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2019年4月 5日 (金)

NIRVANA『LIVE AT READING』(2009)

2009年11月に同名の映像作品DVDとともにリリースされた、NIRVANAの秘蔵ライブアルバム。

メジャーデビュー作品『NEVERMIND』(1991年)のバカ売れ後の1992年8月30日、イギリスで開催された『READING FESTIVAL』のヘッドライナーとして出演した際のパフォーマンスを完全収録(DVDのみ/CDは「LoveBuzz」とMCをカット)したファン待望の1枚。これまでブートレッグで死ぬほど世に出回ったこの映像/音源がカートの死後から15年以上、実際のフェス開催から17年を経てようやくキレイでオフィシャルな形で発売されたわけです。

この時期のカート・コバーン(Vo, G)は予想だにしなかった空前のメガヒットを前に、かなり斜に構えたスタンスで観客やメディアの前に姿を現していたタイミング。このレディングでも金髪の長髪ヅラをかぶり車椅子に乗って登場するなど、どこまで本気でどこからが冗談なのか……というオープニングで客を引かせてから、鋭いギターリフの「Breed」からライブをスタートさせます。

聴いてもらえばわかるように、決して演奏的技術がうまいわけでもないし見ストーンも多い。バカ売れした「Smells Like Teen Spirit」なんて誰もがアルバムと同じ音を求めて来ているのに、わざと音を外す。プロとしてはあってはならないし、人によっては「客をバカにしてる!」と憤慨するんでしょうけど、逆にカートとNIRVANAの面々が、1992年という“醒めた”時代にこれをやることに意味があり、だからこそカッコよかったんだよ……と思うわけです。

当時も存分にカッコいいと思っていたし、あれから20年近くを経た今観ても明らかにカッコいい。本当、真似できないカッコよさですよね。ただ、このカッコよさが成立するのって、デイヴ・グロール(Dr)という鉄壁のリズムが存在したからだとも思うわけでして。特にこれには後年になってから、より強く感じるようになりました。改めてこの人のドラミング(リズムキープやフレージング、パワー含め)、非ハードロック的な時代において実はかなりハードロック的なんですよね。そのアンバランスさが、ハードロック耳の自分にもハマったんだろうなと改めて思います。

もちろん、リズムだけじゃなくて曲の良さも大きい。特に『NEVERMIND』の収録曲はパンクとかオルタナを通り越して、ポップスとしての側面もかなり強いし、その前夜であった『BLEACH』(1989年)の楽曲にも存分に片鱗が感じられる。このライブでは翌年秋に正式リリースされる3作目のアルバム『IN UTERO』(1993年)の楽曲も数曲披露されていますが、『NEVERMIND』と『BLEACH』の中間といった印象でいろいろ舐めきっているのもまた良いです。

もう二度と帰ってこないこの時代、この演奏、このバンド。だからこそ、この1枚の存在は非常に大きい。音源としてももちろんですが、ぜひ映像付きで楽しんでもらいたい作品です。

 


▼NIRVANA『LIVE AT READING』
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