AC/DC『LET THERE BE ROCK』(1977)
本国オーストラリアで1977年3月、それ以外の国で同年7月に発表されたAC/DCの3rdアルバム(本国では4作目)。イギリスで初めてチャートインし、最高17位という好記録を残した、バンドにとって海外でブレイクするきっかけを作った重要な1枚です。
ボン・スコット(Vo)在籍時の初期作品の中では本作と『HIGHWAY TO HELL』(1979年)が初心者向けのスタジオアルバムと言えるぐらい、現在もライブで披露される機会の多い名曲が豊富な内容。タイトルトラックはもちろんのこと、GUNS N' ROSESもカバーした「Whole Lotta Rosie」、グルーヴィーな「Dog Eat Dog」やこれぞAC/DC!と言いたくなる「Bad Boy Boogie」や「Hell Ain't A Bad Place To Be」など、捨て曲一切なし。全8曲、40数分と決して長い内容ではないですが、その密度は曲数や収録時間の数倍濃いものとなっています。
……と、ここまで書いて、すでに本作について伝えたいことは全部伝えてしまったような気がします(笑)。ってくらい、「読む前に、まず聴け!」と断言したくなる1枚。AC/DCとはなんぞや?と問われたときに、まずはこれを差し出すぐらいの傑作だと思っています。
確かにブライアン・ジョンソン(Vo)以降のヘヴィメタル的な重さや鋭さは皆無ですし、ポップさという重要な要素もここではまだ弱い気がします。しかし、1977年というイギリスでパンクロックが勃発したタイミングに、本作が17位という好記録を残しているという事実。そこにこのアルバムが現在まで愛され続ける秘密か隠されている気がするのですが、どうでしょう?
パンクよりも密度が濃いし、なんなら旧時代然としたスタイルのサウンドです。だけども、パンクロックにも通ずる衝動性はしっかり体現されている。そういった「シンプルに、ただカッコいいことをデカイ音で鳴らす」という姿勢が、当時のキッズに受け入れられたのでしょうか。あるいは、パンクスの陰に隠れてしまったハードロックキッズたちが「これこそが俺たちが今求める音!」と無言の意思表示をした結果がこの数字だったのか。できることなら1977年のイギリスに行って、AC/DCのライブ会場を覗いてみたいものです。
ギターを弾く人にとっては、本作は名ギターリフの宝庫でもあるんじゃないかな。シンプルだけどインパクトが強いリフの数々と、アンガス&マルコムのヤング兄弟によるリフのユニゾンや微妙に異なるフレーズが重なったときの気持ち良さなど、楽器弾き観点でも聴きどころ満載な1枚。ヘッドフォンを付けて爆音で聴くのもいいですが、AC/DCに関してはとにかくスピーカーを通して、可能な限りデカイ音で聴いてほしいな。それが一番、魅力がダイレクトに伝わるはずなので。
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