAOS』(2015年)から3年半ぶりの新作で、本国フィンランドでは前作から引き続き1位を獲得しています。

個人的には苦手とするタイプのバンドで、なぜか初期の作品には手が伸びなかったんですよね。なので、ちゃんと聴いたのは5作目の『ARE YOU DEAD YET?』(2005年)が最初。以降、過去の作品をさかのぼったり、新作が出るたびに聴いたりはしていたんですが、それも前々作『HALO OF BLOOD』(2013年)を最後に途絶えてしまい……要するに、個人的には『ARE YOU DEAD YET?』をピークに尻すぼみ的に興味が薄らいでいったわけでして。

正直言っちゃえば、『ARE YOU DEAD YET?』以降の作品ってそこまで良いと思えなかったんです。単に興味の範疇外というだけかもしれないけど。ライブもフェスに出てれば一応は観るけど、数曲でお腹いっぱいになってしまうし。ああ、そういうバンドもいるよね。と深く考えないようにしていました。

で、今回のアルバム。たまたま仕事でリリース前に聴くことができたのですが……あれ、これ聴きやすい? キャッチーじゃない? と。気づいたら2回、3回とリピートしている自分がいたのでした。

何が違うんでしょうね。まあ確実に曲がよく練られているというのはあると思います。ネオクラシカル系っぽい要素が強いのと同じくらい(ちょっと初期っぽい?)しっかりメロデスもデスラッシュもある。中にはメジャーキーをフック的に取り入れた楽曲もあるけど、これが悪くない。ひたすらデス声で通すぶん、楽器の要素やアレンジで差別化を図るしかないこの手のバンドなわけですが、いかんせんここ数作の彼らにはそこに対する意識が弱かったような気がするのです。つまり今回はしっかり聴かせることにまで意識が行き届いている。それがこの良質な内容につながったのではないでしょうか。

曲によっては「このシンセの音色、イマドキないだろ?」っていうのも確かにあります。それはもう好みの問題なのでどうしようもないですが、だからといって曲が悪いわけじゃないのでそのまま聴き進めることができる。たぶんちょっとした工夫の違いなんでしょうけど、今作に関しては非常によい効果が表れているんじゃないかな。だって、こんな自分みたいなリスナーですら楽しめたのですから。

ただ、「これ!」という抜きん出た1曲がないのはちょっとだけ不満かな。それがあるとないとでは大違いですから。少なくとも初期4、5作にはそういった1曲が毎回あったと思うのです。過去曲「Knuckleduster」のリメイクが追加収録されているけど、これが一番良い……なんていうのも違いますし。特にこの手のバンドは10作も作っているとそこが大きな壁として立ちはだかるのではないでしょうか。そのへんが次作以降で解消されることを願いつつ、また次のアルバムも素直に「好き!」と言い切れる内容だとうれしいな。



▼CHILDREN OF BODOM『HEXED』
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2019年4月 2日 (火)

WHILE SHE SLEEPS『SO WHAT?』(2019)

イギリス・シェフィールド出身のメタルコアバンド、WHILE SHE SLEEPSが2019年3月にリリースした通算4作目のフルアルバム。

ちょっと前にこのアルバム発売に際しての宣伝ポスターの文言が話題になりましたが(内容は「No one buys music anymore. But It's okay, we only need 4 million streams to pay for these posters & our rent this month.」→もはや誰も音楽を買わないけど問題ないよ、だった400万ストリーム(再生)でこのポスターの宣伝費用と今月の家賃が払えるんだから)といった皮肉めいたもの)、本国では前作『YOU ARE WE』(2017年)の8位には及ばず、今のところ最高21位止まりとのこと。Spotifyではリードトラックの「Anti-Social」と「Haunt Me」が300万ストリームを突破していますが、それ以外の楽曲は2ケタ万ストリーム止まり。もっと売れてもいいんだけどなあ。

この1月には来日公演を行なったばかりの彼らですが、残念ながら本作は日本盤リリース未定。今作からSpinefarm Records(Universal傘下)流通に変更になったこともあり、契約云々であれなんでしょうかね。

個人的には1stアルバム『THIS IS THE SIX』(2012年)以降ちゃんと聴いてこなかったのですが、前作にはオリヴァー・サイクス(BRING ME THE HORIZON)がゲスト参加していたりと、何かと横のつながりもしっかりしているようですね。

そんな今作ですが、10曲目「Back Of My Mind」にSHVPESのグリフィン・ディッキンソン(Vo)がフィーチャリングされているくらいで、基本的にはメンバー5人の力量による“幅広い”メタルコアサウンドが展開されています。この“幅広い”の意味ですが、先のBMTHが新作『amo』(2019年)で試みた“脱メタルコア”的なものとは異なり、全体的にヘヴィながらも要所要所にシンガロングできそうな歌メロが用意されており、なおかつ味付けとしてエレクトロやヒップホップの要素を散りばめているという“一線を超えずに戦う”姿勢が示されています。

しかも、アップテンポの楽曲も少なくないので、スルスル聴き進めてしまう。ミドルテンポにこだわった最近のBMTHとも、ドラマチックなオーケストレーションを導入したARCHITECTSとも異なり、WHILE SHE SLEEPらしい形でポップさ、キャッチーさを取り入れながらもメタルコアバンドとして格闘する。そんな意思表示が感じられる1枚に仕上がっています。うん、良いじゃないですか。

ただ、バランス感に優れているた故に突出した何かが足りないという印象も。それが今作のセールス的低迷につながっているのかどうかはわかりませんが、このままスルーされてしまうには少々勿体ない1枚だと思います。こんなこと書いてるけど、もっと聴き込んで長期間リピートし続けたら印象がさらに良くなるんじゃないか……そんな可能性を秘めた力作。年末にはベストアルバムの選出していてもおかしくない内容です。



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2019年4月 1日 (月)

『DOWNLOAD JAPAN 2019』@幕張メッセ(2019年3月21日)

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初開催の『DOWNLOAD FESTIVAL』の日本版、いざ蓋を開けてみたら大盛況でしたね。当初はチケットが売れてないなんて話もありましたし、オジー・オズボーンのキャンセルで開催危ういんじゃ?なんて悪い噂も飛び交うほど。けど、これだけ入ったんだったら、来年も大丈夫なんじゃないか?って気がしてきました(もっとも、それだけ魅力的なアクトが揃えばの話ですが)。

今回は雑誌のレポで入ったので、そちらの発売前に詳細なレポを書いてしまうのはルール違反。ということで、ここでは記録として簡単なメモ程度で収めておきたいと思います。

 

LIKE A STORM

ディジュリドゥメタル! ステージ中央にフロントマン、その左右にV字にクロスしたディジュリドゥ2本×2セット。ダウンチューニングのギターだけじゃ足りない“下”を補う、イマドキの低音は心地よいったらありゃしない……けど、序盤はよく聞こえなかったけど(苦笑)。まだアルバム2枚、曲調が似たり寄ったりなのが玉に瑕か。でも良い曲多いよね。

00. Intro
01. Pure Evil
02. The Bitterness
03. Solitary
04. Complicated (Stiches & Scars)
05. The Devil Inside
06. Love The Way You Hate Me


AMARANTHE

ライブ初見。ボーカル3人は多い……けど、ちゃんと役割が振り分けられているし、1人がフィーチャーされている間はほかの2人が休憩できるというフレキシブルさはなかなか。女性シンガーが良い声してたのと、本当に曲が良い。そりゃ売れるわけだ。納得のステージでした。

00. Helix Intro
01. Maximize
02. Digital World
03. Hunger
04. Amaranthine
05. GG6
06. Helix
07. Drop Dead Synical
08. Call Out My Name
09. The Nexus


MAN WITH A MISSION

唯一の日本代表(と、言ってもいいよね?)、かつ非メタルバンド。頭の固いメタルファンから拒絶されるんじゃ……と思っていたけど、さすが百戦錬磨のライブバンド。いざライブが始まれば、自分たちのペースで、自分たちの空間をしっかり作り上げる。最後の「FLY AGAIN」での手ふり、みんな完璧だったもんね。ホッとしました。

01. database
02. Broken People
03. Get Off of My Way
04. Dead End in Tokyo
05. Raise your flag
06. Left Alive
07. Take Me Under
08. FLY AGAIN


HALESTORM

リジーが男前すぎて……完全に21世紀のジョーン・ジェットでした。「Love Bites (So Do I)」では同名バンドLOVEBITESのフロントを担うasami嬢がゲスト参加。リジーに負けないパワフルさで場を盛り上げました。あと、彼らはメタルというよりは埃っぽいアメリカンロックなんだなと、ライブで聴いて再認識。次はフルセットで観たい!

01. Black Vultures
02. Mz. Hyde
03. Love Bites (So Do I) [with asami from LOVEBITES]
04. Tokyo
05. Amen
06. Do Not Disturb
07. Drum Solo
08. Freak Like Me
09. Uncomfortable
10. I Miss The Misery


ARCH ENEMY

ごめんなさい、朝からずっと立ちっぱなしだったので、ここで休憩。外で食事をとりながら音だけ聴いてました。5月にBLACK EARTH来日があるからか、初期曲はゼロ。日本人、みんなARCH ENEMY好きなのね。ラストの「Nemesis」だけじっくり観たけど、やっぱりカッコいいわ。

00. Set Flame To The Night
01. The World Is Yours
02. Ravenous
03. War Eternal
04. Blood On Your Hands
05. You Will Know My Name
06. Dead Eyes See No Future
07. The Eagle Flies Alone
08. As The Pages Burn
09. Dead Bury Their Dead
10. No Gods, No Masters
11. Nemesis
12. Enter The Machine (outro)


ANTHRAX

何気にベストアクトでは? 客の盛り上がり然り、ステージ上の熱量然り。PANTERA始まり&終わりはズルい。あと、久しぶりにライブで聴いた「Be All, End All」が最高すぎました。何度観ても良いバンドは良い。それで十分。

01. Cowboys From Hell (intro) 〜 Caught In A Mosh
02. Got The Time
03. Madhouse
04. Fight 'Em 'Til You Can't
05. I Am The Law
06. Be All, End All
07. Evil Twin
08. Antisocial
09. Indians 〜 Cowboys From Hell (outro)


GHOST

期待のGHOST。ステージセットや演出含め、完全に独自路線。メロウなハードロック感はどこかアリス・クーパー的。けど、ANTHRAXの後というのは分が悪すぎ。せめてSUM 41の後なら……ほかのお客ももっと引き込めたのでは。いや、僕は存分に満足しましたけど、もっと熱狂的な盛り上がりが観たかったな。

01. Ashes
02. Rats
03. Absolution
04. Ritual
05. From The Pinnacle To The Pit
06. Faith
07. Cirice
08. Miasma
09. Year Zero
10. Mummy Dust
11. Dance Macabre
12. Square Hammer


SUM 41

完全な休憩タイム。最後の2曲だけ観ました。代表曲が多いと、ジャンルは少し外れても盛り上がることは盛りがるのね。彼ら目当てのファンも少なくなかったようですし。

01. The Hell Song
02. Over My Head (Better Off Dead)
03. Motivation
04. We're All To Blame
05. Walking Disaster
06. Underclass Hero
07. No Reason
09. We Will Rock You
10. In Too Deep
11. Fat Lip
12. Still Waiting


SLAYER

ちょっと複雑な気持ちに。最高のステージだったんだけど、ラストのトム・アラヤによる日本語MCで感傷的な気分に。「どうせもう一回来るでしょ?」と高を括ってたけど、あれで一気に「本当に最後だ」と嫌でも実感させられた。帝王らしい潔い終焉でした。

00. Delusions Of Saviour
01. Repentless
02. Blood Red
03. Disciple
04. Mandatory Suicide
05. Hate Worldwide
06. War Ensemble
07. Jihad
08. When The Stillness Comes
09. Postmortem
10. Black Magic
11. Payback
12. Seasons In The Abyss
13. Born Of Fire
14. Dead Skin Mask
15. Hell Awaits
16. South Of Heaven
17. Raining Blood
18. Chemical Warfare
19. Angel Of Death


JUDAS PRIEST

4ヶ月ぶりのプリースト。ちょっと前に「Killing Machine」をやったって話があったから、日本でも……と思っていたら、気合い入れて半分近くセットリスト入れ替わってる! しかも選曲がマニアック! これはこれでアリ! あと、東京公演では聴けなかった「he Hellion 〜 Electric Eye」を堪能できたのはうれしかった。やっぱこれでしょ?

01. Firepower
02. Delivering The Goods
03. Sinner
04. The Ripper
05. Evil Never Die
06. Bloodstone
07. Saints In Hell
08. No Surrender
09. Turbo Lover
10. Devil's Child
11. Killing Machine
12. Some Heads Are Gonna Roll
13. Guardians 〜 Rising From Ruins
14. Rapid Fire
15. Hell Bent For Leather
16. Painkiller
--ENCORE--
17. The Hellion 〜 Electric Eye
18. Breaking The Law
19. Living After Midnight

ANTHEM『NUCLEUS』(2019)

来年2020年にデビュー35周年を迎えるANTHEMが、このタイミングで海外の名門メタルレーベルNuclear Blastと契約。世界リリース第1弾として2019年3月末に、これまでの楽曲を英語詞にて再録音したベストアルバム的内容のフルアルバムをリリースしました。

ANTHEMの英語詞アルバムというと、本格的再結成前にグラハム・ボネットを迎えて制作した『HEAVY METAL ANTHEM』(2000年)がありますよね。あのアルバムは80年代のメジャーデビューから90年代初頭の解散までのアルバムから、森川之雄在籍時の4thアルバム『GYPSY WAYS』(1988年)〜7thアルバム『DOMESTIC BOOTY』(1992年)の楽曲中心で構成されていました。坂本英三時代の楽曲は1曲のみでしたが、それでも多くのファンが納得するような代表曲が多い1枚だったと思います。

ところが、今回の世界リリース第1弾となる『NUCLEUS』は全13曲中12曲が2001年の再結成以降に発表された楽曲の再録なのです。具体的に説明すると下記のとおり。

・VENOM STRIKE :7th『DOMESTIC BOOTY』(1992)
・OVERLOAD:9th『OVERLOAD』(2002)
・ETERNAL WARRIOR、OMEGA MAN:10th『ETERNAL WARRIOR』(2004)
・IMMORTAL BIND、ECHOES IN THE DARK:11th『IMMORTAL』(2006)
・BLACK EMPIRE、AWAKE:12th『BLACK EMPIRE』(2008)
・GHOST IN THE FLAME、UNBROKEN SIGN:14th『BURNING OATH』(2012)
・LINKAGE、PAIN:15th『ABSOLUTE WORLD』(2014)
・STRANGER:16th『ENGRAVED』(2017)

再始動一発目の8thアルバム『SEVEN HILLS』(2001年)とビクター時代ラストの13th『HERALDIC DEVICE』(2011年)からは選出なしで、復活2作目の『OVERLOAD』(2002年)と最新オリジナルアルバム『ENGRAVED』(2017年)のみ1曲ずつ、ほかは2曲ずつという選曲。しかも、いわゆるシングル曲(リードトラック)が極力外されており、現在までのライブで演奏される頻度の高いナンバーが選出されているのです。しかも、英詞に変わったぐらいで大まかなアレンジの変更なし。なのにオリジナル音源よりもブラッシュアップされた印象が強いのは、本作のミックス&マスタリングをイェンス・ボグレン(SOILWORKOPETHPARADISE LOSTDIR EN GREYなど)が手がけたことも大きく影響しているのでしょう。音の密度や際立ちぶりが過去のアルバムと大きく異なることで、同じ曲でも違った印象を与えてくれます。

また、ドラマチックな長尺曲「GHOST IN THE FLAME」のあとに、唯一解散前の楽曲「VENOM STRIKE」が置かれているのも興味深いポイント。“中枢”を意味するタイトル含め「再結成後の“今”がベスト!」と言わんばかりの作品の中にこのトリッキーな曲が加わることで、この曲も前後の曲も非常に映えるんですよね。もともと大好きな曲ですが、この流れで聴くとまた新鮮な印象を得られました。

とにかく、息つく暇もないくらいの圧倒感と焼けるような熱量でびっしり埋め尽くされたこのアルバム。正直60数分という決して短くない長さが息苦しくも感じる瞬間もあるのですが、それも繰り返し聴くことで気持ちよくなってくるのですから不思議です。

このアルバムがANTHEMの海外展開において大きな役割を果たす……かどうかはわかりません。年齢的にもキャリア的にも、あと何枚制作できるのかわかりませんし。ただ、このアルバムに関しては出すことに意義があるのかな、という気がしました。

 


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