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2019年4月13日 (土)

HALESTORM『INTO THE WILD LIFE』(2015)

2015年4月にリリースされた、HALESTORM通算3作目のスタジオアルバム。前作『THE STRANGE CASE OF...』(2012年)が全米15位という好成績を残しましたが、今作はそれを上回る全米8位を記録。ロックファンがいかにこのバンドの新作を待ち望んでいたかが伺える結果だと思います。

前作は「ヘヴィさ」「スピード感」「キャッチーさ」の3要素のバランスが絶妙で、「こりゃ売れるわ!」って1回聴けばすぐに理解できる即効性の強い内容でした。が、今作はバンドとしての地力とリジー・ヘイル(Vo, G)のボーカリストとしての個性/魅力を最大限に引き出すために、3要素のうちの「ヘヴィさ」を強調した作風へとシフトしています。

オープニングを飾る重々しい「Scream」からして、前作での軽快な序盤のノリとは異なるもの。だって、前作は「Love Bites (So Do I)」「Mz. Hyde」「I Miss The Misery」という鉄壁の3曲でしたからね。それに対して、本作では「Scream」から組曲のようにミドルヘヴィ「I Am The Fire」へと続き、その後も「Sick Individual」「Amen」とミドルナンバーが続く。ここまで変化がない一本調子な構成、ぶっちゃけ挑戦しすぎでしょ? 最初に聴いたときは正直、「これ、好きになれるかなあ。リピートする気になれるかなぁ」と不安を感じたことを今でも覚えています。

その後は「Dear Daughter」のような渋めのピアノバラード、レイドバックしたミディアムナンバー「New Modern Love」とやっぱり“アガる”ことはないのですが、後半折り返しに入ったところでヘヴィながらもアッパーさ加わった「Mayhem」で少し色が変わる。再びバラード調の「Bad Girl's World」でトーンダウンするも、11曲目「Apocalyptic」のダイナミックな演奏、ラストを飾るシンプルなロックンロール「I Like It Heavy」(ソウルフルなエンディングも最高なこと!)などで少し変化をつけてくれるので、なんとか最後まで乗り切ることができました。

こう書くと非常にネガティブな印象を与えるかもしれませんが、どの曲も非常にカッコいいし、リジーのシンガーとしての魅力が100%伝わるアレンジに仕上がっていると思います。ただ、それがミディアム〜スローテンポで13曲も続くと、さすがに厳しいかなと。もちろん、これがアメリカの“ノリ”だってことは重々承知しています。が、日本ではこれはさすがに厳しいような気がします。いくらHALESTORMが好きな自分でも、このアルバムを何度もリピートする気にはなれないほどですから……。

しかもこのアルバム、デラックス盤には「Jump The Gun」「Unapologetic」という2曲を加えた56分/15曲構成。ですが、ハネ気味のリズムが気持ち良い前者とソウルフルなメロと節回しが印象的な後者という、本編にはないタイプの楽曲がボーナストラックってどういうことよ?(苦笑) そこまでして本編のトーンを統一させたかったんでしょうかね。戦略とはいえ、これは解せないなあ。この2曲を加えて、10〜12曲程度に絞ったほうがもうちょっとまとまりがよかった気がします。あるいは、1曲くらいアップテンポの楽曲を入れるとか……まあその反省が、次作『VICIOUS』(2018年)に活かされたんでしょうね。

うん、ツウ好みの1枚だと思います。ビギナーは2ndか4thから入って、最後に聴くといいんじゃないかな。それからでも十分に魅力は伝わると思うので(むしろそのほうが伝わりやすいはず)。

 

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