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2019年7月 9日 (火)

DIZZY MIZZ LIZZY『ROTATOR』(1996)

1996年5月にリリースされたDIZZY MIZZ LIZZYの2ndアルバム。

本国デンマークで国民的大ヒットとなったデビューアルバム『DIZZY MIZZ LIZZY』(1994年)は1995年初頭に日本でも発売され、「Glory」などが好意的に受け入れられ高セールスを上げました。

こうした予期せぬ成功により、続く今作では予算を大きくつぎ込むことができ、サウンドプロダクションが大幅に向上。レコーディングもメンバーの要望により、イギリス・Abbey Road Studioなどで実施されています。ビートル・マニアのティム・クリステンセン(Vo, G)、相当うれしかったんじゃないかな。

さて、それだけ大きな成功を収めたあとの2作目。よく“2枚目のアルバムは鬼門”なんて言われますが、DIZZY MIZZY LIZZYには当てはまらなかったようです。デビューアルバムで展開された世界観をよりポリッシュした、ポップで高品質なモダン・ロックがアルバム中に凝縮されています。

“グランジ以降”のシンプルなロック/ハードロックを軸にしながらも、RUSHなどをお手本にしたテクニカルなバンドアンサンブル、ビートルズ的なキャッチーさ、日本人の琴線に触れる“泣き”の要素を絶妙なバランスでミックスしたそのスタイルは本作でも健在。ただ、デビュー作にあった“いびつさ”が完全に消えて、そこが上手に交通整理されたせいで若干引っ掛かりが弱まった印象が無きにしも非ず。

とはいうものの、全体的な完成度は1stアルバムよりも上。1曲1曲の作り込みも尋常じゃないし、ノリの良さも前作以上。オープニングの「Thorn In My Pride」(前年の初来日公演でもひと足先に披露されていました)から勢いよくスタートすると、安定感と妙な不安定さが混在する「Run」、豪快なアップチューン「Rotator」、壮大なバラード「12:07 PM」と序盤から名曲が続きます。

とにかくメロディラインの作り込みがハンパないですよね。先の「12:07 PM」といい、中盤の山場と個人的には思っている「When The River Runs Dry」といい。

あと、なにげにティム・クリステンセンのギタープレイが尋常じゃなくテクニカルなんですよね。「Break」あたりを聴くと、ちょっとヌーノ・ベッテンコート(EXTREME)を思い浮かべるといいますか。リズム隊と息のあったシンコペーションなんかも、EXTREMEを彷彿とさせるし。いや、真似できないって。

「Back-Bone-Beat」終盤のアンサンブルといい、「Take It Or Leave It」オープニングで聴かせる何気ないアルペジオといい、その発想がすべて素晴らしい(後者はどこかKING CRIMSON的ですよね)。1stアルバムへの評価が高すぎて本作はあまりピックアップされる機会がないようですが、いやいや。1stアルバムにも匹敵する1枚だと思います。

本作リリース後、長期ツアーを終えたバンドは1997年に充電期間に突入しますが、そのまま1998年に解散を発表。2010年には正式に再結成を遂げ、ライブを中心にマイペースな活動を展開。2016年に実に20年ぶりとなる3rdアルバム『FORWARD IN REVERSE』をリリースしています。こちらについても、近いうちに紹介したいと思っています。

 


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