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2019年5月 7日 (火)

THE WiLDHEARTS『RENAISSANCE MEN』(2019)

2019年5月に発売されたTHE WiLDHEARTSの7thオリジナルアルバム。当初ファンクラブ限定でリリースされた『FISHING FOR LUCKIES』(1994年)、カバーアルバム『STOP US IF YOU'VE HEARD THIS ONE BEFORE, VOL. 1』(2008年)を含むと、通算9枚目のスタジオアルバムということになります。

前作『¡CHUTZPAH!』(2009年)からほぼ10年ぶりという、奇跡的に実現した今回のリリース。メンバーもジンジャー(Vo, G)、C.J.(G, Vo)、リッチ(Dr)にオリジナルメンバーのダニー(B, Vo)が約16年ぶりに正式復帰(2005年に一度だけライブに参加)という、まさにクラシック・ラインナップと呼ぶにふさわしい編成となっています。ダニーのレコーディング参加はそれこそ2003年以来で、脱退直前のアルバム『THE WiLDHEARTS MUST BE DESTROYED』(2003年)には参加していなかったので、アルバム制作にしっかり携わるとなると『ENDLESS, NAMELESS』(1997年)以来22年ぶり(苦笑)。さらに、このラインナップでのレコーディングとなるとシングル「Caffeine Bomb」(1993年)以来なので26年ぶり……時空が歪みます(笑)。

さて、10年ぶりの新作。全10曲で38分強という濃厚な時間をリリース日から何度にも渡り体感し続けています。これ、最強じゃないでしょうか。90年代の“あの”時代を彷彿とさせつつも、2000年代以降の彼らの挑戦や前作での実験的試みもしっかり血肉になっている。しかもそれらが単なる焼き直しで終わることなく、2019年という時代で戦うことを前提として“新作”として構築されている。痒いところに手が届く、待ちに待った1枚という表現がぴったりなロックンロールアルバムだと断言できます。

音の厚みやゴージャスなサウンドエフェクトは前作『¡CHUTZPAH!』にも通ずるものがありますが、あそこまでデジタル色が強いわけではない。でも、しっかりとモダンなロックバンドの音としてちゃんと成立させることに成功しているし、そこにタフなバンドアレンジと甘美なメロディが乗る。そのメロディもいつになく冴えまくっているし、甘々なのにポップ過ぎないから後味も良い。正直、2000年代前半〜中盤あたりの楽曲は平均点から脱することができない、もしくは高い平均点になかなか達することができない楽曲ばかりでしたが、ここに収録されている楽曲群はその平均以上のものばかりで、ぶっちゃけ2000年代以降の作品の中では最高傑作ではないかと思うのです(次点で前作『¡CHUTZPAH!』かな)。

楽曲自体も非常にハードエッジで前のめりな楽曲が多く、ここ最近のジンジャーの参加作品の中でも一番彼のパブリックイメージに近いものばかり。しかも、パワーポップ的な作風のものもそのサウンドエフェクトのせいでかなりハードに聴こえる。なもんだから、パンキッシュな楽曲と並んでもテンションが落ちることがないし、楽曲のバリエーションはあるはずなのに統一感が強い。そうそう、THE WiLDHEARTSってこういうバンドだったよね!って膝を叩きたくなるぐらい、真っ当なほどにTHE WiLDHERTSしている。こんなアルバムをこのメンツで聴ける日が訪れるなんて、90年代後半には想像もしてなかったよ。

さあ、この最高の1枚を携えて6月末からは待望の来日公演も実現。ここ最近は定期的に来日してくれる彼らですが、新作を携えたライブとなると本当に……10数年ぶり? 今から楽しみでなりません。正直、定番の代表曲は聴き飽きたので(笑)、本作からの楽曲披露を心待ちにしております。今観るべき、いや、今観なければいけない重要なロックバンドの貴重なライブ、僕も万全を期して足を運びたいと思います。

 


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