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2019年5月31日 (金)

NINE INCH NAILS『PRETTY HATE MACHINE』(1989)

1989年10月にリリースされた、NINE INCH NAILSのデビューアルバム。日本では次作となるEP『BROKEN』(1992年)発売にあわせて、1992年7月に初めて国内盤化されました。

実際、彼らの名前を目にするようになったのって1991年あたりからで、それまでここ日本では一部マニア以外には無名だったような。特に自分のようにメタル中心で聴いていたリスナーがNINの名前を知ることになるのは、間違いなくGUNS N' ROSES経由なんですよね(当時、アクセル・ローズがNINロゴTシャツを着ていたので)。自分もそれで知って、西新宿でアルバムを購入したわけですが……ガンズのガの字も感じられませんでしたけどね!(笑)

『BROKEN』からNINを知ったというリスナーが多いかと思いますが、そこで展開されていたスラッシーなギターとヘヴィなリズムを期待して本作に触れると、ちょっと面食らうかも。というのも、ここで展開されているのは“エレクトリック・ボディ・ミュージック”と呼ばれるダンサブルかつ無機質なビートにディストーションギターを乗せた、ニューウェイヴ寄りのサウンドですから。

「Wish」のようなスラッシュ色の強い楽曲は皆無。アップテンポといっても「Sin」のようにシンセポップのハード化させたようなものが中心なわけですから、そりゃあ『BROKEN』の路線を期待した人にとっては“ちょっと違う”となるでしょう。だけど、本作で初めてNINを知ったリスナーは、彼らと同時期にデビューした日本のバンドSOFT BALLETを思い浮かべたのではないでしょうか。事実、僕も最初に聴いたときは「あれ、これってソフバじゃん」と思ったクチですから。

ダンスミュージックと呼ぶには内向的すぎ、HR/HMと呼ぶには音圧が足りない。だけど、どこか攻撃性を感じさせるそのスタイルは、当時MEGADETH経由で日本のファンに受け入れられたMINISTRYにも通ずるものがあったと思います。

また、時代的にも80年代に登場したダークなエレポップやサンプリング文化中心のヒップホップ、そしてアンダーグラウンドでくすぶっていたインダストリアルロックやオルタナティヴロックが少しずつ後続たちに影響を与え始めたタイミングであり、そういった影響がバランスよくミックスされたのが『PRETTY HATE MACHINE』という傑作だったと捉えることはできないでしょうか。

なお、本作はリリース20周年を記念して2010年にリマスタリング&ボーナストラック(QUEEN「Get Down Make Love」カバー)追加&ジャケット変更で再発されています。今年でリリース30周年、さすがに時代を感じさせる音ですが、せっかくなのでリマスタリングされた音であの時代の空気を感じてみてください。

 


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