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2019年6月 8日 (土)

DAVID BOWIE『DAVID BOWIE (SPACE ODDITY)』(1969)

1969年11月にリリースされたデヴィッド・ボウイ通算2作目のオリジナルアルバム。本作、僕ら世代は髪がツンツンに立ったボウイの顔を捉えたジャケットに『SPACE ODDITY』というタイトルが付けられた1枚として馴染んできましたが、実は本来のタイトルは『DAVID BOWIE』と非常にシンプルなもの。ジャケットもカーリーヘアのボウイを収めたものでした。実は僕らが知る『SPACE ODDITY』というアルバムタイトル&ジャケットは1972年の再発時から続いていたもので、現在は本来のジャケット&ジャケットに戻っています。

この時期はグラムロック期前夜で、ボブ・ディランからの影響濃厚のフォーキーなスタイル。アコギを軸にしたアンサンブルは、時にフルートなどを用いることでのちのスタイルに通ずる耽美さを醸し出しています。

そんな中、オープニングを飾るヒットシングル「Space Oddity」(全英5位/1972年に全米15位、1975年には全英1位)ではサイケデリック/アシッド感満載のフォークロックに仕上げられています。まさに歌詞にある宇宙空間にひとり取り残された男のように、異空間での浮遊感と不安感が同時に押し寄せてくるこのアレンジ&サウンドは決してハッピーなものではないものの、何度も聴きたくなるようなフックがたくさん用意されたスルメものの1曲です。

また、「Wild Eyed Boy From Freecloud」はグラムロック期にもメドレー内で披露されており、耽美かつドラマチックなアレンジのスローナンバーはグラム期のそれともまた異なる(しかし、ボウイのそれとわかる)魅力を堪能することができるはずです。

「Letter To Hermione」や「An Occasional Dram」「God Knows I'm Good」などの内向的なフォークナンバーからは、ディランのみならずサイモン&ガーファンクルあたりからの影響も見え隠れする穏やかなノリで、ボウイの歌い方も時に力みゼロの脱力感で、また時に悲壮感漂うほど悲しげなもので、のちの彼から感じる爬虫類的(というか異星人のよう)な独特感は皆無。これもまたボウイなわけです。

個人的なクライマックスは、アナログ各面のエンディングを飾る「Cygnet Committee」と「Memory Of A Free Festival」の2曲。ともに9分半、7分強という大作ですが、すでに本作以降に展開されていくボウイ独自のスタイルが完成しているんじゃないか、と思わせるほどの内容なのです。歌詞のテーマ的にも個と社会という対比が感じられますし、次作『THE MAN WHO SOLD THE WORLD』(1970年)以降の活動を考える上でも重要な2曲ではないかと思います。

ボウイビギナーが最初に聴くべき1枚ではないものの、初期の『THE MAN WHO SOLD THE WORLD』が気に入った人なら確実に引っかかる、地味ながらもスルメな楽曲集ではないかと。最近、この時期の作品をやたらと聴きまくっているのですが、今の自分のモード的に非常にしっくりくるんですよね。

 


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