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2019年5月11日 (土)

WHITESNAKE『FLESH & BLOOD』(2019)

WHITESNAKE通算12枚目のオリジナルアルバム。スタジオ作品としてはDEEP PURPLEのカバーアルバム『THE PURPLE ALBUM』(2015年)以来となりますが、純粋な新作という意味では『FOREVERMORE』(2011年)から8年も経っているんですね。驚きです。

レコーディングメンバーはデヴィッド・カヴァーデイル(Vo)、レブ・ビーチ(G / WINGER)、ジョエル・ホークストラ(G / ex. NIGHT RANGER)、マイケル・デヴィン(B)、トミー・アルドリッジ(Dr)、ミケーレ・ルッピ(Key)という布陣。ミケーレ以外は『THE PURPLE ALBUM』制作時と同じメンツですが、あれはカバーアルバムですしね。今回は演奏以上にソングライティング面での才能が大いに求められるわけですから……。

『GOOD TO BE BAD』(2008年)と『FOREVERMORE』ではダグ・アルドリッチ(G / THE DEAD DAISIES、BURNING RAIN)がカヴァーデイルの片腕となり楽曲制作を行い、ファンをそれなりに納得させる楽曲群……つまり、大ブレイクした『WHITESNAKE』(1987年)前後の作風を維持しつつ、初期のブルースロック、ソウルフィーリングを散りばめ、モダンなアレンジを施すことに成功しました。さて、今回はどうでしょう?

本作ではレブとジョエルが初めてソングライティングに参加していますが、全体的には『WHITESNAKE』というよりも続く『SLIP OF THE TONGUE』(1989年)ジミー・ペイジとの『COVERDALE・PAGE』(1993年)の頃の空気感に近い印象を受けます。

先行リリースされた「Shut Up & Kiss Me」はドライブ感の強いアップテンポのハードロックチューンでしたが、ブリティッシュというよりはアメリカンな音作り&曲調でした。別にジョエルが参加してるからってわけではないけど、ぶっちゃけNIGHT RANGERがやっても違和感ない楽曲といいますか。悪くはないし、むしろいい曲なんだけど「これをWHITESNAKEが今やる意味とは?」と考え込んでしまいました。

その後先行カットされた「Trouble Is Your Middle Name」も「Hey You (You Make Me Rock)」も、印象としては「Shut Up & Kiss Me」と一緒。悪くはないんだけど、このバンドがこういったタイプの楽曲をやる意味ばかりを考えてしまうという。

で、そんな不安を抱えたままアルバムと向き合ったのですが、やはり印象は最初に抱いたものから変わることはありませんでした。

ハードロックアルバムとしては非常に良質だし、即効性の強い曲が多いと思うんです。ちゃんと『FOREVERMORE』までのカラーを引き継いでいるし、曲によっては確かに80年代初頭〜中盤の香りが感じられるものも少しだけど存在する。でも、そこに乗っかるフラッシーなギターソロ……これ、必要?

そう、これなんですよ。『SLIP OF THE TONGUE』時のスティーヴ・ヴァイ(G)を思い浮かべてしまったのです。あそこまでトリッキーではないけど、それにしても……っていうね。

オープニングナンバー「Good To See You Again」は初期WHITESNAKEファンにも引っかかりがあるであろう良曲ですが、続く「Gonna Be Alright」の不思議な感じ……ああ、これがCOVERDALE・PAGEの“幻の2ndアルバム”に収録される予定だった楽曲なのか。ってアウトテイクじゃん(苦笑)。

「Always & Forever」の突き抜けるような能天気さ、「When I Think Of You (Color Me Blue)」のアクのなさは本当に『SLIP OF THE TONGUE』のそれだし、タイトルトラック「Flesh & Blood」もDAMN YANKEESあたりにやらせたいミドルナンバーだし(笑)。

「Crying In The Rain」を彷彿とさせる「Heart Of Stone」は歌メロが弱いし、「Get Up」はもっと泥臭くできなかったのかなと不満が込み上げてくるし。だけど、アコースティックナンバー「After All」は非常に良いと思うんです。結局、こういう肩の力が抜けた楽曲で一番本領発揮するというね、悲しいかな。

で、本編ラストの「Sands Of Time」も『SLIP OF THE TONGUE』的だし……嗚呼。

いや、『SLIP OF THE TONGUE』はそこまで嫌いじゃないですよ。むしろ好きな部類のアルバム。だけど、従来のファンは今これを求めているわけではないし、むしろあれを2019年に焼き直す意味がわからない。リリース30周年だから? え、そんな理由!?

冗談はさておき。やっぱりここ10年くらいのWHITESNAKEの楽曲は、どうもシンセの主張が強すぎて「う〜ん……」と感じてしまうものが多いんですよね。全部が全部必要かな? と思ってしまう。半分くらいシンセなしでもまったく通用すると思うんだけどな。あるいはオルガン主体にするとか。

あ〜〜〜〜っ、なんかモヤモヤする!(苦笑) 無駄に曲が良いから思いっきり貶せないんだよ!(苦笑)

……と、通常の倍以上かけて本作についてああだこうだと述べてみましたが、最終的にはこれを読んだあなたの耳で感じたものがすべてだと思います。ただ、僕は全面的には受け入れられなかった。それだけのことです。

 


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