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2019年4月 7日 (日)

SOUNDGARDEN『LOUDER THAN LOVE』(1989)

1989年9月に発売された、SOUNDGARDEN通算2作目のオリジナルアルバム。メジャーのA&M Recordsと契約後最初の作品で、これが日本デビュー作となりました(当時はポニーキャニオンからリリース)。

まだグランジなんて言葉が存在しなかった1989年という時代。シーンはまだまだHR/HMバンドで席巻されていた頃で、彼らもその延長線上で語られることが少なくなかったと記憶しています。レッチリはすでにメジャーデビューしていたし、JANE'S ADDICTIONのようなバンドもメタルとオルタナの間で健闘していたけど、SOUNDGARDENに関してはクリス・コーネル(Vo)のハイトーンボーカルとキム・セイル(G)によるヘヴィなギターリフのせいで「実は“こちら側(=HR/HM側)”のバンドなんじゃないか?」と思わせる節が多かったように思います。

当時高校生だった自分も、『BURRN!』のクロスレビューでこのアルバムの発売を知り購入したクチ。「Full On Kevin's Mon」のようなハードコア寄りアップチューンはあるものの、ミドルテンポ中心の作風はメタル小僧だった自分には若干退屈なものでした(笑)。が、ロバート・プラントを思わせるクリスのボーカルと、実は何気に速弾きっぽいフレーズも飛び出すキムのギター、そしてサイケデリックなテイストが散りばめられたサウンドにはどこか惹かれるものがあったのも事実。また、ベーシストのヒロ・ヤマモトが日本人だったというのも興味をそそられる要素のひとつだったことは、改めて記しておきたいと思います。

今でこそ「Gun」のようにオジー時代のBLACK SABBATHを彷彿とさせるヘヴィナンバーに「おおっ!」と唸ったりするものの、当時はオジーサバスに対してそこまでの感情もなかったし(笑)、むしろリアルタムで『HEADLESS CROSS』のようなエモーショナルな作品が出回っていた時期なのでそこと比較することはありませんでしたが、このアルバムの時点ではそこまでサバスをイメージさせる要素はまだ少ないんですよね。むしろ、その要素が一気に強まるのは次作『BADMOTORFINGER』(1991年)以降なのかなと。グランジとオジーサバスとの共通点が語られるようになるのも、それ以降のことですしね。

そういった意味では、本作は1stアルバム『ULTRAMEGA OK』(1988年)を進化させたスタイルと言ったほうが正しいのかもしれません。LAスタイルのHR/HMとは異なる、アンダーグラウンドのオルタナティヴロック経由のシアトルスタイルHRといいますか。ツェッペリンやサバス、あるいは初期KISSなどの70'sクラシックロックから影響を受けつつも、80年代ニューウェイヴ以降の血が混じった独自の視点で組み立てられたスタイルが、のちのグランジと呼ばれるムーブメントにつながっていった。時代の転換期にSOUNDGARDENがいち早くメジャーデビューしたというのも、そういう意味ではすごく頷けるものがある気がします。

どうしても『BADMOTORFINGER』と『SUPERUNKNOWN』(1994年)のイメージが強いバンドですが、この『LOUDER THAN LOVE』で聴くことができるスタイルも捨てがたい。むしろ、1989年という時代にこの音をメジャーで出していたという事実がものすごいことなんじゃないか?と思うのですが、いかがでしょう(なんてこと、あの時代をリアルタイムで通過した人にしか通じないと思いますが)。

 


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