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2019年8月12日 (月)

SAINT VITUS『SAINT VITUS』(2019)

ロサンゼルス出身のドゥームメタルバンドSAINT VITUSが2019年5月に発表した、通算9作目のオリジナルアルバム。

前作『LILLIE: F-65』(2012年)から7年ぶりの新作にあたり(そもそも前作自体が解散〜再結成を経ての17年ぶりの新作だったので、7年くらいじゃ驚きもしませんが)、ワイノ(Vo)脱退を経て2015年に再々加入した初代シンガーのスコット・リーガーズ(Vo)を含む新編成で初のサルバムとなります。

ベーシストもオリジナルメンバーのマーク・アダムスの離脱/パット・ブルダーズの加入という事情もあり、果たしてデビューアルバム(1984年)以来となるセルフタイトルに込めた意味や意気込みなど、どういったものがあるのか……恐る恐るアルバムを手にしたのですが、そんな不安をオープニングの「Remains」にて払拭してくれます。

BLACK SABBATH直系のミドル/スローナンバーを軸に、どこかオジー・オズボーンにも似た歌い上げや、時にドスの効いたヘヴィな歌唱、地を這うようなリズム隊の重厚さ、もはやヴィンテージサウンドと呼べるようなギターの音色と、重苦しいリズムとボーカルの合間をうねるように暴れまわるギターリフ&ギターソロ。定番と言っちゃあ定番かもしれませんが、そこには他のバンドとは比にならない説得力が感じられます。

なんていうんでしょうね、ワインだったらボジョレーと年季の入った熟成品くらいの違いといいますか。真新しさは皆無なんですが、だからこそどんな小細工も通用しない鉄壁さで周りに誰も寄せ付けない、唯一無二感が伝わってくるんです。

どこかホラー映画のサウンドトラックのようでもあり、例えば「A Prelude to...」から「Bloodshed」への組曲的構成はホラー映画のクライマックスが思い浮かびますし、「City Park」の不穏さなんて“まんま”ですからね。不気味な笑い声のサンプリングで終わったかと思うと、そのまま悪魔が召喚されるんじゃないかってくらい不気味なギターリフが鳴り響く「Last Breath」へと続く。もはや本家のサバスですら真似できない領域に突入した、そんな印象すら受けます。

ここで余韻を残して終わる……と思いきや、最後の最後に1分半程度の高速ハードコアチューン「Useless」で唐突に締めくくるあたりも、彼らのバンドとしてのこだわりや、どこから生まれたのかというルーツを証明するようで、思わずニヤリとしてしまいます。いいですね、この最後にハッとさせられる構成。

この手のバンドに決して詳しいわけではありませんが、そんな自分でもすんなり楽しめてしまう良作。このジャンルの入り口としてはうってつけの1枚じゃないでしょうか。

 


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