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2019年8月 4日 (日)

KING CRIMSON『DISCIPLINE』(1981)

1981年9月にリリースされた、KING CRIMSON通算8作目のオリジナルアルバム。

ロバート・フリップ(G)、ジョン・ウェットン(Vo, B)、ビル・ブルーフォード(Dr)のトリオ編成を軸に、デヴィッド・クロス(Violin)、メル・コリンズ(Sax)、イアン・マクドナルド(Sax)などをゲストに迎えた、70年代クリムゾンのラスト作『RED』(1974年)をもってその活動を一旦終了させたクリムゾン。しかし、80年代に入りロバート・フリップ&ビル・ブルーフォードにエイドリアン・ブリュー(Vo, G)、トニー・レヴィン(B, Stick)を加えた4人編成で再始動。このアルバムで新生クリムゾンの全貌が明らかとなりました。

初期のフリーキーなスタイル、後期のメタリックなサウンドなど時期によって表現方法や奏でるサウンドに大きな変化が生じるクリムゾンですが、80'sクリムゾンは過去のどの時期とも似ていない新たなスタイルを確立。時期的なものもあるのでしょうが、非常にニューウェイヴにも似た、ダンサブルなサウンドが展開されています。

まず、聴いていきなり驚くのが「Elephant Talk」での像の鳴き声を真似たエイドリアン・ブリューのギタープレイ。かなり昔、日本のテレビCMでも動物の鳴き真似プレイを目にすることができましたが、かつそのベースとなるサウンドが非常にダンサブルでメタルのメの字はおろか、プログレのプの字すら皆無のヘロヘロサウンド&ボーカルに最初は「?っ」とひっくり返ったものです(といっても、僕自身はリアルタイムではなく、発売から10年以上経ってからの初聴だったのですが)。

「Frame By Frame」でのポリリズムを用いたギターアンサンブルやバンドアレンジに、かろうじてプログレの匂いを感じることができますが、続くストーナンバー「Matte Kudasai」の平和な感じはちょっと……と、頭3曲に肩を落としたこと、今でもよく覚えています(笑)。

ところが、4曲目「Indiscipline」でその雰囲気が一変。そうそう、これが聴きたかったんだ!という重厚なアンサンブルが突如繰り広げられるのです。これこそ、プログレッシヴロックのクリムゾンだ!と。ボーカルの軽薄さだけはどうにもなりませんが(笑)、この1曲にどれだけ救われたことか。

後半も再びダンサブルな「Thela Hun Ginjeet」や、当時のテクノポップの影響を受けたかのような(シンセ・ギターの影響も大きいのでしょうね)「The Sheltering Sky」、ダンサブルなプログレ・クリムゾンという「Descipline」と、かなりバラエティに富んだ内容になっています。

最初こそ面を食らった1枚ですが、実は今ではトップクラスで好きな1枚でもあります。それは、リアルタイムで体験した90年代のクリムゾンはこの“ニューウェイヴ期”なくしては語れないから。これがあったから、僕の好きな90年代のクリムゾンが存在するんだ、ここにいろんなヒントが隠されているんだと思いながら聴き返していたら、いろんな発見があったし、どんどん好きになっていった、と。『クリムゾン・キングの宮殿』(1969年)の頃とはまったく異なる存在ではありますが、これもクリムゾン。仰々しいプログレ時代が苦手という人にこそ、一度は触れてもらいたい「気軽に聴けるクリムゾン」なのです。

 


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