SHADOWS FALL『THE WAR WITHIN』(2004)
2004年9月リリースの、SHADOWS FALL通算4作目のスタジオアルバム。本作から「What Drives The Weak」「Inspiration On Demand」が全米メインストリームロックチャートTOP40入りしたことから、アルバム自体も全米20位まで上昇(これが初のTOP200入り)。アメリカだけでも40万枚を超える、キャリア最大のヒット作となりました。
前作『THE ART OF BALANCE』(2002年)の時点でセールス10万枚を突破するほどのパワーを持っていた彼らですが、今作を経て同郷のKILLSWITCH ENGAGEらとともに新たなUSメタルシーンを築き上げていくことになります。
プロデュースは前作から引き続きゼウス(HATEBREED、ロブ・ゾンビ、OVERKILLなど)が担当。サウンド的には90年代後半に登場した北欧メロディックデスメタルの影響下にありつつも、ANTHRAXなどオールドスクールなUSメタルをベースにした非常に正統派に近いメタルサウンドではないでしょうか(だからこそ、ギタリストのジョナサン・ドネイズがのちにANTHRAXに正式加入したのは非常に合点がいくわけです)。
ブライアン・フェア(Vo)のボーカルはスクリームをベースにしつつも、要所要所でクリーントーン(メロディを歌う)を取り入れており、そのへんが初期北欧メロデスとの違いかなと。このへんはKILLSWITCH ENGAGEにも通ずるスタイルですが、こういった“両刀使い”は遡ればPANTERAあたりから見受けられるものですし(もっと言えば初期METALLICAやSLAYERもか)、ルーツをしっかり大切にしつつもメタルを現代的にアップデートしようとする彼らなりのこだわりが見え隠れします。
とはいいつつも、SHADOWS FALLも初期はもっとデスメタル的要素が強かったので、このスタイルは試行錯誤を重ねつつたどり着いたひとつのゴールだったのかもしれませんね。と同時に、本作以降の彼らはこの到達点をどうアップデートさせていくかに苦心し、活動に行き詰まるわけですが。
ですが、初めて「Inspiration On Demand」を聴いたときの驚きは今でもよく覚えています。懐かしさと新しさを兼ね備えた若いバンドが今、アメリカで支持を得ている……それだけで胸がギュッと締め付けられたし、当時リアルタムで活躍しているバンドに興味を失っていた自分が再びシーンに目を向けるきっかけを作ったアルバムのひとつですからね。改めて今聴いても、本当によくできた内容だと思います。
かたや90年代のUSグルーヴメタルをより鋭角化させ、コアとポピュラリティを両立させるLAMB OF GOD。そして、ヨーロッパのシーンを察知しつつも、それを独自の解釈でUSメタル化させたSHADOWS FALLやKILLSWITCH ENGAGE。彼らが2000年代中盤〜後半のUSメタルシーンを支え続けたからこそ今がある。歴史を振り返るという意味でも、本作はマストで聴いておきたい1枚です。
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