RAMMSTEIN『(untitled)』(2019)
2019年5月17日に世界同時リリースされた、RAMMSTEINの7thアルバム。便宜上『RAMMSTEIN』(全大文字で表記)と明記されていますが、実はタイトルなし。LED ZEPPELINの4作目やKORNの8枚目と一緒ですね。
オリジナルアルバムとしては前作『LIEBE IST FÜR ALLE DA』(2009年)から10年ぶりの新作。仕事柄、いち早く本作を聴く機会を得たのですが、まあ最初に聴いたときはビックリしましたよ。きっと、皆さんと同じ感想だったと思います。
先行シングル「Deutschland」や「Radio」ですでに気づいていた事実ですが、とにかく本作に収録された楽曲群は聴きやすいの一言。従来の彼ららしさを残しつつもわかりやすさが一気に増し、非常にコンパクトでモダンな楽曲が多い印象を受けました。
わかりやすさは「Radio」「Zeig dich」といった楽曲に顕著で、ストレートな「Ausländer」やシャッフルビートのスタジアムロック風「Sex」など、ある意味では彼ららしいんだけど今までとちょっと違う……そんなアップデート感が伝わってきます。
実際、インタビューでもメンバーは「生命だったりエネルギーだったりがたくさんあるんだ。でも、すべてが怒りというわけではない。音楽はそれを超えるものだからね。RAMMSTEINにとってこれまでとは違うんだ。聴くのが楽しいなんて言ってもらえるかもしれないね」と、これまでの作品とはまったく異なるアプローチを取ったと語っています。
とにかくノリの良い前半から一転、後半となる6曲目「Puppe」からテイストが変わっていきます。力強いビートはそのままに、エモーショナルさが増していくんですね。この曲や、続く「Was ich liebe」でのドラマチックさ、クラシックギターとストリングスのみで表現される「Diamant」のエモ味は鳥肌モノ。この3曲の流れは本作のハイライトと断言できます。
かと思えば、従来のRAMMSTEINを彷彿とさせる「Tattoo」のような楽曲もあるし、ラストはホラーテイストのミドルヘヴィ「Hallomann」で締めくくり。全11曲で46分強というトータルランニング含め、とにかくスルッと楽しめる1枚に仕上がっています。
正直、彼ららしい猟奇性、変態性はこの音からは伝わりにくいし、むしろど真ん中を突いてくるようなキャッチーさ、ポップさ、ドラマチックさは今まで彼らを敬遠してきた層にもリーチするのではないでしょうか。そういう意味では、これからRAMMSTEINを聴いてみようというビギナーにうってつけの1枚。いやはや、10年ぶりの新作でここまでやりきるとは、恐れ入りました!
▼RAMMSTEIN『(untitled)』
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