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2019年8月 9日 (金)

SCORPIONS『COMEBLACK』(2011)

2011年11月に発表された、SCORPIONSのカバーアルバム。日本では若干遅れて2012年1月にリリースされています。

前年3月に解散を前提として制作されたオリジナルアルバム『STING IN THE TAIL』(2010年)を発表し、以降のワールドツアーが好評を博したSCORPIONS。同作は本国ドイツで2位、アメリカでも17年ぶりにトップ30入り(23位)を果たし、それに気を良くしたバンドは「全世界のファンへの感謝」を形とするために、“アンコール盤”として新たなスタジオアルバムを制作しました。

本作はすべて新録曲で構成されていますが、新曲は一切含まれておりません。全13曲(ボーナストラック除く)中、前半の7曲は1980〜1990年のヒット曲を当時の編成で再録したもの。クラウス・マイネ(Vo)が以前ほどハイトーンが出せなくなっているため、すべてダウンチューニングとなっています。録音状態やミックスは非常にドライなもので、「Rock You Like A Hurricane」のようなキャッチーな楽曲には合っているのですが、オープニングの「Rhythm Of Love」はちょっと物足りなさを感じてしまいます(もともと、原曲がビッグ・プロダクションで派手でしたしね)。

後半6曲は、バンドが影響を受けた60年代のアーティストの楽曲をカバーしたもの。そのセレクトはハードロックとは程遠いもので、THE BEATLES、THE KINKS、THE ROLLING STONES、T. REX、SMALL FACES、グロリア・ジョーンズとブリティッシュビートが中心。唯一、グロリア・ジョーンズのみ浮いていますが、これはピックアップした「Tainted Love」がSOFT CELLがカバーしていることから、実はSOFT CELLのほうを取り上げたつもりなのかな、と。そう考えればラインナップ的にもT. REXと並ばせることができますし、非常に腑に落ちるものもありますね。

どの曲も程よい感じにハードロック化されており、前半7曲との差を感じさせないアレンジだと思いました。「Tainted Love」も「Children Of The Revolution」もダウンチューニングのせいもあって、適度なヘヴィさがありますし。THE KINKSの「All Day And All Of The Night」も「ああ、ギターリフという点でかなり影響受けているんだな」という気づきもありましたし。

ちなみに、デラックス盤には「Big City Nights」のセルフカバーと、フランスの女性歌手アマンジーヌ・ブルジョワとの「Still Loving You」デュエットバージョン、「Shapes Of Things」(THE YARDBIRDSカバー)が追加されています。後者2曲は別として、なぜ「Big City Nights」は本編に入れなかった?という疑問が残りますが、日本盤およびストリーミングサービスではすべて聴けるので問題なし。

これが全盛期にリリースされていたら「単なる手抜き」と揶揄されていたと思いますが、解散が決定した中での最後のプレゼントというポジションなら“アリ”だったわけです。ところが、ご存知のとおりSCORPIONSはその後解散を撤回。さらなるオリジナルアルバム『RETURN TO FOREVER』(2015年)も発表し、2016年秋には来日公演も行なっています。となると、このアルバム……今となっては非常にトンチキな1枚なわけです。

……まあ、こういう肩の力の抜けたSCORPIONSも悪くない、よね?(苦笑)

 


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