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2019年8月31日 (土)

FEEDER『TALLULAH』(2019)

2019年8月上旬にリリースされた、FEEDER通算10作目のオリジナルアルバム。

新作としては『ALL BRIGHT ELECTRIC』(2016年)以来ほぼ3年ぶりとなるのですが、実は日本未発売のベストアルバム『THE BEST OF FEEDER』のデラックス盤(CD3枚組)には『ARROW』と題された9曲入りアルバムが付属しており、もし同作をオリジナルフルアルバムとカウントするならば、今回の『TALLULAH』は11作目のアルバムということになるのでしょうか。

プロデュースを手がけたのはメンバーのグラント・ニコラス(Vo, G)と、ティム・ローという前作『ALL BRIGHT ELECTRIC』と同じ布陣。しかし、多少実験色の強かった前作とは異なり、今作は「FEEDERとはこういうもの」というイメージをわかりやすく具現化した内容と言えるでしょう。

もちろん、聴き手がFEEDERの“どこ”、あるは“どの時代”を求めるかによって違いは生じることでしょう。ここで言う「FEEDERとはこういうもの」というのは、イギリスでもっともブレイクしていた時期……つまり、2000年代前半の、数々のシングルヒットが生まれた3rdアルバム『ECHO PARK』(2001年)、ドラマーのジョン・リーを失い悲しみと向き合いながら制作された4thアルバム『COMFORT IN SOUND』(2002年)、アルバムとしては自己最高の全英2位を記録した5thアルバム『PUSHING THE SENSES』(2005年)あたりの作風を踏襲したもの。パブリックイメージ的にも、特に後者2作品を「FEEDERらしい」と呼ぶのではないでしょうか。

本作には、そういった「聴けばFEEDERの新曲だとすぐに認識できる」良曲が豊富に用意されています。パンキッシュで疾走感溢れるアップチューン、グルーヴィーでヘヴィなミドルナンバー、そして壮大なアレンジでじっくり歌を聴かせるポップなミディアム/スローナンバー……FEEDERにとっての王道中の王道が、ここで再び繰り広げられているのです。

とはいえ、それらが単なる“焼き直し”では終わっておらず、ここ数作で試された実験の成果(特に2000年代後半からの10数年は、いかにその「FEEDERとはこういうもの」を維持しつつそこから離れるか?を命題に格闘していた気がします)もしっかり反映されており、今作が単なる原点回帰とは異なることを示しているのではないでしょうか。

とにかく、最初から最後までスルスル聴き進められる、実に気持ち良い1枚。日本盤には収録曲のひとつ「Kyoto」(もちろん、日本の京都のこと)が日本語で歌われたバージョンを収録。でも、どうせなら英詞バージョンも聴きたかったな(配信およびストリーミングでも日本語バージョンしか聴けないので。残念)。

このアルバムを聴くと、不思議とライブが観たくなるんですよね。そういう躍動感がしっかり備わっている、新たな全盛期にふさわしい力作ではないでしょうか。そういえば9月後半には、早くも来日するんですね。遅ればせながら、本作のリリースタイミングに知りました。ぜひ行かねば。

 


▼FEEDER『TALLULAH』
(amazon:日本盤CD / 海外盤CD / MP3

 

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