L.A. GUNS『THE DEVIL YOU KNOW』(2019)
2019年3月発売の、L.A. GUNS通算12作目のオリジナルアルバム。前作『THE MISSING PEACE』(2017年)から1年半という最近としてはかなり短いスパンで届けられた本作は、バンドの今の勢いがそのままパッケージされた力作に仕上がっています。
前作でフィリップ・ルイス(Vo)&トレイシー・ガンズ(G)という往年のフロントが復活。初期3作を思わせる楽曲群を現代的なタッチでアレンジした作風は、比較的好意的に受け入れられたのではないかと思います。また、同作リリース前後には『LOUD PARK』での来日も実現し、その健在ぶりをアピールしたことも記憶に新しいのではないでしょうか。
その後、初期L.A. GUNSを彷彿とさせるルックスのマイケル・グラント(G)が脱退。新たにミッチ・デイヴィスを迎えてバンドを立て直しつつ、この新作の制作に臨みました。
プロデュースは前作同様トレイシーが担当。ソングライティングのクレジットにはメンバー5人の名前が並び、ボーカル・プロダクションにミッチ・デイヴィス、アディショナル・プロダクション&エンジニアリングにシェーン・フィッツギボン(Dr)の名前を見つけることができるなど、こういった面からもいろんな意味で“バンド”感が増している印象を受けました。
さて、気になるサウンドですが、楽曲的には基本的には前作の延長線上にあるものの、質感としては前作にも増して1stアルバム『L.A. GUNS』(1988年)の頃の“危うさ”や“いかがわしさ”が復調しているように感じました。
アップテンポの楽曲よりもミドルテンポ中心のハード&ヘヴィ路線は2ndアルバム『COCKED & LOADED』(1989年)のそれを思い浮かべますが、あの頃と違うのは良い意味で“整理されていない”感をコントロールしていること。サウンドやアレンジ含め、適度なラフさが散りばめられており、とても30年選手とは思えないほどエネルギッシュな躍動感が伝わってくる。オープニングを飾るファストチューン「Rage」はもちろんのこと、ミドルヘヴィの「The Devil You Know」やシンプルなロックンロール「Needle To The Bone」「Don't Need to Win」といった楽曲にもフレッシュさが感じられるのですから不思議なものです。
あと、本作はバラードらしいバラードが終盤の「Another Season In Hell」のみで抑えられているのも良いんじゃないかな。別にバラードが少なければ良いという意味ではなく、それこそ初期2作はそこで戦っていなかったわけだし、そういった意味でも1周回って復調した感がより伝わってくるし。実は「Another Season In Hell」のあとにボーナストラックとして「Boom」も収録されているのですが、個人的にはここまで聴いて完結する作品かなと思っています。この曲もボートラには勿体ないぐらい、初期の“らしさ”を体現していますしね。
まあ、あれです。早く単独で日本に来なさいよと。前作の楽曲も数曲しかライブで体験できなかったですし、この新作からの楽曲と初期の楽曲を織り交ぜたセットリストに期待したいところです。
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