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2019年8月10日 (土)

SLIPKNOT『WE ARE NOT YOUR KIND』(2019)

ついにリリースされたSLIPKNOTの約5年ぶり、通算6作目のオリジナルアルバム。

このアルバムに関しては、実はすでにリアルサウンドさんのメタル/ラウド系新譜キュレーション連載(7月21日掲載分)にてたっぷり書いてしまっており、今さら付け加えることもないのかな……と思いつつ、改めてCDで、そしてストリーミングで聴いてみたのですが、やはり基本的な印象は初聴のときとほぼ変わりませんでした。うん、よいアルバム。

なので、詳しくはこちら(リアルサウンド - Slipknot、Abbath、GYZE……西廣智一が選ぶ話題性の高いHR/HM新作6作)にて確認していただくとして。

トータル約63分という長さ(日本盤ボーナストラックを除く)は、実は前作『.5: THE GRAY CHAPTER』(2014年)の通常盤と一緒なんですよね。にも関わらず、僕はこの新作を初めて聴いたとき、前作のときに感じた「……長すぎ!」という印象をまったく得ることがなかった。なぜなんでしょう。

それは、新譜キュレーション連載で書いた下記の行に集約されているのかなと思いました。以下、引用しますね。

筆者は常々、Slipknotのアルバムは「ヘヴィさ/攻撃性」「ポップさ/メロディアスさ」「耽美さ/刹那さ」の3つの要素で構成されていると考えており、前作はこのうち「ヘヴィさ/攻撃性」に長けたぶん「ポップさ/メロディアスさ」が若干後退した1枚と感じていました。これは当時のバンドの状況を考えれば納得のいく話かと思います。しかし、今回の新作ではこの3要素がアルバムの中で一番良いバランス感で三角形を作っている。ヘヴィな曲はとことんヘヴィだし、そのヘヴィさもエクストリームさを追求したものから90年代ヘヴィロック的なもの、あるいは80年代のHR/HMを彷彿とさせるギターリフまでさまざま。かと思えば、「ポップさ/メロディアスさ」「耽美さ/刹那さ」に特化した楽曲もしっかり存在しており、1曲1曲の際立ち方は過去最高ではないかと感じました。その3要素の中心にある楽曲が、リードトラックとして公開された「Unsainted」というのも、なるほどと頷けるものがあります。

うん、これで十分だ(笑)。ただ、そこに付け加えるとしたら、1曲1曲がしっかり考えて作り込まれているという点。ジム・ルート(G)はリリースインタビューで「このアルバムを作ったときにインスピレーションになったのは、シングルだけじゃなくフルアルバムを作ることにこだわっているアーティストたちだ。今の音楽業界はとにかくシングルを出して稼ぐ方向に傾いているけど、俺たちスリップノットはひとつの作品として完成している、アルバムでしか味わえない体験を届けたかった」と発言していますが、もちろんアルバム通して聴いたときの破壊力は抜群ですが、それには1曲1曲の完成度がしっかりしていないといけない。つまり、「シングルを作るための、シングルを作った結果のアルバム」ではなくて「良い曲しかないアルバムだったから、結果としてシングルがたくさん“切れた”」という従来の(?)アルバム制作方法を意識した結果の1枚ということなんでしょう(とはいえ、SLIPKNOTがこれまで「シングルを意識した制作方法」をしたことなんで皆無でしょうけどね)。

なんにせよ、バンドのデビュー20周年にふさわしい集大成的な力作。早くライブで聴きたい!って曲ばかりが詰まっているので、来年3月の『KNOTFEST JAPAN』も本当に楽しみです。

 


▼SLIPKNOT『WE ARE NOT YOUR KIND』
(amazon:日本盤CD / 海外盤CD / MP3

 

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