SUEDE『DOG MAN STAR』(1994)
1994年10月に発表された、SUEDEの2ndアルバム。
デビューアルバム『SUEDE』(1993年)はブリットポップ前夜のリリースながらも全英1位を獲得し、早くもトップバンドの仲間入りを果たします。と同時に、ブレット・アンダーソン(Vo)のスキャンダラスな発言が一人歩きすることで、音楽面以上にそちら側で話題になることも増え、そういった状況に嫌気がさしたバーナード・バトラー(G)は2ndアルバム完成直前にバンドを脱退。ギターのレコーディングはすでに完了していたこともあり、本作『DOG MAN STAR』はバーナード在籍時最後のスタジオ作品となってしまいました。
アルバムリリースと前後して、オーディションを経て新ギタリストのリチャード・オークスが加入。当時まだ17歳というその年齢に驚かされましたが、個人的には「バーナードのいないSUEDEなんて……」という思いが強く、この時期の彼らに対しては消極的だったことをよく覚えています。
しかし、それと作品の完成度は別の話。1stアルバムも確かに素晴らしい内容ですが、現在までにおいてSUEDEというバンドのなんたるかが的確に表現されているのが実はこの2ndアルバムではないかと信じています。それくらい寸分の隙もない、徹底した完成度の1枚なのです。
いわゆるギターロック然としたイメージの強かった前作と比べると、本作はその要素も残しつつ(「Heroin」「New Generation」など)、よりダークでディープな方向へと突き進んでいます。どこか黒魔術を思わせる不気味なオープニングトラック「Introduction The Band」や、重量級のロッカバラード「This Hollywood Life」なんて、前作では考えられなかった方向性でしょう。ブラスセクションをフィーチャーした「We Are The Pigs」もまた然り。
ですが、本作最大の聴きどころ(山場)は多数用意されたスローナンバー、これなのですよ。前半だったら超名曲の「The Wild Ones」や「The Power」といったドラマチックでセンチメンタルな楽曲群は、グラムロック期のデヴィッド・ボウイと完全に重なるし、後半のクライマックスとなる「The 2 Of Us」から「Still Life」までの4曲の流れは本当に壮絶なものがあるし、中でも9分半にもわたる「The Asphalt World」のアレンジ(およびバーナードのギタープレイ)・構成は圧巻の一言です。この後半のためだけに本作を購入しても決して損しないと言い切れるほど、名作中の名作なのです。
ここで初期のスタイルを完璧な形で完結させてしまったSUEDE。ギタリストの交代ということもあり、この後の方向性を模索することになるのは仕方ないわけですが、にも関わらず次作『COMING UP』(1996年)で新たな最盛期を築き上げてしまうのですから、本当にこの時期の彼らは神がかっていたわけです。
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