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2019年4月 8日 (月)

PEARL JAM『BINAURAL』(2000)

2000年5月発売の、PEARL JAM通算6作目のスタジオアルバム。前作『YIELD』(1998年)同様に全米2位まで上昇するものの、セールスは前作の半分となる50万枚程度止まり。シングルカットされた「Nothing As It Seems」が全米49位のヒットを記録しています。

前作で改めて“PEARL JAMであること”を引き受け、過去のスタイルも今やりたいことも絶妙なバランスで織り込むことに成功した彼らですが、その後ジャンク・アイアンズ(Dr)が健康上の理由で脱退。サポートで参加していたマット・キャメロン(当時、元SOUNDGARDEN)がそのまま正式メンバーとしてバンドに加わり、本作からレコーディングに参加することになります。

本作ではそれまでタッグを組んできたブレンダン・オブライエンから、新たにチャド・ブレイクを共同プロデューサーに起用。ブレンダンもミキシングのみ参加し、最強の布陣で制作に臨むことになりました。

実際、オープニング「Breakerfall」からヒットシングル「Nothing As It Seems」、穏やかな「Thin Air」までの6曲流れは最強の一言で、ぶっちゃけ1stアルバム『TEN』(1991年)以降ではもっともスムーズで気持ち良い構成なんじゃないかと思います。要するに、我々がイメージする“PEARL JAMらしさ”が現代的にアップデートされつつも納得できる形で体現できている、と。デビュー10周年を目前に、バンドはまだまだ成長を続けている、だけど一周回ろうとしている。そんな現実が見事に表現された流れだと思いのです。

もちろんそれ以降の流れも文句なしで、大陸的なノリを持つ「Insignificance」やどこか新しさを感じさせるモダンな「Of The Girl」、ドラムのフレーズが気持ち良い「Grievance」、なんとなくアンビエントっぽさも伝わる「Sleight Of Hand」、最後の最後に奇妙なシークレットトラック(これ、アルバムタイトルにちなんだバイノーラルサウンドが表現されているってことなんでしょうか。実際バイノーラル収録されたのは「Of The Gril」「Rival」「Sleight Of Hand」「Soon Forget」の4曲)を含む「Parting Ways」など個性的で“らしい”楽曲が満載。『YIELD』を気に入ったリスナーなら、間違いなく楽しめる1枚かと思います。

ただ、前半の完璧な流れ、楽曲の完成度の高さと比べると、後半は若干ムラがあるのは否めません。捨て曲とまでは言わないまでも、インパクトは弱いかな?と感じる楽曲もいくつかあり、そういう意味ではアルバム全体としての完成度は『YIELD』から少しだけ劣る。だからなのか、当時そんなに聴き込んだ記憶が薄いんですよね。今聴いても悪くないんだけど、だからといって傑作かと問われると正直微妙と答えてしまう。そんなどっちつかずの作品じゃないでしょうか。

迷いとまでは言わないけど、新たなドラマーを迎えデビュー10周年を目前に再び過渡期に突入した……前作でも覚悟からさらなる一歩を踏み出すための準備期間、のような1枚なのかもしれません。

 


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