« 2019年7月のお仕事 | トップページ | KILLSWITCH ENGAGE『DISARM THE DESCENT』(2013) »

2019年8月 1日 (木)

KORN『TAKE A LOOK IN THE MIRROR』(2003)

2003年11月にリリースされた、KORN通算6作目のオリジナルアルバム。

マイケル・ベインホーン(SOUNDGARNDENRED HOT CHILI PEPPERSオジー・オズボーンなど)をプロデューサーに迎え制作した前作『UNTOUCHABLES』(2002年)で、メロディアスかつプログレッシヴな作風へとシフトして賛否両論を巻き起こしたKORN。同作から1年弱という短期間で、今度は初のセルフプロデュース(ジョナサン・デイヴィスがメイン、フランク・フィリペッティがサポート&ミックス)に乗り出します。

アルバム発売の数ヶ月前には映画『トゥーム・レイダー2』のテーマソングとして、新曲「Did My Time」を提供。リリース当時のレビューにも書きましたが、この曲を聴く限りでは『UNTOUCHABLES』の延長線上にある作風になるのかなと思っていました。

で、実際に届けられたアルバム。オープニング「Right Now」のギターリフを聴いて「お、原点回帰?」と若干期待したものの、確かにヘヴィだけど基本的には前作の延長線上にあるスタイルで間違いないのかなと。確かにボーカルスタイルは若干初期の歌唱法を取り戻しつつありますが、それもアルバム全体においてはスパイスといったほうがいいのかな。やっぱり全体を通して耳に残るのは、ジョナサン・デイヴィス(Vo)の歌唱力・表現力の向上と、その彼が扱うキャッチーなメロディなのですから。

KORNらしい危うさはちゃんと残しつつ、どこか整理された楽曲構成・アレンジに初期の無軌道さを求めるのは、もはや死んだ子の歳を数えるようなもの。バンドとしてどんどん進化していく姿を冷静に受け入れつつ、彼らがどこへ進んで行きたいのか、何をしたいのかを当時は冷静に考えたりしたものです。

あ、「全体を通して耳に残る」のは何もキャッチーな側面だけではありません。そういった楽曲を表現するサウンドのえげつなさは、もしかしたら過去イチかもしれません。低音の鳴りやそれらを生々しい感触でパッケージしたミキシングは、初期2作のそれとは異なるものの非常に現代的で、こりゃあ日本人には真似できないは……と驚いたこともよく覚えています。

今聴き返すと、「結局は1stアルバム『KORN』(1994年)や2ndアルバム『LIFE IS PEACHY』(1996年)の衝動はもはや取り戻せないものの、その表現方法になるべく近づけつつ、セールス的に大成功を収めた3rd『FOLLOW THE LEADER』(1998年)や4th『ISSUES』(1999年)のスタイルをベースに、5th『UNTOUCHABLES』で試みた実験の成果を詰め込む」という最初の10年の集大成だったのかなと。そう考えると、本作を最後にヘッド(G)が脱退したのも、次作『SEE YOU ON THE OTHER SIDE』(2005年)でさらなる変化の時期を迎えたのも納得できるかなと。もちろん、長い歴史を経た今だからこそ言える話ですが。

ちなみに本作、当初の予定よりも前倒しでリリースされたんですよね。というのも、アルバム収録曲がネット上でリークされてしまったので、バンドやレーベル側が慌てて正規品を世に送り出したという。結果、全米チャート初登場19位、最高9位(ミリオンセールス)というこれまでの作品では低調な数字で終了するという不運な1枚となってしまいました。いや、いいアルバムなんだけどね。

 


▼KORN『TAKE A LOOK IN THE MIRROR』
(amazon:日本盤CD / 日本盤CD+DVD / 海外盤CD / 海外盤CD+DVD / MP3

 

« 2019年7月のお仕事 | トップページ | KILLSWITCH ENGAGE『DISARM THE DESCENT』(2013) »

Korn」カテゴリの記事

2003年の作品」カテゴリの記事

2019年8月
        1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

カテゴリー

無料ブログはココログ