ANNISOKAY『ARMS』(2018)
ドイツのスクリーモ・バンドANNISOKAYが2018年8月(日本では同年9月)に発表した、通算4作目のオリジナルアルバム。
本作制作時のメンバーはデイヴ・グランウォルド(Unclean Vo)、クリストフ・ヴォチョレク(Clean Vo, G)、ノーベート・カヨ(B)、フィリップ・クレッチマー(G)、ニコ・ヴァーン(Dr)の5人。このアルバムをリリースしたあとにリードギターのフィリップが脱退し、現在は4人で活動を続けているようです。
マイケル・ジャクソンのヒット曲「Smooth Criminal」のワンフレーズからヒントを得たバンド名が印象的な彼ら。スクリーモやポストハードコア、ジェントにエレクトロテイストをミックスしたエレクトロニコアサウンドの上でスクリーム&クリーンの2人のボーカルが絡み合うことで、非常に独創的なサウンドを作り上げています。
ドイツでエレクトロニコアというとESKIMO CALLBOYの名前を真っ先に思う浮かべるかもしれませんが、ANNISOKAYのサウンドはそれとも異なる個性を放っています。
“歌える”ハイトーンシンガーがいるという点も大きいですが、そこにスクリームが重なることで(交互に歌うのではなく、クロスするところがカッコいい)絶妙な“エモさ”を醸し出す。さらに適度なエレクトロニクス色が加わったヘヴィサウンドとミックスされることで、2000年代前半のニューメタルにも似た世界観が添加される。そんな懐かしさもありつつ、リズムが“跳ねて”いない……つまり、ヒップホップ以降のニューメタルとは異なる観点で表現されているからこそ、メロから生まれるエモさに懐かしさを覚えるものの、全体的にはモダンな香りがする。
しかも、そのエモさにはどこかゴシックの香りもするんですよね。そのへんはEVANESCENSEにも共通するものがある気がします。だけど、7弦ギターによる低音を強調したリフワークやリズムの組み立て方は完全に2010年代のそれ。昨今のヘヴィロックリスナーのみならず往年のメタルコア、ラウドロックリスナーまでもを巻き込む、このバランス感こそが、本作の魅力なんじゃないでしょうか。
ちなみに彼ら、この3月にはBRING ME THE HORIZONのカバー曲「Nihilist Blues」を配信リリース。序盤こそ「完コピじゃん!(笑)」と微笑ましさを見せつつも、後半に進むにつれて彼ららしさが加わっていくので、こちらも必聴です。
▼ANNISOKAY『ARMS』
(amazon:日本盤CD / 日本スペシャルプライス盤CD / 海外盤CD / MP3)
« MY CHEMICAL ROMANCE『THE BLACK PARADE』(2006) | トップページ | 2019年6月のお仕事 »
「2018年の作品」カテゴリの記事
- MÅNESKIN『IL BALLO DELLA VITA』(2018)(2022.08.09)
- COHEED AND CAMBRIA『VAXIS I: THE UNHEAVENLY CREATURES』(2018)(2022.06.27)
- GINGER WILDHEART『THE PESSIMIST’S COMPANION』(2018/2022)(2022.05.06)
- OBSCURA『DILUVIUM』(2018)(2021.10.14)
- DEE SNIDER『FOR THE LOVE OF METAL』(2018)(2021.08.02)
「Annisokay」カテゴリの記事
- CALIBAN『DYSTOPIA』(2022)(2022.04.26)
- ANNISOKAY『AURORA』(2021)(2021.02.10)
- ANNISOKAY『ARMS』(2018)(2019.06.30)