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2019年5月27日 (月)

KING CRIMSON『RED』(1974)

1974年10月にリリースされた、KING CRIMSONの7thアルバム。ロバート・フリップ(G)、ジョン・ウェットン(Vo, B)、ビル・ブルーフォード(Dr)のトリオ編成を軸に、デヴィッド・クロス(Violin)、メル・コリンズ(Sax)、イアン・マクドナルド(Sax)などをゲストに迎えた、70年代クリムゾンのラスト作となります。

前作『STARLESS AND BIBLE BLACK』(1974年)から約半年という短いスパンで発表された本作ですが、リリース時点ですでに解散を発表済み。バンドの終焉を感じさせるメランコリックな楽曲(「Fallen Angel」「Starless」)も用意されているものの、本作で注目される機会が多いのはタイトルトラック「Red」や「One More Red Nightmare」といったヘヴィな作風の楽曲でした。

特に「Red」は歪みまくったギターサウンドを用いたヘヴィなリフを用いた、重厚感のあるミドルナンバーで、それまでのクリムソンとは一線を画する1曲と言えます。しかも、約6分半におよぶこの曲はボーカルなしのインストゥルメンタルナンバー。ドラマチックとは言い難い不穏な展開を含め、クリムゾンのメタルサイドなんて声もよく耳にします。そしてこの曲、90年代のクリムゾンサウンドの指針になっているはずで、これがなかったらあのダブルトリオ編成で奏でるメタリックなサウンドは生まれなかったのではないか、そう思っております。

また、「One More Red Nightmare」は「Red」にも通ずるヘヴィなリフを用いているものの、ボーカルが入ると急にキャッチーさが増す異色の1曲。プログレだとかメタルだとかカテゴライズが難しいものの、その後のロックに多大な影響を与えたことは間違いありません。

かと思えば、8分にもおよぶインプロビゼーションが繰り広げられる「Providence」という彼ららしい1曲も用意。この曲はライブテイクをそのまま使っているようで、バンドとデヴィッド・クロスのバイオリンとのセッションからはほかのスタジオテイクとは異なる緊張感を味わうことができます。

そして、叙情性の強い歌モノ2曲(「Fallen Angel」「Starless」)のうち、特に「Starless」は初期の「Epitaph」「The Court Of The Crimson King」(ともに1stアルバム『IN THE COURT OF THE CRIMSON KING』収録)にも匹敵する名曲。前半のドラマチックな泣メロと、後半の即興演奏を含む展開という12分にもおよぶ2部構成は、これぞクリムゾンと胸を張って言えるもの。ある種の集大成感も漂っております。

全5曲で約40分。6分以下の楽曲が皆無という“プログレあるある”作品の代表的な1枚ですが、1stアルバム同様に初心者も入っていきやすい内容ではないでしょうか。特に楽器の経験があるリスナーなら、ここで展開されているプレイは存分に楽しめるはず。聴けばこれが45年前のアルバムだなんて、とても信じられないと思いますよ。

ご存知のとおり、クリムゾンの諸作品はデジタル配信およびストリーミング配信がされておらず、まもなく海外ではサブスクリプションサービスでの配信がスタートするという話もあります。日本ではまだまだ先のようですが、こういった名盤が誰でも手軽に楽しめるようになると、今みたいなカルト的人気とはまた異なる広まり方もするのでは……なんて思うのですが、いかがでしょう。

 


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