DURAN DURAN『DURAN DURAN (THE WEDDING ALBUM)』(1993)
1993年2月にリリースされた、DURAN DURAN通算7作目のオリジナルアルバム。当時のメンバーはサイモン・ル・ボン(Vo)、ジョン・テイラー(B)、ニック・ローズ(Key)、ウォーレン・ククロロ(G)の4人。80年代後半にオリジナルメンバーのアンディ・テイラー(G)、ロジャー・テイラー(Dr)が相次いで脱退して以降、セールスをどんどん下げていった彼らでしたが、このアルバムからは「Ordinary World」(全米3位/全英6位)、「Come Undone」(全米7位/全英13位)、「Too Much Information」(全米45位/全英35位)というヒットシングルが次々誕生し、アルバム自体も全米7位、全英4位と久しぶりのTOP10入りを記録しました。
前作『LIBERTY』(1990年)で能動的なロックバンド感を強調した彼らでしたが、デジタル感を含む全盛期のそれとは異なるものであったことからバンドとファンとの間に大きな溝が生まれました。まあ、新たにドラマーとギタリストを加えて5人組で再出発!と意気込み過ぎたのも、今となってはよくなかったのかもしれません。
のちにドラマーが脱退し、4人編成になったことでサウンド/アンサンブル的にはバンド色を残しつつも当時のダンスミュージックのカラーを採用。この両刀使いっぷりが功を奏し、ダークな楽曲がシーンを席巻するグランジムーブメントの中でも純粋に楽曲が評価されたわけです。
確かに「Ordinary World」は80年代のDURAN DURANと比べればアクが弱いといいますか、ハードロック以降の“普通に良い曲、良いバラード”でしかありません。が、その普通こそが実は大事だと気づかせてくれたのもこの曲。良い曲を感動的なアレンジで壮大に仕上げることで、当時はまだ主流だったラジオなどで好意的に受け入れられた、と。
また、前作からのロック的側面を残しつつも時代性を反映させた「Too Much Information」、その時代性をハウスなどのダンスミュージック側に寄せた「Drowning Man」や「Come Undone」、“普通に良い曲”を素直に表現した「Breath After Breath」といった曲からは、バンドがこの作品に賭ける強い意気込みが感じられます。
かと思うと「None Of The Above」や「Shelter」のように、サウンドメイキングこそ当時の時代性が反映されているものの軸の部分は80年代のままな楽曲もあるし、バンドのルーツを表現したTHE VELVET UNDERGROUNDのカバー「Femme Fatale」もある。雑食性が以前にも増していますが、こういったジュークボックス的な方向性ってMTVの時代をサバイブした彼ららしいとも言えるのかな。
80年代の彼らの作品と同じような気持ちで接することはないですが、これはこれで“よく出来た”1枚。NIRVANAやPEARL JAMらがシーンのトップに君臨していた時代にこんなアルバムがヒットしたという事実を踏まえつつ触れてほしい、あの時代の空気が伝わってくる良作です。

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