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2019年6月11日 (火)

ANGRA『ANGELS CRY』(1993)

ブラジル出身のヘヴィメタルバンド、ANGRAが1993年11月にリリースしたデビューアルバム。

ANGRAはVIPERを脱退したアンドレ・マトス(Vo)が、ラファエル・ビッテンコート(G)と1991年に結成。のちにキコ・ルーレイロ(G/現MEGADETH)、ルイス・マリウッティ(B)、マルコ・アントゥネス(Dr)を迎えバンドとしてスタイルを確立させていきます。

聴いてもらえばわかるように、彼らはブラジルのバンドながらもジャーマンメタル的な“クサメタル”を地でいくスタイルで、そこにアンドレがVIPER時代から得意としていたクラシックの影響が散りばめられた、いかにも日本人が好きそうな楽曲がずらりと並ぶわけです。

90年代前半はちょうどここ日本で、HELLOWEENをはじめとするジャーマンメタルがウケていたこともあり、またVIPERの2ndアルバム『THEATRE OF FATE』(1989年)がここ日本でも高く評価されていたこともあり、このアルバムはデビュー作ながらも日本でバカ売れしました。そりゃあイングヴェイがオリコン総合チャートで1位を獲る時代ですもん。今では考えられない、想像できないようなことが起こっていたわけです。

オープニングSE「Unfinished Allegro」はクラシックというよりも、(そのチープさ含め)RPGゲームのBGMっぽさがあって今聴くと「……大丈夫?」と思ってしまいますが、続く名曲「Carry On」で確実にノックアウトされるはずなのでご心配なく(笑)。

「Carry On」ばかりが取り上げられる機会の多いアルバムではありますが、もちろんそのほかにも名曲三昧。タイトルトラック「Angels Cry」はクサメタル/クラシック/プログレメタルの要素をミックスした大作ですし、ドラマチックな盛り上がりを見せるメタルバラード「Stand Away」やカイ・ハンセン(G)&ディレク・シュレヒター(G)のGAMMA RAY組がソロ弾きまくりな約8分の大作「Never Understand」、「嵐が丘」の邦題でおなじみのケイト・ブッシュの代表曲「Wuthering Hights」の名カバー、メロディ運びが完全にジャーマンメタルのそれという「Evil Warning」、そしてアルバムラストにふさわしい圧巻の組曲「Lasting Child」……サウンドプロダクション的には多少難があるものの、楽曲自体はどれも出色の完成度ではないでしょうか。90年代前半のHR/HMシーンを語る上で最重要とは言い切れないものがありますが、ここ日本を基準に考えた場合欠かすことのできない1枚であることは間違いありません。うん、名作。

つい先日、アンドレ・マトスが心臓発作で47歳にして亡くなるというニュースが飛び込んできました。アンドレ、自分と同い年だったんだね。全然意識してなかった……同世代、特に同学年のアーティストが若くして亡くなるのはなんともやりきれない気持ちになります。今の僕にできることと言えば、彼が残した作品を忘れずに聴き続けること、そしてこうやってテキストで彼の偉業をまだ知らない人に伝えること。これが誰かのきっかけになって、つながっていくことを願ってやみません。

 


▼ANGRA『ANGELS CRY』
(amazon:日本盤CD / 海外盤CD(2ndアルバムとの2枚組) / MP3

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