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2019年7月29日 (月)

DANGER DANGER『DANGER DANGER』(1989)

1989年6月にリリースされた、DANGER DANGERのデビューアルバム。日本では3ヶ月遅れて同年9月にリリースされています。

ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムの5人編成で、プロデューサーがランス・クイン(BON JOVIリタ・フォードなど)、シンセを前面に打ち出したアレンジ……とここまで書けば、ハードロック好きリスナーならどんな音か想像できるでしょう。

リードシングルとして当時MVがヘヴィローテーションされた「Naughty Naughty」、続く「Under The Gun」の2曲を聴けば、わかりやすすぎるほどにBON JOVI(しかも初期)なんです。そう、「(しかも初期)」なんですよ!

この頃のBON JOVIはすでに『NEW JERSEY』(1988年)でさらに一段上の、ヘヴィさとアーシーさを共存させたスタイルで産業ハードロックスタイルから確実に離れつつあったタイミング。ぶっちゃけ、バカ売れした『SLIPPERY WHEN WET』(1986年)を模してブルース・フェアバーンやボブ・ロックあたりにプロデュースをお願いするのならわかりますよ。なのに、ランス・クインって……もう、デビューの時点でB級決定じゃないですか!(笑)

残念ながら、上に挙げた2曲にはA級まで抜けきれないB級感が全体に漂っているし、豪快なアメリカンロック「Saturday Nite」もBON JOVIの1stアルバム(1984年)に入ってそうな“いなたい”感じだし。

かと思うと、ミディアムテンポのハードポップ「Don't Walk Away」やシングルヒット(全米49位)も果たした「Bang Bang」みたいに“限りなくA級に近い”良曲も含まれている。疾走感の強い「Rock America」はどこかJOURNEYっぽいし、「One Step From Paradise」みたいな王道パワーバラードも用意されている。

……あれ、実は優れたアルバムなんじゃね?

そうなんです。B+やA-の曲が混在した「B級っぽさが味わえるA級良盤」なんですよ、これ。洗練度でいったら次作『SCREW IT!』(1991年)のほうが勝るのですが、こういった適度な憂いのある産業ハードロックアルバムという点においては本作のほうが格段と上。どっちのほうが好きか?でかなり分かれるとは思いますが、今の気分でいったら僕は本作かな。

ちなみに本作、名ギタリストのアンディ・ティモンズは2曲(「Saturday Nite」「Boys Will Be Boys」)しか参加しておらず、大半のギターを前任のトニー・ブルーノ・レイが担当しています。そうか、そこもB級感に影響しているのか……なんてね。

 


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