BOSTON MANOR『WELCOME TO THE NEIGHBOURHOOD』(2018)
イギリス・ランカシャー出身の5人組バンド、BOSTON MANORが2018年9月にリリースした2ndアルバム。
このバンドについては事前情報は一切持っていなかったのですが、店頭でジャケ写とタイトル(「NEIGHBOURHOOD」のイギリス英語)でピンときて購入を決意。いわゆるジャケ買いですね、久しぶりです。
帰宅後いろいろ調べてみると、ポップパンクやエモ系らしく。ありゃ、ヘヴィ系かと思ったんだけどな。しくったかしら。
しかし、再生してみるとこれがなかなか良くて。どうやら前作からサウンドの方向性が一気に変化したようですね。このアルバムを聴く限りでは、全然ポップパンクに思えませんでしたから。
モダンなデジタル要素を施したそのサウンドプロダクションは、どこかひんやりしていて湿り気が感じられるもの。うん、嫌いじゃない。序盤はミディアムテンポの楽曲で統一されており、この感情の起伏が意図的に抑えられている空気感がたまらなく気持ち良い。
そのダークさは、4曲目「England's Dreaming」から一気に激化。いいじゃないですか、この曲名からして“いかにも”で。そこからアップテンポの「Funeral Party」へと続くのですが、この曲の細かなリズムの刻み方もどこか機械的でクセになる。
そうそう。そういえばこのバンド、曲タイトルのセンスがイカしているんですわ。「Flowers In Your Dustbin」とか「Funeral Party」とか「Digital Ghost」とか。単純っちゃあ単純なんですが、嫌いになれないですね、この感覚。
中盤もエモさが爆発する「Digital Ghost」や叙情的なオープニングからFUNERAL FOR A FRIENDあたりのスクリーモっぽいアレンジへと続く「Tunnel Vision」、アコースティックギターを使った静のパートと動のバンドパートとの対比が気持ち良い「Bad Machine」など、やはりテンポ抑え気味の楽曲が続きます。
後半に入ると、インダストリアル調かと思いきやアップテンポで攻める「If I Can't Have It No One Can」や「Hate You」、聴き手を不安にさせる1分少々のインスト「Fy1」を経て豪快な「Stick Up」、そして叙情的なバラード「The Day That I Ruined Your Life」でアルバムを締めくくります。決して派手ではないけど、じわじわと沁みてくるこの感覚は、普段ラウド系を聴いている耳にも十分耐えうるものだと思いますし、むしろそっち方面やポップパンクが苦手なオルタナ系リスナーにもしっかり通用する内容だと思います。
それと、なんとなく……ボーカルの抑え気味なトーンさえ気にならなければ、前作『Ambitions』(2017年)あたりのONE OK ROCKが好きなリスナーにも響く1枚なんじゃないかなと思いました。それくらい日本人の琴線に触れるメロディラインが詰め込まれているんじゃないかと。試聴もせずにジャケ買いした1枚でしたが、これはかなり当たりでした。
▼BOSTON MANOR『WELCOME TO THE NEIGHBOURHOOD』
(amazon:海外盤CD / MP3)
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