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2019年7月18日 (木)

DEAFHEAVEN『SUNBATHER』(2013)

2013年6月にリリースされたDEAFHEAVENの2ndアルバム。

1stアルバム『ROADS TO JUDAH』(2011年)発表後、ライブイベント『leave them all behind』(2012年11月)で初来日を果たし一気に評価を高めることに。その直後に今作が発売されたこともあり、当時かなり注目を集めた記憶しています。実際、僕も来日公演には間に合わなかったものの来日公演の噂を耳にし、この『SUNBATHER』で初めて彼らの音に触れました。

ブラックメタルとシューゲイザーのハイブリッド型=ブラックゲイズ・サウンドを主軸とした彼らのスタイルは、前作でこそまだ完成形には到達していなかったものの、続く本作でついに独自性を確立させたと言ってもいいでしょう。それくらい、その後の作品でも展開される“DEAFHEAVENらしさ”が随所から感じられる完成度の高い1枚に仕上がっています。

ブラックメタルというと、いわゆる北欧のいざこざや悪魔主義をイメージするかと思いますが、DEAFHEAVENが展開するポスト・ブラックメタル・サウンドはそういった主義や思想を排除した、あくまで音楽的スタイルのみをベースに独自の形で進化させたもの。ギターの単音トレモロリフやドラムのブラストビートを用いた演奏スタイルに、シューゲイザー的“ウォール・オブ・ディストーション・サウンド”をミックスさせることで従来のブラックメタルとは異なる浮遊感や高揚感を与えてくれる、非常に“気持ち良い”サウンドを提供してくれるのです。

しかも、本作ではブラックメタルにありがちなダーク(“陰”)な方向性は薄まり、アコースティックギターを用いた“陽”/“静”パートを効果的に導入することで、ダイナミックなアンサンブルを楽しむことができます。そのサイケで夢見心地な浮遊感はどこかドリームポップにも通ずるものがあるので、メタルに疎いオルタナリスナーにも十分響くのではないでしょうか。

そもそも、日光浴を意味するアルバムタイトル自体がブラックメタルからは程遠いワードですし、陽炎の中に浮かんでは消える幻のような長尺の楽曲群は、聴いているだけで現実を忘れさせてくれる。プログレッシヴロックのようでまるで異なるそのスタイルは、ある種“MOGWAI以降”のひとつの到達点かのかもしれません。

そういえば、本作の日本盤にはそのMOGWAIのカバー「Punk Rock / Cody」がボーナストラックとして追加収録されています。こちらは2012年にリリースされたBOSSE-DE-NAGEとのスプリットシングルにて初出の音源ですが、当時は確かアナログでしか発表されていなかった貴重なものだったはず。今ではストリーミング配信でも聴くことができます。

 


▼DEAFHEAVEN『SUNBATHER』
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