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2019年4月12日 (金)

GHOST『MELIORA』(2015)

2015年8月に海外でリリースされた、GHOSTの3rdアルバム(日本盤未発売)。本作はスウェーデン本国ではもちろん1位、さらに全米8位、全英23位という好成績を残しており、スウェーデンのバンドとしてはEUROPEの大出世作『THE FINAL COUNTDOWN』(1986年)以来、約30年ぶりの快挙を達成しています。

大ヒットを記録する次作『PREQUELLE』(2018年)の片鱗はすでにこの時点で表出しており、歌メロのポップさ、キャッチーさは次作にも匹敵するものがあります。ただ、『PREQUELLE』での(良い意味での)アメリカナイズとは異なり、本作にはヨーロッパのバンド特有の陰りや湿り気が至る所に散りばめられており、コーラスの重ね方などに70年代のサイケデリックロックやプログレッシヴロックにも通ずる緻密さが感じられます。

オープニングの「Spirit」から数珠つなぎで流れるような構成は、どこかコンセプトアルバムのようでもあるしホラー映画やサスペンス映画のサウンドトラックのようでもある。そんなドラマチックな序盤から叙情的な「He Is」で空気が冷え切ったところでヘヴィな「Mummy Dust」を急にお見舞いされると、まるで不意打ちを食らったかのようなショックを受けるはず。しかも曲中にさりげなく挿入される、不穏さを表現するピアノフレーズ。単にヘヴィなだけでは終わらせないこのダークさ、クセになるくらいたまらんです。

全体を通して聴くと1stアルバム『OPUS EPONYMOUS』(2010年)のヘヴィさ、アグレッシヴさと2ndアルバム『INFESTISSUMAM』(2013年)の叙情性の良いとこ取りといったところで、バランス感は過去3作中で随一。アングラ臭もだいぶ薄まり、キャッチーさが強まったことでかなりメジャー感が増したのではないでしょうか。

とはいえ、そのヴィジュアル含めまだまだカルト的な域は脱していないのかな。まあそこが良かったんだけど。

いわゆるヘヴィメタルというよりは、ダークなハードロックという表現がぴったりな1枚。最新作『PREQUELLE』でGHOSTにハマったというリスナーが次に手に取るにはうってつけの作品だと思います。ここから1stに進むか、それとも順を追って2ndにたどり着くかは、このアルバムを聴いて判断してもらえばいいかな。それくらい、GHOSTというバンド(アーティスト)における“真ん中”にある1枚だと思うので。個人的にはこのアルバム、『PREQUELLE』と双璧の完成度だと思っています。

なお、本作は2016年に発売されたEP『POPESTAR』と合体させた2枚組デラックス盤も出回っており、配信だとこのデラックス盤がメインになっています。ライブには欠かせない名曲「Square Hammer」が含まれているので、これから聴こうという人はこのデラックス盤がオススメです。

 


▼GHOST『MELIORA』
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