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2019年4月27日 (土)

THE ROLLING STONES『TATTOO YOU』(1981)

1981年8月に海外でリリースされた、THE ROLLING STONES通算16枚目(イギリスにて/アメリカでは18枚目)のスタジオアルバム。「Start Me Up」(全英7位/全米2位)、「Waiting On A Friend」(全英50位/全米13位)、「Hang Fire」(全米20位)というシングルを含み、アルバム自体も全英2位、全米1位(9週連続)を獲得。特にアメリカでは久しぶりに実施された大々的なツアーの成功も手伝って、400万枚以上を売り上げる大ヒット作となりました。

前作『EMOTIONAL RESCUE』(1980年)を携えたツアーが翌年に延期になり、その埋め合わせ(およびツアー時のプロモーション)のために急遽制作が決まった本作。それが前作から1年弱という短いスパンで発表された理由に当たります。

ところが、当時すでにミック・ジャガー(Vo)とキース・リチャーズ(G, Vo)の不仲はひどいものとなり始め、曲作りはうまく進まなかったそうです。それもあって、本作には前作はそれ以前のアルバムからの録音済みのアウトテイクにオーバーダビングをした楽曲が多く含まれています。

例えば、オープニングを飾る代表曲「Start Me Up」は1977年頃(『SOME GIRLS』)のセッションがベースだし、「Slave」は1975年頃(『BLACK AND BLUE』)のセッションが元に。「Tops」や「Waiting On A Friend」なんて1972〜3年頃(『GOATS HEAD SOUP』)の音源が下地になっているそうですから。

それもあってか、アルバムとしての方向性は若干とっ散らかっている印象も。「Hang Fire」や「Neighbours」なんてパンク以降のストーンズのそれだけど、「Slave」は70年代前半の危うさを伴うストーンズっぽいし、「Worried About You」あたりはまた違った年代の彼らをイメージさせる。しかも、レコーディング環境もまちまちということで、本来ならサウンドの質感や録音状況もバラバラだったはずなのに、名手ボブ・クリアマウンテンの手により統一感を得ることに成功。結果として、現在まで安心して楽しめているわけです。

バカ売れした作品ということで代表作のひとつと数えられることも多い1枚ですが、不思議と印象が弱い作品であるのもまた事実。オープニングの「Start Me Up」の印象がめちゃめちゃ強いくらいで、ほかの曲は可もなく不可もなくといったところ。もちろんそれは悪いという意味ではなく、ストーンズのアルバムとしては平均的な内容ということを指しているのですが。

印象的には地味な『EMOTIONAL RESCUE』ですけど、個性という点においては本作よりも1枚上手。しかも本作の次が『UNDERCOVER』(1983年)ですから、『TATTOO YOU』はどうしても“普通”という評価を下さねばならなくなる。めっちゃ売れたのに、そういう不遇を持つ1枚かもしれませんね。

 


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