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2019年6月16日 (日)

CINDERELLA『STILL CLIMBING』(1994)

1994年11月にリリースされた、CINDERELLAの4作目にして最後のオリジナルアルバム。バンドはこのアルバム以降、活動を休止させたり再開させたりを繰り返しますが、結局新作が制作されることはなく2017年にその活動に終止符を打つことになります。

前作『HEARTBREAK STATION』(1990年)は湾岸戦争が発端となるワールドツアーの縮小、および以降の不況やHR/HMシーンの衰退なども要因となり、過去2作ほどの成功を収めることはできませんでした(それでも100万枚を超えるヒットとなりましたが)。また、音楽性的にも過去2作のハードロック色が後退し、よりブルージーでアーシーなサウンドへとシフト。その後のグランジ・ムーブメント勃発などもあり、この方向転換はうまく機能しませんでした。

1992年には映画『ウェインズ・ワールド』のサウンドトラックに新曲「Hot & Bothered」を提供。『HEARTBREAK STATION』の延長線上にある楽曲でしたが、バンドはこれを起点に4thアルバム制作へと着手し始めます。しかし、レコード会社からなかなかゴーサインが降りず、悶々とした日々が続きます。その結果、フレッド・コウリー(Dr)が脱退し、スティーヴン・パーシー(Vo/RATT)が結成したARCADEに加入。CINDERELLAはセッションドラマーとしてケニー・アロノフを迎えてスタジオすることとなりました。

聴いてもらえばわかるように、サウンド的には2ndアルバム『LONG COLD WINTER』(1988年)と前作『HEARTBREAK STATION』の中間といったところでしょうか。いや、若干『LONG COLD WINTER』でのタフでハードな色合いが強まっている気もします。それは勢いに満ちたオープニング曲「Bad Attitude Shuffle」を聴けばご理解いただけるかと。

この曲といい、続く「All Comes Down」や「Talk Is Cheap」といい、とにかく「そうそう、こういうCINDERELLAを待ってたのよ!」というハードな曲が満載。かと思えば、地声とハイトーンを駆使したバラード「Hard To Find The Words」もあるし、大音量で楽しみたいファストチューン「Freewheelin」もある。ピアノバラード「Through The Rain」やダークなブルースロック「Still Climbing」「The Road's Still Long」だってある。1作目『NIGHT SONGS』(1986年)でのメタリックな色もあれば、ブルースベースのハードロックを基盤にした『LONG COLD WINTER』の色も、レイドバックしたルーツロック路線の『HEARTBREAK STATION』色も存在する。そういった意味では、本作はCINDERELLAの集大成的作品と言えるのではないでしょうか。

時代も災いして、本作は全米178位とまったくヒットにはつながりませんでした。つい最近まで廃盤状態でしたし、配信すらされていませんでした。しかし、作品の完成度としては初期の傑作にも匹敵するバランスの1枚だと思っています。ストリーミングサービスでもようやく聴けるようになりましたので、ぜひこの機会に本作の放つ熱量に触れてみてください。

 


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