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2019年5月 5日 (日)

GUN『SWAGGER』(1994)

スコットランドのグラスゴー出身4人組バンド、GUNが1994年7月(日本では9月)にリリースした3rdアルバム。もともとは5人組編成で、A&M Recordsから『TAKING ON THE WORLD』(1989年)メジャーデビューを果たした彼らでしたが、2ndアルバム『GALLUS』(1992年)発表後にギタリストの1人が脱退し、ドラマーも交代。このアルバムから4人組バンドとして再出発しました。

プロデュースを手がけたのはクリス・シェルドン(THERAPY?THE ALMIGHTYTERRORVISIONFEEDERなど)。レーベル的にはTHERAPY?の『TROUBLEGUM』(1994年)を担当した経緯もあって、この組み合わせになったんでしょうかね。でも、すごくピッタリだと思います、ここで表現されている音に。

本作からはリードシングルとして、ファンクグループCAMEOが80年代半ばにヒットさせた「Word Up!」のカバーがヒット(全英8位)。アルバムもキャリア最高の全英5位まで上昇し、バンドにとっても代表作と言える1枚となりました。

「Word Up!」やオープニングトラック「Stand In Line」を聴けばなんとなく気づくと思いますが、ここで展開されているサウンドはハードロックをベースにファンクやヒップホップなど“跳ねた”ビートを取り入れたミクスチャーロック的なもの。時代的にレッチリの大ヒットなどもあって、こういう方向にシフトしていくハードロックバンドは当時少なくなかったと記憶していますが、そんな中で彼らはここでようやく“らしさ”や独特の個性を手に入れ、自信を得たのかもしれません(といってもこのバンドの場合、その後も作品ごとにサウンド的な変遷を繰り返すことになるのですが)。

もちろん、前作までにあったストレートなビートに湿り気のある英国らしいメロディが乗った「Don't Say It's Over」(全英19位)や、トラディショナルな空気感を持つ「The Only One」(同29位)のような楽曲も健在。かと思えば、どストレートにラップメタルにトライした「Something Worthwhile」やグルーヴィーながらもポップさが保たれた「Seems Like I'm Losing You」のような楽曲も含まれていて、微笑ましいといいますか。うん、この不器用さ、嫌いじゃないです。

好きなことを全部やっているだけという点においては、決して器用なバンドとは言えないかもしれません。が、それらが1枚のアルバムに並んだときにちぐはぐさを生み出すことなく自然と統一感を生み出している。これこそが先に記した“らしさ”や独特の個性なんじゃないでしょうか。

ミクスチャーロックと言い切ってしまうにはわかりやすいし、HR/HMの枠で括ろうとすると散漫すぎる。1994年というあの時代の空気感がそのままパッケージされた本作は、実は当時を語る上で欠かせない良作ではないかと思っています。

 


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